インタビュー

千葉瑞己「迷いを持ちつつも、前回の旅より華やかに」 アカステ第2弾・稽古場インタビュー

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饗宴「茜さすセカイでキミと詠う~縁~」が12月16日(金)に初日を迎える。

本作は、太陽の巫女が「日ノ許」と呼ばれる世界でツクヨミ男子と旅をする和風ファンタジー×パズルRPG「茜さすセカイでキミと詠う」を原作とした舞台の最新作。

2.5ジゲン!!では絶賛稽古中の稽古場へ潜入。続投キャストの千葉瑞己、福山聖二、栗原航大、そして今作から初参加となる新キャストの鷲尾修斗、輝馬、龍人にインタビューを実施。旅の続きを描く本作ならではの見どころや、新キャストから作品の魅力、稽古場のエピソードなどを聞いた。真剣な眼差しが印象的な稽古場ショットとともに、本番への期待を膨らませながら楽しんでもらいたい。

――前作から出演されている皆さんから見た、今作ならではの見どころを教えてください。

福山聖二(安倍晴明役):やっぱり新キャラの皆さんですかね。ね、鷲尾さん!

鷲尾修斗(桂小五郎役):そうですね~。

福山:彼は実は今日から稽古参加なんです。

鷲尾:実はそうなんです。なので今日は稽古場のことは聞かないでもらえると…。

一同:(笑)

福山:話を戻しましょうか。

千葉瑞己(高杉晋作役):前回までの旅で集まった仲間に加えて、さっき聖二くんが言ってくれたように新キャストの皆さんが加わって。その方々のお芝居や歌が加わったことで、より華やかになったなっていう印象がまず1つです。

あと、新キャストの中に巫女(演:川村海乃)がいるというところが前作までと大きく違っていて。前作までは客席のお客さまが巫女という形で進行していたお芝居が、舞台上にも巫女がいるというところで、前作までとは違った見せ方ができるんじゃないかなという点が、今作の見どころだと思います。

栗原航大(夏目漱石役):前回よりも殺陣が多くなっている点ですかね。僕はキャラクター的に戦うというよりも、避けて避けて避けまくるキャラなんですが、刀を持って戦う皆さんのシーンはすごくかっこよく仕上がるんじゃないかなと思っています。

――では今回から初参加の皆さんから見た、「アカステ」の世界はいかがですか。

輝馬(オオクニヌシ役):稽古中ということもあって、自分の出るシーン以外を見れていないので、まだ作品の全体像を目にできていないんですよね。なので、まずは通し稽古で、それぞれのキャラが何をしたいのか、何を思っているのか、というのを皆さんの芝居を見て感じて把握してから、その中での自分の役というのをしっかり消化して作っていきたいなと思っています。

龍人(ヤチホコ役):僕も基本は輝馬さん演じるオオクニヌシとのシーンで登場するので、全体像はまだ把握できていないんですが、まずは殺陣の多さにびっくりしていますね。それとすごく曲がかっこよくて、そういうところにも魅力を感じながら稽古に取り組んでいます。あとすごく世界観が好きで。あんまり原作を知らないよ、という人が初見で観ても楽しめる舞台になるんじゃないのかなと思っています。

鷲尾:シリーズとして続いている作品なので、自分が入ることによって作品に新しい雰囲気を作っていければいいなと思います。あと、桂小五郎は高杉晋作と古い付き合いということで、そのあたりも表現していければおもしろくなるかなと思っています。

――ご自身が演じる役について、続投の皆さんは今作でどんなところを大切にされていますか。

福山:今回、晴明は裏切りから始まるので、憎しみをどれだけ前半に出せるのかが勝負になるなと。1人で戦わなければならないので、毎日少し役に引っ張られて病みながら役作りしています(笑)。

千葉:僕が演じる晋作は、晴明と兄弟同然に育った関係性で。そんな晴明に突然裏切られてしまうので、晋作の心の揺れ動きっていうのが前作よりも多くなっていますね。前作は「太陽を再び昇らせよう!」ってポジティブに進んでいたのですが、今回は“迷い”というネガティブな部分が入ってくるので、そういった部分で前作とはまた違った晋作の姿を見せられると思います。そこを頑張りつつ、今回は晴明を取り戻さないといけないので、どれだけ晴明に気持ちを伝えられるのかというところを大切に演じたいと思います。

栗原:漱石の役柄としてはのんびりしてほんわかとしているんですが、前作で仲間になって一緒に旅をしてつないできた物語を前へと進めていくために、ときにはのんびりだけではないところも見せていくというか。「みんなで前を向いて頑張っていこうよ」っていうみんなを動かせるようなポジティブさを意識して演じていきたいなと思っています。

福山:今回は大好きなオオクニヌシにも会えるしね。興奮の仕方が見どころだよね。

栗原:そうですね(笑)。嬉しすぎてちょっと変な声が漏れちゃう場面もあると思うので、ぜひそこも観ていただければと思います。

――初参加の皆さんは、現時点で役をどう捉えていらっしゃいますか。

輝馬:オオクニヌシは天の国の君主ということで、民を思う人物なんですね。僕個人としては“人を思う役”って少なくて、どちらかというと人を呪ったり殺したりする役をいただくことが圧倒的に多くて(笑)。多くの人を殺(あや)める役はあっても、多くの人を思う役って本当になかったので、新しい芝居の引き出しを作るチャンスと捉えて、この稽古期間でいろいろとチャレンジしていきたいなと思っています。

福山:あの、失礼ですが、プライベートでもあまり人を思うことはない感じですか?

輝馬:…ないかな。

福山:そうなんですね、ちょっと怖いな…。

一同:(笑)

福山:あまり絡むシーンがなくて稽古も一緒にならないので、いまほぼはじめまして状態でしゃべっていて…。輝馬さんとの接し方がまだ手探り状態です(笑)。

龍人:オオクニヌシが天の国の太陽だとしたら、ヤチホコは月のような存在だと思っていて。ヤチホコは大事に思っていた民から裏切られた状態から始まって、オオクニヌシの言葉でまた気持ちが変化していくので、そこの切り替えを丁寧に演じたいなと思っています。

千葉:今回ヤチホコは人の姿なんだよね。

龍人:そうなんですよ。もとは獣の姿なので、立ち姿や動き方をどこまで獣に寄せるべきかとか、とはいえ見た目は獣人に近いのであまり獣っぽくても神獣感が薄れてしまうなとか。そのあたりをいま模索しながら作っているところです。

鷲尾:桂小五郎は晋作と古い付き合いがあって、台本を読む感じだとお兄さんというか、1歩引いてみんなを見ているシーンもあるような役柄です。なので、みんなを見守りつつやっていけたらなと思っています。あとよく分からないんですが、台本に「日替わりシーン」って書いてあるんですよ。

一同:(笑)

千葉:出てきてすぐ日替わりやる感じですよね?

鷲尾:キャラクターが深く掘り下げられる前に、日替わりが入ります(笑)。なのでそこが見どころです。

――ほかにも注目シーンがあれば教えてほしいのですが、「我こそは!」という方はいらっしゃいますか。

福山:はい! 僕これまでは術しか使ってこなかったんですが、今回初めて小刀を使うので、そこはぜひ観てほしいです。

千葉:今回は晴明、めちゃくちゃ肉弾戦多いよね。

福山:そうね。あとここは詳しく言えないんですが、今回の晴明は「ビュッ!」とすごいものが出ちゃうんですよ。何がどう出るかは、かっこいいシーンでもあるので、ぜひ劇場で観てもらいたいですね。

千葉:じゃあ次は僕が…。今回は副題に「縁」という言葉があるように、前回まで紡いできた絆や、今回新しく天の国で出会うオオクニヌシやヤチホコとの出会い、昔なじみの桂との縁といった、いろんな関係性のなかで、晴明への思いが動かされていく役になっています。それぞれのシーンでいろんなものを受け取って自分の糧にしていく晋作の姿を表現できたらいいなと思っているので、何度も観てくださる方がいれば、そういうところも注目して楽しんでもらえたらいいなと思っています!

――稽古場でのエピソードもお聞きしようかなと思ったのですが…。

鷲尾:大丈夫です! けっこうあります!

福山:いやいや、あなた参加初日でしょ。

一同:(笑)

鷲尾:でも本当にあります。朝から千葉くんがずーっと食べていました。どんだけ食べるんだろうと思って眺めていました(笑)。

千葉:今日は朝からドリアを食べて、これから聖二くんが買ってきてくれたコロッケパンを食べようと思っています。

福山:どんだけ食べるの(笑)。稽古場エピソードか~。それこそ栗原くんとか毎日稽古場いるしなんかあるんじゃない?

栗原:ん~なんだろう。おもしろいことは毎日なにかしらあるんだけど…。

千葉:航大くんともこの前「座組が変わるとこんなに雰囲気って変わるんですね」って話してたんだけど、今回はけっこうにぎやかな座組だよね。

栗原:そうですね。

――にぎやかな雰囲気の中心になっているのは?

福山:千葉さんですね。

千葉:いやいや、あなたでしょ。

福山:僕はひとりでひっそりと離れてやっているので…。

千葉:嘘ばっかり(笑)。あなた“大兄貴”って雰囲気出してるじゃない。

福山:そんなつもりじゃないんですけど、やっぱりみんなを巻き込んでやっていきたいじゃないですか。輝馬さんもそうだし、龍人も…(龍人さんに向かって)名前なんだっけ?

龍人:りゅ、龍人です。

千葉:いや、いま1回名前呼んでたじゃん(笑)

福山:ちょっといじってあげようかなと思って(笑)。こんな感じで、今日を機にみんなと仲良くやっていけたらなと思っています。

輝馬:今日を機に…ここからよろしくお願いします。

福山:こちらこそお願いします。(座組の雰囲気は)こんな感じです(笑)

――和気あいあいとした雰囲気が伝わりました(笑)。最後に作品を楽しみにしているファンに向けてメッセージをお願いします。

栗原:前回から観てくださっている方も、今回から観てくださる方も、すべての方に素敵な作品がお届けできるように精一杯頑張りますので、楽しみにしていただければと思います。

輝馬:「饗宴」ということで、宴ではあるんですが、人の命がかかっている物語なのでそれはそれでしっかり作っていきながら、エンターテインメントとして「饗宴」を楽しんでいただけたらと思います。M1が宴にふさわしい華やかな楽曲なので、そこで気分を盛り上げて世界観に浸って楽しんでもらえたらと思います。

福山:ティッシュとハンカチはお忘れなく。ぜひ楽しみにしていてください。

千葉:輝馬さんもおっしゃっていたように「饗宴」ということでエンターテインメント的な部分を楽しんでもらいつつ、人間関係を描く物語もしっかり楽しんでもらえるように、ここからさらに稽古を頑張っていきたいと思っていますので、ぜひ楽しみに待っていてもらえたらと思います。

鷲尾:今日から稽古参加ということで、一生懸命みんなに追いつけるように頑張っていきたいと思います。僕らだけでなくアンサンブルのメンバーもいろんな着替えをしていろんな役を演じてくれます。彼らがいないとこの世界観は成り立たないので、誰がこの役とこの役を演じていて、といった部分にも注目してもらえると、より楽しめるんじゃないかと思います。

龍人:続投組のみなさんの熱量がすごいので、それに負けないように頑張って、少しでも作品にとってプラスとなるお芝居ができたらと思っています。あと、輝馬さん演じるオオクニヌシがヤチホコを説得するときの表情が、本当にめちゃくちゃいいので、そこはぜひ見逃さずに観てほしいです! よろしくお願いします!

稽古場レポート

インタビュー後、さっそく稽古がスタート。この日は桂小五郎役の鷲尾が稽古合流初日とあって、桂が高杉晋作(演:千葉瑞己)らと再会を果たすシーンなど、桂登場シーンを中心に稽古が進んでいった。

やり取りに桂が加わることで、立ち位置や会話の流れなど、細かな点が演出家・鄭光誠の指示のもと次々と修正されていく。お互いに「こうしてみる?」「こっちの方が自然じゃない?」と相談してブラッシュアップをしていく場面も多く、その相談を受けてすっと動きを身体になじませていく鷲尾の対応力が光った。

稽古のちょっとした隙間時間で、肉弾戦が多いと語る福山が殺陣をアンサンブルメンバーと再確認していたり、初参加の鷲尾が殺陣入れをしていたり。取材日は本格的に冷え込んでいたが、稽古場には外の寒さを感じさせない熱気があふれていた。

今回の取材時間ではオオクニヌシとヤチホコの登場シーンは残念ながら観られなかったが、2人が稽古の流れを観つつも、自席で黙々と自身の役と向き合っていたのも印象に残っている。

稽古場で丹念に作り上げられた“縁”の物語が、舞台上でどんな華やかな旅路として花開くのか。「アカステ」シリーズの魅力でもある豪華絢爛な楽曲と舞とともに綴られる旅の軌跡をお見逃しなく。饗宴「茜さすセカイでキミと詠う~縁~」は12月16日(金)、東京・飛行船シアターにて開幕。

取材・文・撮影:双海しお

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公演情報

タイトル

饗宴「茜さすセカイでキミと詠う~縁~」

公演期間・劇場

2022年12月16日(金)~12月19日(月)
東京・飛行船シアター

原作

「茜さすセカイでキミと詠う」(ジークレスト)

演出

鄭光誠

脚本

喜多村太綱

音楽

印南俊太朗

出演

高杉晋作:千葉瑞己
森蘭丸:北乃颯希
聖徳太子:杉江優篤
夏目漱石:栗原航大
徳川綱吉:杉山真宏
安倍晴明:福山聖二

巫女:川村海乃
ヤチホコ:龍人

徳川吉宗:真野拓実

織田信長/師匠:田中稔彦

桂小五郎:鷲尾修斗

オオクニヌシ:輝馬

【日ノ許の民】
内田葵
久野木貴士
佐藤佑樹
佐藤慧一
染矢凌佑
藤木亨弥
イナバ:赤羽根健治(声の出演)

制作

ヴァカーエンターテインメント

宣伝・協力

ブシロードミュージック、ブシロードムーブ

主催

劇団飛行船

公式HP

https://hikosen.co.jp/eigeki/akaseka/

公式Twitter

@akaseka_stage

(C)GCREST, Inc. (C)Mynet Games Inc. (C)饗宴「茜さすセカイでキミと詠う」製作委員会

WRITER

双海 しお
 
							双海 しお
						

アイスと舞台とアニメが好きなライター。2.5次元はいいぞ!ミュージカルはいいぞ!舞台はいいぞ!若手俳優はいいぞ!を届けていきたいと思っています。役者や作品が表現した世界を、文字で伝えていきたいと試行錯誤の日々。

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