Uzume第9回公演『あの夏の飛行機雲』-永南高校バスケットボール部-が10月14日(金)に東京・GARDEN新木場FACTORYで開幕し、朝田淳弥、宇野結也、奥谷知弘、村松洸希からのコメント、舞台写真、ゲネプロレポートが到着した。
GARDEN新木場FACTORYという倉庫のような劇場に足を踏み入れると、客席との垣根がないセンターステージにバスケットボールのコートのみというシンプルなセットが観客を迎える。開演するとよく分かるのだが、キャストと観客の距離が近く、まるで高校の体育館の中にいるような錯覚を覚える。そこで繰り広げられる本当の高校の部活のようなリアルなバスケットボール部の練習風景、キャストの熱量、そして何より白熱の試合シーンの数々。キャストにバスケットボール経験者が18名ほどいるというリアルさが生み出す熱気に観ているほうもだんだん手に汗を握りながら物語に惹き込まれていった。物語の冒頭に永南高校バスケットボール部のエースが事故で亡くなるという衝撃を、弟、チームメイトのみならず教師やコーチもそれぞれの葛藤を抱えながらもどのように乗り越えていくのか。また、タイムリープなどの要素も織り交ぜつつ、過去と現在を描き、高校生の青春群像劇に厚みを持たせている。中でも兄の死後にバスケを始めた弟の兄との絆、兄への憧れ、心の葛藤や歪み、後悔などを丁寧に描いている作品である。劇場を後にするときには、きっと誰しもの心に刺さる“何か”があるだろう。
朝田淳弥 コメント
元々バスケには苦手意識があった僕ですが、この作品を通してすごく好きになりました。それは周りにいるキャストのみんながバスケの楽しさを一緒に共有してくれたから。食べず嫌いと一緒でした。案外やってみたら楽しいんです。キャストのみんなが僕に1歩を踏み出させてくれたように、あなたの背中を後押してくれる、そんな作品になっています。そして芝居もバスケも正真正銘のナマモノです。芝居の熱量にスポーツの熱量を掛け算して、超新星爆発のような化学反応を起こしていきたいです。その爆風の追い風に乗りながら千秋楽まで怪我なくカンパニー全員で走り抜けていきたいと思います。個人的には最後のシーンで投げるフリースローが12公演中何回入るかに注目して欲しいです。もちろん12回入れます! と意気込みたいところですが、役者としては半分入れて半分外していきたいと思っています。なぜならマルチエンディングですから。あなたが観てくださる公演は果たしてどちらでしょうか…。公演時間は2時間。人生においてはたったの2時間です。されど2時間でもあります。皆さまの大切なお時間を頂戴するからには全身全霊で挑み、皆さまの記憶に残るような素敵な作品をお届けしていきたいと思います。
宇野結也 コメント
この作品に初めて触れたとき、自身の過去と重なる部分がたくさんあってびっくりしたのを覚えています。『楽しむ』と『生きる』って永遠のテーマだなとしみじみ感じました。コートに響くボールの音が聞こえるたびに、さまざまな思い出がよみがえります。皆さまにとって、この作品が素敵な思い出になることを願って、全力でお届けします。ご来場心よりお待ちしております。
奥谷知弘 コメント
この作品の開幕をずっと心待ちにしていました。約12年間やっていたバスケットボールの作品に携われたことを嬉しく思います。この作品を通して、今しかない瞬間や目の前にある楽しみを全力で後悔なく楽しむ。そんなメッセージを伝えられたらと思います。バスケと演劇を掛け合わせた迫力満載の青春劇を存分に楽しんでください!
村松洸希 コメント
Uzumeは過去12本の演劇創作を行ってきました。そして今回は、「スポーツと演劇」のコラボをテーマに創作をしました。今回の舞台ではバスケットボールをリアルにその場でプレーを行います。劇中ボールをずっと使ってお芝居を行います。そのため、「不確定」要素がたくさん含まれております。なので、今回は創作しながら本番を行う感覚があります。その場で起きることを役者が紡いでその日にしか観れない創作を行います。是非目撃してください。これを機に皆さまの「きっかけ」になれば嬉しいです。そしてバスケットボールと演劇を好きになってくれたら幸いです。皆さまの貴重な時間とお金をいただいて、僕たちは舞台にあがります。責任をもって青春をして、最高の物を届けます! 応援よろしくお願いいたします。
同舞台は、2016年から活動している劇団Uzumeの第9回公演。村松洸希が脚本・演出を手がけ、高校生の青春を描いた群像劇だ。
立花壮太は亡くなった兄のいたバスケ部に、兄の親友の誘いで入部することに。そのバスケ部で壮太は兄の偉大さを知る。しかし、3年生最後の大会を前にして、バスケ部は壊れ出してしまい…。
公演は10月23日(日)まで行われる。
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