【OSIRU会員様限定公開】岩城直弥「僕が役者をやっている意味」 活動を振り返る【誕生日記念インタビュー】

4月16日(日)に28歳の誕生日を迎えた岩城直弥さん。

2023年は、自身初となる主演舞台「おねがいっパトロンさま!The Stage ~ココロを詠え~」アサキ役に始まり、脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバックのミズキ役や舞台「魔法使いの約束」カイン役、「Dr.STONE THE STAGE -SCIENCE WORLD-」大木大樹役など、注目作品が目白押しです。その活躍は2.5次元作品にとどまらず、進戯団 夢命クラシックス#27『花音』や朗読劇「美男ペコパンと悪魔」などで、これまでとはまた違った魅力も見せてくれました。

今回は、岩城さんの誕生日を記念し、特別インタビューを実施。28歳の誕生日を迎えた岩城さんに、これまでの活動を振り返ってもらいながら、今後の展望やファンへの思い、誕生日にまつわるエピソードなどを聞きました。

※本記事は2023年3月01日から2023年3月31日の期間でOSIRUの有料会員にご登録いただいていた方を対象に公開しております。手段の如何を問わず、ご本人以外の方への記事の共有はご遠慮ください。記事の感想をSNSなどで投稿することは構いません。

――2016年の初舞台出演から今年で7年目となります。これまでの活動を振り返ってみていかがですか。

いろいろなことをやってきましたが、振り返ると、取り組みとしてうまくいかないことの方が多かったですね。もちろん、ありがたいことに出演作品が決まって、周りから羨ましがられるような作品にも出演できているのかもしれないんですが、精進する日々でした。

それでもお客さまやファンの皆さまが応援して支えてくださったおかげでこの仕事ができて、この世界で食べていけてるって感じますね。

――そのしんどさを乗り越える原動力になったものはなんだったのでしょうか。

やっぱりうまくいったときの楽しさがあるからでしょうね。いままでもこの仕事を辞めようとは思ってないですけど、そういう瞬間があるたびに「辞められないな」って感じます。あと、やっぱり僕のことを応援してくれる人がいるっていうのを実感することが、大きな力になっていますね。

――多くの作品に出演するなかで、ご自身のなかでターニングポイントだと感じている作品はありますか。

もう全部ターニングポイントなんですけど、「おねステ」(おねがいっパトロンさま! The Stage 〜ココロを詠え〜)で主演をやったっていうのが大きかったような気がしています。

――振り返ってみて、主演という経験はいかがでした。

主演は、叶うならもっと早くやれていればよかったなっていうのは、実際経験してみて思いました。“作品を背負う”という経験はそれくらい大きなことで、作品への取り組み方だったり稽古場での雰囲気の大切さだったり、あとは、なにより作品への責任というものをより強く実感するきっかけになりましたね。

――ほかに、忘れられないステージはありますか。

忘れられないステージ…「ドクステ」(「Dr.STONE」THE STAGE 〜SCIENCE WORLD)ですかね。ハッピーコンテンツでめちゃくちゃ楽しかったです!  新しい形の作品で、劇中にサイエンスショーとかもあって。子どもを含めいろんな人に観てもらいやすい作品だったと思うので、僕自身もすごく印象に残っています。

――逆に難しかった役や苦労した役を挙げるとすると?

難しかった役ですか。もう、テニス(ミュージカル「テニスの王子様」)じゃないですかね。経験の少ない中で人気な役をやることへのプレッシャーもすごくありました。あと、ダンスもしたことがなかったので、すべてが挑戦でした。

――今後、役者として挑戦してみたいことはありますか。

挑戦したいことかぁ…留め(※)の位置に入れるようになりたいですね。挑戦っていうか、憧れなんですけど。あそこ(留め)は多分実力がある人だからやれるポジションだと思うので、そこに入れるような役者になりたいですね。

※主演の次に目立たせるために最後に出演者の名前を載せるクレジットタイトルの業界用語。

――岩城さんにとって“役者”とは、“演じること”とは。そのやりがいを教えてください。

基本的に、人に笑顔になってもらうのがすごく好きなんです。笑顔になったりとか、笑顔じゃなくても感動して泣いたりとか、結局それっていい思い出になるわけじゃないですか。そういう心が動く瞬間を、僕たちがやっていることで作れるっていうのは、すごくやりがいを感じます。それが1番大きいかもしれないですね。

役者が演じる物語の中って非日常じゃないですか。日常にはない刺激的な空間やストーリーを提供すること、それが僕が役者をやっている意味なんだと思います。

――記事公開日は28歳のお誕生日となります。ずばり28歳の目標は?

稽古だったり本番だったりが、今まで以上に楽しめるようになりたいですね。もちろん、これまでも楽しい部分が多かったんですけど、もっと挑戦することを楽しめるようになりたいです。

――ちなみに、子どもの頃の夢は?

サッカー選手でした。

――そこから役者に夢が変わった瞬間は?

瞬間というのはなかったですね。やっていくうちにって感じです。やってみたらこの仕事を楽しめたのと、あとは普通の社会人として働くのは性格的にちょっと無理だろうなって思っていて。だから「あ、自分はこれなんだな」というのをやっていくうちに思いましたね。

――もし役者をしていなかったらどんな仕事をしていたと思いますか?

え~どんな風になってたんだろう。いや、でも…(しばし考えてから)やっぱり一般的なサラリーマンとかは多分できないと思うので、スポーツトレーナーとか目指していたかもしれないですね。スポーツチームに帯同するトレーナーさんとか。でも現実的なところだと、大学を出ているので、多分周りと同じように会社に就職していたのかなあ。

ただ…もちろん毎日仕事が楽しいって人もいっぱいいると思うんですけど、じゃあ僕が毎朝同じ時間に通勤して働いて、ってできるかと言われるとそれはちょっと想像できないんですよね。それは高校生ぐらいの時から思っていて。

そもそも学校に毎日行くっていうのが、あんまり得意じゃなくて。ちゃんと行ってましたけど、朝早いのが苦手だし、休みもほとんどないし、みたいな。ルーティンを繰り返すのが得意じゃないので、今となってはもうほかの仕事は全然考えられないですね。

――誕生日プレゼントにまつわる思い出はありますか?

子どもの頃は、1個好きなものを買える権利をもらっていました。後日、親と一緒に買物に行って、ゲームだったり、サッカーボールだったり、スパイクだったりを買ってもらいましたね。

――大人になってからは自分で自分に誕生日プレゼントを買っていますか。

とくに自分へのご褒美的な感じでは買っていないですね。でも、最近“服”に目覚めまして…。やっぱり値が張るものはかっこいいっていうのに、気づいてしまったんですよ。

実は前から欲しい服があって、それがかなりお買い得な値段になっているのを見かけたので、それを自分の誕生日プレゼントに買うのはありだなって、今思いましたね。

――服に目覚めたきっかけはやはり山田ジェームス武さんでしょうか?

そうです、そうです。ジェーくん(山田ジェームス武)に言われたのが、「いい服を着ると自信がつく」的な話で。たしかによく聞く言葉じゃないですか。それまでは「まさか」と思っていたんですけど、あれは結構本当でしたね。

――実感されました?

はい。「人は見た目が9割」って、中学か高校の先生が言っていて。人は見た目じゃないけど、やっぱり最初に目に入る部分の印象って大きいんだなっていうのを実感したというか、大事だなって思いましたね。

実際に服がどれくらい影響しているかはわからないんですけど、自分の気持ちとしては服に興味を持ってから、周りの人と仲良くなりやすくなったのかなって感じます。でもやっぱり、服を好きになると予算が足りないんですよ(笑)。いい服って本当に高いから。そのあたりはちょっとジレンマを感じています。

――洋服という新しい趣味もそうですが、今後30歳に向けて、やってみたいことや目指す人物像はありますか。

渋みがある役をやりたいですね。ちょっと難しいかもしれないですけど、でも年齢的にもそういう渋い役とかできるようになったら、演技の幅が広がるんじゃないかなって思います。

なので、僕自身ももっと渋みのある人間になりたいですね。今のところ、ちょっと服がかっこよくなったっていうのはあるかもしれないんですけど、自分としてはあんまり渋みはないと思うので…。まずは形から入りつつ、中身も渋くなっていきたいです。

 

――手作り感ある温かなファンイベントをはじめ、OSIRUなど、ファンとの交流を積極的に持たれている印象です。ファンとの関わりについてはどう考えていますか。

恩返しの場というか、ありがとうを定期的に伝えるための場だな、とは思ってやっていますね。ファンの方ありきの職業なので、そこは絶対に忘れちゃいけないなって思います。

――ここ数年は制限も多くありましたが、今後イベントなどでやってみたい企画などあれば教えてください。

コロナ前は参加型のイベントでお客さんにめちゃくちゃ声を出してもらっていたんですよ。あれがすごく盛り上がっていたので、めっちゃ声出すイベントやりたいですね。僕はイベントの準備も自分でやっているんですが、本当に声を出せるかどうかっていうのが企画を考える上で大きいんです。「これ声出せたらおもしろいな、盛り上がるだろうな」ってアイデアがたくさんあって。

最近は声を出す代わりにジェスチャーしてもらったりとか、なんとか工夫してやっていますが、やっぱり制限を感じているので、実際にファンの方の声を聞けるイベントが早くできるようになるといいなと思います。

――先日OSIRUがサービス終了となりましたが、改めてファンに向けてのメッセージをお願いします。

OSIRUで知ってくれた方、もちろんその前から知ってくれていた方も、OSIRUを通して少しでも僕を深く知ってもらえたんじゃないかと思います。28歳となる今年も、ありがたいことに作品への出演がいろいろと決まっています。今後の岩城直弥にも乞うご期待ください!

――ありがとうございます!  最後に“28歳の岩城直弥の注目してほしいところ”で締めていただければと思います!

(熟考してから)板の外ではしっかりしていないかもしれないですけど、舞台上ではちゃんといい仕事をする、そんな“やるときはやる”岩城直弥をお楽しみください!

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胸にある思いを、ひとつずつ丁寧に言葉として紡いでいく姿が印象的なインタビューとなりました。飛ぶ鳥を落とす勢いの彼の活躍に、これからも目が離せません。

取材・文:双海しお/撮影:遥南碧

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