人間でありながら魔界の悪魔学校バビルスに通うことになった人間の少年・鈴木入間が、優等生悪魔アスモデウス・アリスや無邪気で明るい女子悪魔ウァラク・クララと出会い成長していく姿が描かれる、「魔入りました!入間くん」(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)。
5月19日(金)より東京・東京ドームシティ シアターGロッソにて『魔入りました!入間くん』THE STAGEが開幕する。
2.5ジゲン!!では、主演の宮崎湧と松井勇歩、小山百代の“入間軍”3人にインタビューを実施。今回が初共演となるお互いへの第一印象や役作りのポイントのほか、「もしオトモダチになるなら?」などを聞いてみた。
――まず、ご出演が決まった際のお気持ちをお聞かせください。
宮崎:シンプルに、めちゃくちゃうれしかったです。座長は初めてなので、プレッシャーは感じています。僕は不器用で、何をするにしても人よりも2~3倍くらい時間がかかってしまうんです。そのスタンスでここまでやってきて、入間くんに選んでいただいたことが嬉しいですね。
1人ひとりにドラマがあって、全員が主人公のように思える作品なので、主演だからといって気張らず、皆にスポットを当てられるようなポジションでいたいと思っています。
稽古が始まってどうなっていくかは未知数ですが、作品を愛し抜いて、皆さまにお届けしたいです。たくさんの修羅場を乗り越えてきた入間くんのように、カンパニーの皆で頑張っていきたいと思います。
松井:アズくんは本当に人気のキャラクターで、もちろんプレッシャーもありますが、(選んでいただけて)うれしいです。今回湧くんが初座長なので、1番近くにいるクララをはじめ、カンパニー全員で支えていきたいと思っています。
小山:実は私、アニメのオーディションを受けていたんです。その時は、こういった形で「~入間くん」と関わることになるとはまったく思っていませんでした。今回素敵なご縁をいただけて、クララを演じることができて、本当にうれしいです。
――宮崎さん、初の座長はやはり緊張しますか?
宮崎:緊張しますね。今まで携わった作品の中でたくさん素敵な座長を見て、いいところを吸収してきたので、自分なりの座長の姿を見せていけたらと思っています。
この取材の1時間前くらいに初めて3人で一仕事終えてきたんですけど、お互いの熱量を感じることができましたし、考え方が独創的だなと思う瞬間もありました。そういう感性って、この作品を作るうえで絶対に武器になると思うんです! だから、すでに安心感が芽生えてきていて「入間くんとして舞台に立てるな」と思えるようになりました。
これから酸いも甘いも一緒に過ごしていくことになりますが、この3人ならいけると思います!
――3人は今回が初共演とのことですが、お互いの第一印象をお聞かせください。
松井:湧くんとはオンラインで1回お話させていただいたんですけど、実はお会いするのは今日が初めてなんです。本当にきれいですよね…。「きれいなお顔だけど中身は芯の通った男の子だよ」というふうに聞いていたんですけど、実際に会ったら緊張するくらいきれいで驚きました(笑)。
宮崎:そんなそんな……、ありがたいです(照)。
松井:喋ってみたらこんなふうに謙虚で、入間くんとマッチしていると思いましたね。
もよちゃん(小山の愛称)は、今はまだおしとやかな女の子というイメージがあるので、あのクララをどう演じるのかが楽しみですね。
小山:おしとやかですか、まずいですね…(笑)。宮崎さんも松井さんも、原作から飛び出してきたようなイメージそのままです。お2人とも、すごく優しいですしね。
この3人のキャラクター性が核になる作品なので、これからしっかり距離を縮めて、お客さまに「本当に仲がいいんだな」って感じていただけるようにしたいです。
宮崎:勇歩くん、本当にかっこいいですよね! アズくんを演じるにあたって絶対的条件の“ビジュアル”を、しっかり保証できる天才的な顔面だと思います。まだお話して間もないですけど、しっかり支えてくださる先輩だとも思いました。
物語の序盤は入間くんの攻撃力が乏しい場面もありますが、それを力業で解決してくれるのが、アズくんだと思います。原作の2人のように、勇歩くんにたくさん寄りかからせてもらうことになりそうです。
(松井に向かって)これからたくさんお世話になると思うので、よろしくお願いします。
松井:こちらこそ、よろしくお願いします(笑)
宮崎:もよちゃんは、以前ビジュアル撮影の際に衣装もメイクも完成した状態でお会いしたんですけど、本当に原作から飛び出してきたな! って感じました。クララがこんなに馴染むのって、すごいと思います。
あとは、声が特徴的ですね。声のコントロールがすごくお上手で幅が広くて、これは舞台でも大切になってくるところだと思います。まだまだお互い猫を被っていると思うんですけど…(笑)。もよちゃんと共演したことある方から「おもしろい子だよ」と聞いているので、クララのポケットからいろいろ出てくるように、これからいろんなところが見られると思うと楽しみです。
――それぞれが演じるキャラクターの魅力や、役作りのポイントを教えてください。
宮崎:入間くんは、魔界の中で唯一の人間というポジションなので、舞台ならではの見せ方で人間らしさを表現したいです。入間くんが歩んできたバックグラウンドなどに重きを置いて作っていきたいですね。
入間くんの圧倒的許容範囲が見える「いいよ」を1つ言うにしても、「どうしていいよって言うのかな?」「どうして人のために動いているのかな?」という深いところまで触れたいです。入間くんの“光”じゃない部分や、魔界のみんなと出会っていく中で見える心の変化を繊細に描いていきたいと思います。
松井:アズくんは絶対的No.1です。文武両道で、頭も良いし実力もある。上級生からも注目されるようなエリートが入間くんに対しては心酔しきっている、というところが魅力ですね。
人と慣れ合わない一匹狼だったアズくんは、入間くんやクララと出会って、どんどん人間らしさというか…繊細な部分が出てきます。アズくんのそういう部分を丁寧に演じていきたいと思います。
小山:クララは本当に勢いがある女の子です。どのシーンに出てきても、周りをぱっと明るくする1つのスパイスになれたらいいなと思っています。自分がどれだけ破天荒に明るくできるか未知数ではありますが、皆を思いっきり振り回せるクララを演じたいと思います。
――では、そんなキャラクターとご自身が似ていると感じるところはありますか?
松井:僕は好き嫌いがはっきりしているんです(笑)。普段は人見知りなんですけど、好きな人や尊敬している人に対しては距離を縮めていけるので、そういう部分は似ているかもしれないですね。それ以外は掛け離れていると思います。
宮崎:僕は良くも悪くもお人好しなところですかね。人が悲しんでいるところを見たくないので、入間くんのように断ることが苦手で何でも「いいよ」って言っちゃうんです…。入間くんが歩んできた壮大な道のりとは違うと思うんですけど、そういうところは近しいなと感じています。
小山:猪突猛進なところかな。私は猪年なんですけど、今までの人生を干支にちなんで猪突猛進に進んできたので、その心をすべてクララに捧げたいと思います!
――3人の関係性の魅力はどんなところでしょうか。
宮崎:唯一無二ですよね。慣れ合いじゃない仲の良さがあると思います。入間くんが魔界に連れて来られていなかったら出会わなかった、普通に生きていたら噛み合うはずのなかった3人が同じ時間を過ごしている、ということが素敵だと思います。
入間くんはその言動1つひとつに芯があって、他人の言葉には影響されなさそうなアズくんが大切にしている核の部分に触れることができたり、そういうところも関係性の魅力のなのだと思います。普通じゃない感性がある3人だからこそ、1つになって歩んでいくところがまた素敵だと思いますね。
松井:「いて欲しい時に、いて欲しい距離にいる」ところ、ですかね。必要な時にちゃんと側にいるので、お互いがお互いを見ていて、信頼し合ってるのがわかりますね。
例えば入間くんの後ろでクララとアズくんが喧嘩をしていても、絶対に崩れない3人の距離間や、ぶれない関係性が魅力の1つじゃないかなと思います。
小山:でこぼこだし、ちぐはぐだけど、それが逆にバランスが取れている…似ていないからこそお互いを補えているんじゃないかなと思います。それぞれの個性が3人で一緒にいることによって際立っているところが魅力だと思います!
――入間軍のほかにも、アブノーマルクラスには個性豊かな生徒が揃っていますね。実際に皆さんが仲良くなりたいキャラクターはどなたでしょう?
松井:僕はクララとサブノック(演:桜庭大翔)です。クララがいてくれると場が明るくなりますし、サブノックと一緒にいるとお互い高め合えそう。
サブノックはめちゃくちゃストイックですよね。登場人物の中で1番目的や野望がはっきりしていて、見ていて清々しいです。もちろん間違うこともあるけれど、その結果成長して周りを見られるようになるところも素敵で、仲良くなれたらいいなって思います。
小山:私はですね…、危機回避能力がないんですよ(笑)。なので“入間ち”(クララがつけた入間くんの愛称)が友達になってくれたら、危険を回避できるんじゃないかなって思います!
昨日もホームを歩いていたら避けられなくて知らない人と抱き合っちゃったりしまして…。普通の人だったら避けられると思うんですけど、北海道出身だからかな? 避けられないんですよ(笑)。入間ちは瞬発力などがすごくて一緒にいたら安全かな…と思うので、入間ちがいいですね。
宮崎:僕もサブノックですね。一緒に筋トレをして、プロテインを飲んだりしたいです。
松井:でも「プロテインなんかに頼るな!」って言いそうじゃない?(笑)
宮崎:確かに(笑)。男らしい男に憧れがあるので、サブノックと一緒に我道驀進したいですね。ゴエモン(演:松川大祐)やシュナイダー(演:菅野慶太)あたりも、人の顔をしてないからこそ気になりますよね。近くにいてくれたら、楽しくて仕方ないだろうなって思います。
――今回の舞台化にあたって、特に楽しみなシーンを教えてください。
小山:使い魔召喚の演出です! あとはクララのポケットですね。「どうやってポケットより大きいものを出すのかな?」と楽しみにしています!
宮崎:僕は「禁忌呪文」ですね…。噛んだら四肢が吹っ飛んでしまうので、役者生命をかけて頑張りたいです。特に序盤は、ほかにも楽しみなシーンがたくさんあります。悪魔に囲まれながら入間くんが入学式で初めて校歌を聞いたり、ジャズくん(演:山﨑玲央)が指輪をつけるシーンも好きです。いやあ、楽しみだなあ…。
あと、入間くんとアズくんの肝は“あのシーン”ですね(笑)。
松井:“あのシーン”、大事ですね。もう首を鍛え始めているんで、いつ投げていただいても大丈夫です(笑)。
原作ファンに愛されているシーンがたくさんあると思うので、再現性高く演じていけたらいいなと思っています。召喚をどう表現するのかも楽しみですし、アズくんはクララをおんぶして飛んだり乗せるシーンも多いですし…。
小山:減らしておきます(笑)。
松井:サブノックに関しては、クララを肩に乗せてますしね(笑)。他の人が演じるのを見るのも楽しみです。
――最後に、同じく公演を楽しみにしているファンへのメッセージをお願いします!
松井:皆さまの期待値をしっかりと越える作品を作っていきたいです。本当に、“これが始まり”だと思っています。原作のアブノーマルクラスの皆と同じように座組全員で成長しながら、しっかりとお届けできたらと思います。
小山:ビジュアルの解禁前は「受け入れてもらえるかな」とドキドキしていましたが、いざビジュアルが発表されたら評判が良すぎて逆に不安になっています(笑)。皆さまの期待を越えられるように頑張ります! 「入間くんの世界って現実にあったんだ」と思える舞台を作っていけたらと思っています。素敵な世界観を、生で味わっていただけたらうれしいです。
宮崎:ずっと昔から、原作を愛している人がたくさんいると思います。そんな作品を、舞台で表現できるチャンスをいただけたことが本当にうれしいです。期待を裏切らないよう、誠心誠意、「鈴木入間」として生きていきたいです。
アブノーマルクラスとして並ではない表現をできたらと思っていますし、観た方がそれで何かを感じて、明日への活力にしてもらえたらうれしいですね。
まずは第1弾です。「良かったよ、次が観たい」と言ってもらえるように全力で前に進んでいくので、劇場でお待ちしております!
取材・文:水川ひかる/撮影:遥南碧
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