ミュージカル「遠ざかるネバーランド」のイメージビジュアルが解禁となり、出演する俳優のコメントが届いた。
空想組曲のほさかよう脚本「遠ざかるネバーランド」を、2018年に劇団イッツフォーリーズがミュージカル化。「ピーターパン」の世界をモチーフにした大人のダークファンタジーだ。
また、3月26日(土)18時開演の回の後に行われるアフターイベントの概要も決まった。終演後に、イッツフォーリーズによるミニコンサートを開催される。吉田雄、水谷圭見、石川裕梨、矢野叶梨らが出演する。本編出演者による、いずみたくナンバーの披露もある。
ミュージカル「遠ざかるネバーランド」は2022年3月23日(水)から28日(日)まで、東京・俳優座劇場で上演される。出演する俳優のコメントは次の通り。
ウエンディ役:徳岡明
2018年に私たちイッツフォーリーズがミュージカル化したこの作品を、再演できることにとても喜びを感じています。この作品は、1幕と2幕で作品の見方が180度変わるような作りになっていて、観劇後、1幕に戻ってもう1回観たい!と思う伏線が散りばめられています。また一人の女子高生が抱えている様々な悩みや辛さを、あえて現実味のないピーターパンの世界を通して描いています。それによって観ている人それぞれに、各々の形で深く響く物語だと思っています。初演ではエコー役で出演致しましたが、その時とは環境も世界の情勢も色々と変わり、私も少しネガティブになってしまったり、命について考える機会が増えたりしました。でもまだまだ希望がある、奇跡があるという事を真摯に表現していきたい。とはいえ題材はピーターパン!ファンタジーの世界に来た気分で楽しくご覧いただきたいです。
少年役:神田恭兵
コメントネバーランドという世界に住む永遠の少年ピーターパン。この「遠ざかるネバーランド」も、その名の通りピーターパンやウエンディ、迷子、タイガーリリー、海賊、そしてフック船長のいるネバーランドの世界。僕が演じる”少年”役は、突然この世界に現れ、ウエンディたちの”空が飛びたい”という願いを妨害しようとします。彼は何故、妨害をするのか?”空を飛ぶ”とは何なのか?この作品と向き合うようになって、今まで当たり前かのように生きてきた自分の人生や、学生の頃の記憶を思い出し探る日々を過ごしています。大人へと成長していく中で、心の奥底にある素直な想いや自分の意志を抑え込み、そんな自分や周りの世界が窮屈で苦しいと思った経験はきっと誰でもあるはず。気を紛らわし、見ないようにして、気がつけばそんな自分に慣れて今ここに立っているのかもと改めて感じています。それを含めて成長というのかもしれませんが。この作品をご覧いただければ、そんな昔の自分に出会えるかもしれません。そして、今やこれから先の未来に希望を持っていただけると嬉しいです。
ピーターパン役:工藤広夢
初めて台本を読んだ時、全く予想できない展開にハラハラしたのを思い出します。もちろんファンタジー要素が沢山ある作品ではありますが、そこが壮大な前振りかのように物語の軸がどんどん移り変わっていきます。今回、ピーターパン役を演じるにあたって、色々な作品に出てくるピーターパンを拝見しました。その中で、アニメーションでもない生身の人間、僕自身がピーターパンを演じるということと、彼にも絶対にあったであろう《孤独感》というものが、今回の僕のテーマです。誰もがきっと思い描く『ピーターパンというのはこうだ!』という部分と、僕が感じた彼の人間的な部分とを混ぜて混ぜて、たくさん凝縮して演じたいと思っています。演出の渋谷真紀子さんには、僕の細かい質問に答えて沢山の案を出していただき感謝しかありません。チーム一丸となってこのダークファンタジーを成立させてみたいと思います。
フォガーテ役:青柳塁斗
遠ざかるネバーランドって何なのだろう?タイトルだけはキラキラしてるなぁ。台本を読む、台本とにらめっこ……。一行の台詞を台本穴あくんじゃないのかというくらい読む。みんなでそれぞれの役、感情、関係性など机で円をつくり各々ディスカッション。テーブルワークというらしい。せっかくならみんなでご飯食べながらできたら良いのだが……。それもご時世的に難しいので少しでも声など聞けてコミュニケーションがとれてありがたい。そして常に『?!』という気持ちを持つ。まだまだ稽古場では疑いと発見が沢山あり、とても考えさせられる題材となってます。みんなで知恵の輪をやってるのか謎解きの脱出ゲームをやってるのか……。稽古はまだまだやる事だらけ、だらけだらけで楽しいです。本番をお楽しみに!一人でご飯たべながら台本読むテーブルイートしてきます。
ジェイムズ・フック役:川原一馬
「遠ざかるネバーランド」は沢山の解釈がある作品だと感じました。演じる上で幅広く意味を捉えていただけるように役の表現を作れたら良いなと思って稽古をしていますが、いざ主観での表現になった時に、戯曲の解釈とノッキングしている状況です。幕が開くまで、日々悩みながら作品と向き合いたいと思います。作品自体のメッセージがとても鋭いものですが、ネバーランドというファンタジーの世界観と現実(リアル)のバランスがとても難しく、表現が軽くならないよう言葉と行動に重みを持って演じられるよう頑張りたいと思います。人とコミュニケーションを取ることが以前よりも減った今、以前の生活よりも人との壁が厚くなった気がしています。僕自身も感じていますが、生活している上で孤独だと感じる事や、助けて欲しいけど声を出せない事が多々あります。近くにいる人がそのような状況の時に気付かない事、それに気づいていても手を差し伸べる余裕が自分自身になかったりもします。観劇される方によって感じる事は沢山あると思います。本作を通して何か感じていただけたら嬉しいです。
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