魔法の世界を拳1つで壊していく“アブノーマル魔法ファンタジー”「マッシュル-MASHLE-」を原作とした「マッシュル-MASHLE-」THE STAGEが7月に開幕。
2.5ジゲン!!では主人公のマッシュ・バーンデッドを演じる赤澤遼太郎をはじめ、フィン・エイムズを演じる広井雄士、ランス・クラウンを演じる石川凌雅、ドット・バレットを演じる山田ジェームス武にインタビューを実施。
役作りや作品への印象、筋トレ秘話などを聞いた。「一緒に寮生活をするなら誰がいい？」という質問では、アドラ寮メンバーの関係性が垣間見えるにぎやかなインタビューとなった。
――まずは「マッシュル-MASHLE-」の世界観についての感想をお聞かせください。最初にこの作品に触れた際の印象はいかがでしたか。
赤澤遼太郎（マッシュ役）：すごく爽快感のある見やすい作品だなと思いました。話の構造がわかりやすいというか、悪いやつが出てきて、そいつをやっつけるためにマッシュが頑張る。その頑張る理由が、最初は「じいちゃんのため」というところから、友達のためにも頑張るようになる。そういう交友関係の成長とかを見られて、すごく面白い作品だなって思いましたね。
石川凌雅（ランス役）：世界観としては「これ、いいの!?」がすごく詰まっていて、それを堂々とやっていることがすごく気持ちよくて。「いいの!?」がどんどん出てくるので、「マッシュル-MASHLE-」にしかない独特の世界観がすごくクセになるというか。
キャラクターも、すごく奇抜で独創的で中毒になる感じで。そういう意味で、本当にオリジナリティ溢れた作品で楽しいなっていう風に思っています。
広井雄士（フィン役）：絶対的な主人公が「マッシュ」っていうのは、誰が見てもわかることだと思うし、だからこそ、すごくスカッとするなと思いました。それでいて、みんなクセが強いキャラクターというか、個性に溢れていて。
悪役と言われるキャラも、完全なる悪じゃなくて各々のバックボーンを持っているんですよ。それがマッシュをきっかけに、改心というか、“自分でも気づいていなかった自分の本音”にどんどん気づいていく過程がすごく人間味が溢れていて、そこにすごく魅力を感じましたね。
山田：僕は連載当初からずっと読んでいるんですけど、この作品がいいなって思うのは、難しいことがなく、めっちゃくちゃスーって入ってくるんですよ（笑）。まじで何も考えずに楽しく読めるんです。あの魔法の世界でパンチ1発で倒すのも、爽快で痛快で読んでいて気持ちがいいですし、「そんなのありなの!?」ってセオリーを破ってくるし。前のめりになった瞬間に砕かれることもあって、本当に振り回されて楽しいですね。
気持ちのいいところがスッて入ってくるのがこの作品の良さだと思うので、舞台でもそういう作品にできたらいいなっていうのは思いましたね。
――「マッシュル-MASHLE-」の舞台化を聞いた時と、実際に稽古が始まってから、舞台化の化学反応みたいなものをどんな風に感じてらっしゃいますか。
山田：いやもう化学反応がすごいし、面白いですよ。
赤澤：いや、本当にこんなに（舞台化が）合うんだって思いましたね。
山田：ね。どの作品をやっていても面白いなって思う部分はたくさんありますし、もちろん皆さんに観てほしいなって思うことはたくさんあるんですけど、今回はいろんな役者さんに「これマジでおもろいから観た方がいいよ」って言えるぐらい、なんだろう…ふざけてますね。
一同：（笑）。
赤澤：悪い意味の“ふざけ”じゃないですもんね。
山田：ね。大人が本気でちゃんとふざけてる、というか。
石川：それこそ最初、「魔法の表現をどうやってやるんだろう」っていうのが1番の疑問で。でも、稽古に入って徐々にシーンが作り上げられていく中で、だんだん見えてくるんですよ、魔法が。ダンスや身体表現でそこを表現してるんですが、最初していた想像っていうのが、どんどん鮮明になっていっていて。締めるところはマッシュが身一つですごく頑張って締めてくれていて。
山田：魔法を表現するより、こっち（筋肉）を表現するほうが大変だよね。もはや魔法越えてきちゃってるから（笑）。
石川：その魔法の表現と遼太郎くんのマッシュとの対比というか、そこをすごく説得力持って演じているので。
赤澤：（小声で）うれしい。
石川：なので、観たら絶対「あーなるほど」って思ってもらえると思うんですよ。まだここから稽古で詰めていくんですが、まだまだ色々な化学反応が起きるんじゃないかなと思っています。
赤澤：なんか演劇に合っていますよね。人の身で作っているというか。やっぱり、現実世界で絶対できないことをやるっていう上で、人の力というか、マンパワーでやってる感がすごいあるから。パワープレイというか「これはもう、そういうことです！」みたいな。
山田：この作品の世界観がわりとパワープレイだから、マッチしてるよね。アナログでやるっていうのは。
赤澤：いいですよね。映像にがっつり頼らないというか。もちろん映像を使う場面もあるんですが、肉体でできるところは肉体でやって、みたいな感じはすごい面白いなと思います。
広井：僕は“マッシュの初めての友達”として今回出演させてもらうんですけど、いい意味でマッシュが浮きすぎていて（笑）。それがなんか良くて、みんなが一生懸命こっちにベクトル向けてるのにマッシュだけ違う方を向いている、みたいな。
戦闘場面では特に表れていて、そのマッシュを見て新鮮に毎回驚けるのですごく楽しいです。
――みなさんクセのあるキャラクターを演じられますが、ご自身が演じる役について、最初の印象と、稽古を経て見えてきた新たな一面や魅力を教えてください。
広井：フィンくんのことは、0か100にしか振り切れないキャラだと思っています。マッシュと仲良くなるまでの過程もそうだし、実際に仲良くなった後でも、「いや、僕はいいです」みたいな時もあれば、頑張って勇気を振り絞る時もあって。なんかその振り幅が、この作品で1番人間味に溢れているキャラクターだなって、自分で演じていて思っています。
稽古中も“どうやったらおもしろくなるか”みたいな話を、特に武くんがどんどん言ってくださって（笑）。そういう話からもキャラクターがどんどん見えてきて、毎日発見ばかりですね。
赤澤：最初原作を読んだ時は、主人公らしくない主人公というか、なかなかいないパターンの感じだなって思って。優しさはもちろんあるけど、それが表面に見えづらかったり、今何考えてるんだろう、みたいな。自分が読んでいた時は、完全には掴みきれてない印象があって。
ただ、こうして役を演じていく上で、「この子、ものすごく人のことを見極める子なんだな」って思うようになりましたね。マッシュって、自分にとって敵か味方かですごく判断するんですよね。こいつが自分にとって敵だと思ったらボコボコにするし、味方だと思ったら全力で守るし、とすごくはっきりしていて。でも、まずちゃんと話を聞いてあげた上で、「じゃあお前とは仲良くできないからやります」みたいに、人を判断するところが面白いなと（笑）。
山田：振り切ってるもんな。
赤澤：表情には出ないんですけど、最後まで仲良くなれるんじゃないかみたいな可能性は、たぶんずっと模索しているのかなぁ、とか。僕は勝手にそう解釈しているんですけど、それがすごく面白いなって思いましたね。
山田：俺はもうめちゃくちゃ面白い役だなって思っていて。漫画でもそうですけど、アニメを観て特にあのコロッコロ変わる人間性が、演じる上でポイントだと思ったし、自分としても1番楽しみにしているところでもありますね。あと、やっぱりかっこよくて可愛いっすね。最初はいがみ合っていても、最終的にはマッシュに助けられてちょっと憧れ（？）を抱いちゃってるんじゃ、みたいな（笑）。同じポーズとったり。
赤澤：同じこと言ったりとかね。
山田：そうなんだよね、めちゃくちゃ可愛い。で、仲間思いで熱いところもたくさんあるし。今作はアニメでやっている部分が多いと思うんですけど、ジャンプ最新話まで全部語りたい！ もうめちゃくちゃかっこいい。
赤澤：（ドットは）主人公って自分で言ってますけど、本当に主人公っぽいですよね。
山田：そこもすっごい話したい。でも、今の段階では、かっこよくて可愛い子ってことにしといてください。
石川：ランスってすごく孤高な存在でもあるんですが、アドラ寮のメンバーたちと一緒にいることで成立しているキャラクターでもあるなって、演じてみて感じています。表情での感情表現をしない分、周りがいることで引き立つ部分がすごく多くて。ランスはツッコむことはあまりしないですが、お互いにツッコんだりツッコまれたりで成立しているチームワークっていう関係性は、実際に演じてみて気づけた部分でした。
――ちなみに役作りで言うと、赤澤さんは筋トレを避けて通れないかと思うのですが、稽古場での筋肉エピソードはありますか。
山田：稽古場では岡（幸二郎）さん主体でたまにやっているよね。
赤澤：でもジェー君はあんまり乗り気じゃない（笑）。雄士は一緒にやってくれますね。「フィンで筋肉つけたらやばいですかね」って言いつつも乗ってくれて、凌雅くんも「やろうよ」って言ってくれて。でもジェー君は「いいよ、俺は」って1番省エネ。
一同：（笑）
山田：30超えてんだよこっちは。
赤澤：いやいやいやいや、一緒にやりましょうよ。
山田：でもマジで遼太郎、（筋肉が）超成長してるよね。
広井：稽古初日からすでに（筋肉）ついてましたけど、さらにパワーアップしましたよね？
山田：初日ですでに「胸やばくね？」って言うくらいついていたし、そこから2、3週間経ってさらに大きくなってるから、もうそれだけでめちゃくちゃおもしろい。
赤澤：今回マッシュの筋肉役で出演してくれるマッスルズさんにも「こんな早く筋肉つく人見たことない」って言われます。
石川：成長スピードが半端じゃないですよね。
赤澤：今回、マッシュは歌とダンスをあんまりやらないので、その分、筋トレに充てて頑張ろうかなと。みんなめちゃめちゃ歌とダンスを頑張ってるんですよ。だけど僕だけ一切、息が上がってない瞬間が多々あるので（笑）。
山田：なおさら巻き込まないでもらっていいですか？
赤澤：そりゃそうね（笑）。
広井：個別稽古をしていると、後ろの方から「んあぁ、効く」っていう声が聞こえてきます。
山田：あったね（笑）。ちょっと狭い稽古場のときは、こっちが必死に振りを覚えているすぐ後ろでずっと筋トレしてて。「うるさいな」と思いながら稽古してね。
――先ほどの撮影でも、すでに筋肉の成長を感じました。
赤澤：感じちゃいました!? （4、5月に出演した）演劇調異譚『xxxHOLiC』 -續-とかの頃からは、6～7kg増えましたね。でも、みんなが想像してるようなすごいストイックな筋トレは正直していなくて。
山田：もうマッシュじゃん（笑）。おじいちゃんに言われたことだけやってたみたいな。
広井：リアル。
赤澤：親戚にすごい筋トレマニアの人がいて、その人と一緒に1日30分ぐらいしかしてなかったんですけど…。これは落とすのが大変だな、と。
山田：稽古序盤で、めちゃくちゃでかくなってるねって話したら「他の作品ではわりと可愛い役が多いから、そっちを気にして体作りができなかった」って言っていて。「いまは筋トレできるんですよ！」って、めちゃめちゃ生き生きした顔でやっていて、すごい嬉しそうでした。
赤澤：筋肉が喜んでました。
一同：（笑）。
石川：とんでもないポテンシャルの持ち主でしたね。
赤澤：なので、ぜひそこも楽しみにしていてほしいです。
――この短い時間でもみなさんの仲の良さが感じられましたが、この4人で寮生活を送るなら誰と共同生活を送りたいですか？
赤澤・広井・山田：え～誰だろう。
石川：（即答で）僕は誰とも嫌です！ 昔、メンバーと寮生活してたことがあるんですけど、めちゃくちゃ大変だったのでしたくないです（笑）。
山田：俺は遼太郎以外だったらいいかな。
赤澤：おい、なんでだよ！
山田：なんかすごいきっちりしてそうだから。この2人（広井・石川）は「やってくんない？」って言ったらやってくれそう。
広井：確かにやります。
山田：「凌雅～洗い物頼むわ」って。
石川：それはいつもの関係じゃないですか（笑）！
山田：でも遼太郎は「ジェーさん、ちゃんと自分でやってください」って言いそう。
赤澤：そんなことないですって（笑）。
山田：だから遼太郎以外で。
赤澤：じゃあ俺はジェーさん以外かな。ジェーさんゲームめちゃめちゃやるから、多分夜とかうるさいなって思って、それで喧嘩になりそう（笑）。
広井：僕は遼太郎くんかな。遼太郎くんと一緒に筋トレしたいです。
赤澤：そっちか～（笑）。
山田：なんで同じ部屋で筋トレしようとするの（笑）。後でやりましょう、でいいじゃん。
広井：たしかにそうですね（笑）。
――想像が広がるお話、ありがとうございます！ では、最後となりますが、今作はU-NEXTでの配信もあります。配信でぜひ観てほしいポイントを一言ずつお願いします。
赤澤：僕は以前、出演作をU-NEXTさんのライブ配信映像で観たんですけど、めちゃめちゃ綺麗なんですよ。びっくりするくらい。
山田：分かる。俺も経験したけど、スイッチングがうますぎる。スイッチングだけじゃなくてシーンにハマってる抜きもするのよ。
石川：マジっすか。
山田：めちゃくちゃ台本とか理解してくれてるんだなってすごく思った。
赤澤：だからこそ細かい表情とかは観てほしいなって思いますね。
石川：そうですね。まだ、なかなか遠征とかが厳しい方もいらっしゃると思うので、そういう方にも、今の話を聞いて楽しんでもらえるんじゃないかなって思いました。
広井：ギャグテイストの顔を抜いてくださる部分もきっとあると思うし、それでいて戦闘シーンは舞台全体でとにかく全員が動き回るから全体を観てもらいたいし、その切り替えをぜひ楽しみにしてほしいかな。
赤澤：ブラッド役の澤田（拓郎）さんの抜きを観てほしい。
一同：あ～（笑）。
山田：1番最初のシーンはもう原作通り抜いてほしいですね。漫画と同じ顔していてめちゃくちゃおもしろいので、それも楽しみにしていてください。
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原作ファンを公言している山田を筆頭に、「マッシュル」愛を存分に感じる時間となった。今回はアドラ寮の面々に話を聞いたが、ここにレアン寮メンバーが加わると一体どんな化学反応が起こるのか。きっと原作同様に、想像がつかない世界が舞台上に広がることだろう。
「マッシュル-MASHLE-」THE STAGEは7月4日（火）に開幕。7月17日（月・祝）上演の千穐楽を含む2公演は、U-NEXTでの独占ライブ配信も決定しているのでお見逃しなく。
取材・文・撮影：双海しお
【衣装】
赤澤：パンツ、ネックレス SHINGO△KUZUNO（ともにSian PR）／ブーツ ALBERTO FASCIANI（DIFFERENTLY 池袋東武店）／その他スタイリスト私物
広井：シューズ MANEBU／バングル AS STANDARD × NARRATIVE PLATOON（ADONUST MUSEUM）／その他スタイリスト私物
石川：ブレスレット buff／その他スタイリスト私物
山田：シューズ MANEBU／ネックレス HERGO（ROLE 株式会社）／その他スタイリスト
ライブ配信概要
■対象公演・チケットリンク
「マッシュル-MASHLE-」THE STAGE■ライブ配信販売期間
6月26日（月）12:00～7月24日（月）20:00まで■ライブ配信販売価格
各3,800円（税込）■配信形態
マルチアングル配信（CH1スイッチング映像／CH2：全景映像）
※スイッチング映像と全景映像の2つの画面を切り替えながら視聴可能■ライブ配信時間
・2023年7月17日（月）12:30公演
2023年7月17日（月・祝）12:30～公演終了まで
・2023年7月17日（月）18:00千秋楽公演
2023年7月17日（月・祝）18:00～公演終了まで■見逃し配信期間
・見逃し配信：準備が整い次第～7月24日（月）23:59■特典映像【回替わり生キャストコメント映像】
①7月17日（月・祝）12:30公演 終演後
＜出演＞アベル・ウォーカー役 笹森裕貴／アビス・レイザー役 京典和玖／ワース・マドル役 中原弘貴／ ラブ・キュート役 花奈 澪②7月17日（月・祝）18:00公演＜千秋楽＞終演後
＜出演＞マッシュ・バーンデッド役 赤澤遼太郎／フィン・エイムズ役 広井雄士／ランス・クラウン役 石川凌雅／ドット・バレット役 山田ジェームス武／レモン・アーヴィン役 河内美里※詳しい視聴デバイスに関してはサービスサイトをご覧ください。
（C）甲本 一／集英社 （C）「マッシュル-MASHLE-」舞台製作委員会
