劇団アレン座(株式会社Allen)の第七回本公演舞台「土の壁」が3月9日、東京・すみだパークシアター倉で開幕。舞台写真とキャスト・スタッフコメントが到着した。
本作は、2019年に上演された舞台「積チノカベ」をもとに、新たなキャストと共に「土の壁」として上演。放射能汚染により土の「上」と「下」に分断された近未来的な架空の世界で、現代社会が抱える問題を縮図化した作品だ。
樹役:小野翔平
稽古からゲネプロを終えた感想
今ゲネプロを終えて、もっとこの作品の世界へ入っていかなくてはなと思います。茉美さんが描く世界に。見る人によって捉え方が違ってくるかもしれないけれど、この作品から伝わってくるメッセージが必ず何かはあると思います。それを代弁していくぞという強い気持ちを持って演じていきます。
本番への意気込みと観客へのメッセージ
僕は本作で初めて舞台というものに挑戦するため、観客の皆さんに自分が作り上げたものを見ていただくというのは正直まだ怖いです。どう届くのか、どう伝わるのか分からないし、何も伝わらなかったらどうしようとも考えてしまいます。1カ月一緒に稽古をしてきたキャストの皆さん、演出の鈴木茉美さん、スタッフの皆さんの存在が本当に心強くて、「何かが届け!」という気持ちで頑張らせていただきます。
伊吹役:林田麻里
稽古からゲネプロを終えた感想
見る方によって何のお話なのかが変わる舞台です。家族の話なのか、分断の話なのか…様々なことを感じていただける、たくさんの要素を持つ作品だと思います。まだゲネプロを終えた段階なので、お客さまにどう届いていくのか、どういう作品になっていくのか分からないところも今はあります。
本番への意気込みと観客へのメッセージ
新型コロナウイルスの流行から、私が東京で舞台に立つのは丸2年ぶりです。この期間があったからこそ演劇はお客さまに見ていただくことでやっと完成するものだと実感しました。本番への怖さと楽しみを抱えた稽古の日々でしたが、今、劇場のセットを見て「ああ、本当にお客さまの前でやるんだな」と強く感じています。胸がいっぱいです。
峻哉役:塚越健一
稽古からゲネプロを終えた感想
今の世界的な状況もあって、色々と感じることの多い作品になったのではないかと思います。観ていただいた方の経験や環境によって、突き刺さる言葉や想いが全く異なってくるのではないでしょうか。
本番への意気込みと観客へのメッセージ
自分をとりまく世の中を見つめ直していただくきっかけになる、またはそうなってほしい作品だと思っております。自分が変わるためであっても、反対に「今のままでもいいんだ」と気づくためには何かしらの『きっかけ』が必要だと思うんです。どんな考え方が正解、不正解ということはありませんが、本作の持つ何か一つがきっと皆さんにも刺さると思います。どうぞ体感しにいらしてください。
太陽役:來河侑希
稽古からゲネプロを終えた感想
すごく誠実な作品だと思っています。出演者も、演出の茉美さんも、スタッフもこの作品 を完成させようと、今の時勢と戦いながらまっすぐに作っています。人類はあらゆる出来事を繰り返していくなかで、『一番大切な情報は何なのか』を常に考えていかなくてはならない。それを強く打ち出した作品です。これが観客の皆さまにどう届くのかはまだ分かりませんが、反応が今から楽しみです。
本番への意気込みと観客へのメッセージ
お客様の前でお芝居をすることが非常に楽しみです。この作品は一本筋の通ったメッセージがあるのですが、それ以外も様々な側面から見ることができると思います。未知数なのがすごく楽しみです。劇場でも配信でも楽しんでいただけますので、何かのきっかけを得てくださればと思います。
脚本・演出:鈴木茉美
稽古からゲネプロを終えた感想
誰一人として手を抜くことがない現場というのはすごくありがたいと感じています。役者さんもスタッフさんもこの作品というものに向き合ってくれています。私がやりたいと思うことの、テクニカル的なところを汲み取ってくださって、すごくいいチームができていて。それがとても嬉しいです。 役者さんと一緒に最後まであがいて、より突き詰めたものをお客さまにお届けするんだな、とゲネプロを通して再確認しました。
本番への意気込みと観客へのメッセージ
たくさんの人に届いて、たくさんの人に響く作品になるといいなと思います。よろしくお願いいたします。
颯佑役:山木透
アレン座で稽古をした感想
劇場の舞台セットを見た時にとても感動しました。台本のト書きにセットのイメージが書かれていて「どんな感じなんだろう?」とずっと思っていたのですが、実際に見てみると本当にすごいんです! アレン座さんは細部までこだっているんだなというのがセットからも垣間見ることができます。 また、作品が持つリアリティがとてつもないです。黒点というこの作品でのみ存在する病気が登場して、それによって土の上と下の差別があったり、家族関係に関与したりするんです。この病気が色々なことに作用して、それぞれの関係性のリアルさが増しているように感じます。
本番への意気込みと観客へのメッセージ
劇場に入ってから出るまでずっと引き込まれ続けること間違いなしです。このご時世にやるからこその意味もありますし、多くのものを感じていただける舞台だと思います。楽しんでください。
天音役:大谷誠
アレン座で稽古をした感想
稽古日数は他の方の半分ほどだったので、今日のゲネプロを終えてようやくキャストの皆さんの仲間に加わることができたな、と感じました。稽古場で思い出に残っていることは、晴人の感情が溢れてガン泣きしたシーン。めちゃくちゃよかったんです。なぜか笑えるのに目がうるうるしてしまうという(笑)。
本番への意気込みと観客へのメッセージ
ものすごくメッセージ性が強い作品なので、見る側も体力が必要となるシーンもあるかと思います。どうかぜひ気合を入れて見に来ていただけたら嬉しいです。楽しいです!
晴人役/松田崚汰
アレン座で稽古をした感想
樹と晴人と颯佑の3人組が稽古を重ねるごとに、日に日に仲良くなっていくというのが一番の思い出ですね。普段大切な人との別れのシーンを演じる時は、自分自身の大切な人を思い浮かべながら、その人に置き換えてお芝居することがあるんですけど、本作は途中から「颯佑がいなくなっち ゃったらどうしよう」というリアルな感情が上乗せされて自然と涙が出てきました。劇場に入って座席に座った瞬間に感じる空間設定も見どころの一つです。座席すらもセットに含まれているんじゃないのかな? と感じるくらい、劇場の雰囲気と「土の壁」の世界観がマッチしていると思います。公演が始まる直前の演出にもちょっとした仕掛けが隠れているので注目してください!
本番への意気込みと観客へのメッセージ
楽しみます! どうぞよろしくお願いいたします。
正海役:五頭岳夫
アレン座で稽古をした感想
2019年の初演のときと比べるとセットがかなり変わっているように感じました。初演もすごいと思いましたが今回もすごい。また、私自身本作は 35年ぶりの舞台出演となるのですが、こうも大変だとは思いもしませんでした。ゲネプロで倒れそうになるくらい体力を要する作品です。
本番への意気込みと観客へのメッセージ
子どもたちの関係がものとても面白いので、ぜひそこを楽しみながら見てみてください。
萌葱役:山田愛奈
見どころ
私も水菜もそうなんですが、めちゃくちゃいいシーンのあとにそれをぶち壊してしまう出来事があるんです。でもなぜか稽古をやっていくうちにこれが気持ちよく感じるようになってきました(笑)。
今まで壁を感じたことは
自分自身に壁を作ってしまうタイプで、自分のことを考える時間が苦手です。普段は趣味を優先してあまり考えないようにしているんです。今は少しずつその壁を壊しながら前へ進もうとしているのですが、その壁は更新されていく一方ですね。
本番への意気込みと観客へのメッセージ
登場人物の誰かに感情移入したり、観劇後に「色々な考え方があるんだな」と思える舞台です。できれば何度も見ていただければ嬉しいです。
水菜役:北村優衣
見どころ
私も山田さんと同じで「ぶち壊してしまうシーン」ですね。水菜を演じる上で、直前のシーンが重たければ重たいほど「ぶち壊してやろう」という気持ちになり、落差があればあるほど挑みたくなってしまいます。
今まで壁を感じたことは
私は人見知りで、人といると落ち着かなくなってしまい、思ってもないことを喋ってしまうんです。逆に思っていることも全部外に出してしまったり。 それがずっと嫌で、大学に入学したときになるべく寡黙でいようとあえて壁を作ったら逆に誰も話しかけてくれなかった、っていう失敗談があります(笑)。
本番への意気込みと観客へのメッセージ
情報が溢れていて、それを手軽に得ることができる時代だからこそ、自分で取捨選択をしていくことが大事だと思います。そして本作はそういった思考と向き合うきっかけになると思います。ぜひ見に来ていただけると嬉しいです。
砂希役:桜彩
見どころ
作中の国営放送のシーンがあるのですが、色々と絶妙で…砂希としてではなく、私個人としてすごくイラッとしてしまう、大好きなシーンです(笑)。そこで私の中の演技のスイッチが入るというか、エンディングに向けての心の準備が毎公演できるようになるんです。
今まで壁を感じたことは
実は昔、男性に対する壁があったのですが、舞台の裏方をさせていただく中で克服してきました。荒療治ですね(笑)。
本番への意気込みと観客へのメッセージ
見ていると、はじめから最後まであらゆる感情が湧き上がってきて、終演後はもしかしたら立ち上がれなくなってしまうかもしれない作品です。 今って理性的に生きなくてはならない世の中になっているかとは思うのですが、この舞台を通してたくさんの感情を受け取って、観劇後に「生きてるな」と感じていただけたらとても嬉しいです。感情が動いているということは、生きているということの証拠ではないでしょうか。よろしくお願いします。
陸役:髙野春樹
見どころ
土の上の人と下の人の生活やギャップ、物事を考えるときの基準といった感覚の違いをお客さまには楽しんでいただきたいと思います。違った人たちがその日常をどう生きているのかというところも見ていただけたらと思います。
今まで壁を感じたことは
僕は人との壁を常に感じていて。壊そうとしてだいたいいつも失敗してしまって。相手のスペースに踏み込みすぎてしまうことがあるようです(笑)。
本番への意気込みと観客へのメッセージ
見て、感じて、どういうふうに行動するかがこの作品のテーマでもあるので、観劇後に 様々なものを持って帰っていただけたらいいなと思います。よろしくお願いします。
2022 Allen.All Right Reserved. Photographer 木村 健太郎
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