インタビュー

石橋弘毅「まだまだきつい域には達していない」 役者とアイドルの両立を貫く貪欲な姿勢

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ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ(日向正宗役)での活躍が記憶に新しい石橋弘毅には、役者の顔とは別に、もう1つの顔がある。それがVOYZ BOYのメンバー・石橋弘毅としての顔だ。

VOYZ BOYは2022年12月18日(日)から28日(水)にかけて、名古屋・東京・大阪の3都市にてライブツアー「VOYZ BOY AWARD 2022」を開催する。キャッチーな楽曲「H2O」がSNSで話題になるなど、勢いに乗っているVOYZ BOYにとって、目標の東京ドーム公演への足がかりとなる大事なライブになることだろう。

2.5ジゲン!!では、グループ最大規模のライブに挑む石橋弘毅にインタビューを実施。ライブへの意気込みはもちろん、役者とグループ活動の両立についてや今後の展望などについて、たっぷり話を聞いた。

偶然の出会いを人生の分岐点に

――はやくも12月、ライブも迫ってきましたが、いまの心境はいかがですか。

ライブまで残り日数も少なくなってきて、メンバーとやっているチラシ配りに関しては焦りもありますが、それ以上にみんな気合いが入っているなっていうのを感じます。今回のライブは3000人と、グループとして今までで最大のキャパなので、まずはそれをしっかり埋められるようにと思っていますね。街中でたまたま出会った方に、どうしたらライブにきてもらえるのかっていうのを考えながらやっているところで、集客活動とこれから始まるリハーサルとを同時進行でしっかりやっていきたいです。

――VOYZ BOYの皆さんは、ライブのチラシ配りをご自身でやられてますよね? 長年やっているかと思いますが、もう慣れましたか?

慣れることはない気がしますね。毎日、全然知らない人と会って配って。同じ人は1人もいないので、話しかけ方や話題の選び方も違うし。相手の方がどんなことに興味があってどうしたらライブにきてもらえるかを考えてやっているので、同じことを言っている日は多分ないんですよね。でも、最初の頃に比べたら“怖さ”みたいなものはなくなりました。

――短い時間でライブにきてもらうために、どうグループの魅力を伝えているのでしょうか。

やり方はメンバーによってそれぞれだと思います。熱意や必死さを伝えるメンバーもいますし。普通に生きていて、偶然道で出会って、それがきっかけでその人のライブに行く経験ってなかなかないことだと思うんですよ。なので僕は、自分たちの活動を伝えると同時に、「その奇跡的な縁がライブにつながったら嬉しいな」っていう、わりとシンプルな気持ちでやっている気がしますね。勢いというとちょっと違うんですが…その偶然の出会いがもしかしたら、その人にとって人生の大きな分岐点になるかもしれないじゃないですか。

――偶然のチラシ配りからファンになってもらえたら、なんだか運命的ですね。

そうなんですよ! 別にそんなロマンチストとかではないんですけど(笑)、そういうことがあると、なんだか運命的だなって思っちゃいます。実際にチラシ配りからファンになってくれた方も多いので、現場にきてくれているなっていうのがわかると、「本当にあのときすれ違ってチラシを渡せてよかった~」って思いますね。

人と違う「僕は僕」でありたい

――今回のライブの見どころはどんなところですか。

今回のライブは賞とかを意味する「AWARD」というタイトルなんです。なので、この1年間、ずっと僕たちについてきてくれたファンの皆さんに「賞をあげるよ」じゃないですが、僕たちのパフォーマンスで温かい気持ちになってもらって、1年を終えてもらいたいなと思っています。

同時に、このライブはそれこそチラシ配りで僕たちを知ってくれた人にも観にきてもらいたくて。初めてくるよという方は、以前からのファンの方とはまた違った気持ちだと思うんです。企業の◯◯アワードとかもあるじゃないですか。あれは授与式を通じてその企業の認知度が上がる場でもあると思うので、このライブがそういった次につながるアピールの場になればいいなと。

これは僕の勝手な解釈ではあるんですが、この2つの意味での「AWARD」が実現するライブにしていきたいなと思っています。

――ライブに向けてメンバー間での話し合いは?

すごく頻繁にしていますね。僕たちのグループって、“メンバーが主体”っていうのをすごく大事にしていて。定期公演もメンバーでセトリを決めて、音楽周りや映像周りとかもやって。自分たちで話し合って作ったものを、事務所側に「これをやりたいので協力してください」って相談するスタンスでやっているので、ライブに関してもしょっちゅう意見交換しています。

でもそういう形に変わってきたのは、2チーム体制になったからっていうのが大きいですね。イエローとピンクができて、自分たちの強みもまだ分からないうちに走り始めたので、各チームで「自分たちはこういう方向でいこう」「イエローには負けてられないよね」って、切磋琢磨から必然的に話し合うようになりました。チーム分けがなければ、1つのグループ対事務所という形で相談ベースのままだったと思うんですが、やっぱり2チームだからこそ、それぞれのやり方にシフトしていったんだと思います。

――2つのチーム分けになった当時、戸惑いはありましたか。

いや、とくになかったですね。ずっと一緒にやってきた(刀ミュでは桑名江役の福井)巴也くんがリーダーをやるチームに所属するということで、すんなり受け入れられました。巴也くんとの信頼関係はこれまで築いてきたものがあるのでそこに対する不安はなくて、それよりも預かった子たちをどう育てていこうかっていうのが、僕とか巴也くんの中でありました。とくにピンクは新人メンバーや、歌・ダンスの経験が浅い子が多かったので、僕個人のことというよりも、チームとしてどうやっていこうかっていう部分の手探り感はたしかにありましたね。

――では、チーム内では頼れるお兄さん枠?

いや、もういまではみんな成長しすぎちゃって(笑)。みんなそれぞれの強みを生かして、自分なりのキャラクターだったりポジションだったりがもう分かってきたので。いまはその中で、僕や巴也くんがどうしていくか考えるっていう“次の段階”に入ってきたな、というのは今夏ごろから感じていますね。

――ご自身のチーム内での立ち位置はどうとらえていますか。

そうですね~。“かわいくて元気なキャラ”みたいな感じでやっていた時期もあったんですが、いまはそういう感じでもなく。かといって王道な“俺かっこいいだろ”キャラも、僕はあんまりおもしろくないと思っちゃうので…。いまはキャラを確立するというよりも、「僕は僕」でやっていこうかなと。

僕、普段から人と違う変わったことがしたいっていう気持ちが強いんですよ(笑)。MCでもそうだし、パフォーマンスでもどこを変えようかなとか考えているし。実際ファンの方の目に僕がどう映っているかは分からないんですが、最近はわりと普段の自分と変わらない姿をステージ上でも出せるようになってきたなと思います。

チーム内の立ち位置でいうと、キャラを作って前に出ていくというよりは、メインでMCをやる巴也くんの裏で、周りの子のおもしろいところを引き出してあげたり立たせてあげたり。チーム全体のサポート的なところをやるのが、いまは楽しくなってきたところですね。ちょっと大人になってきたのかもしれないです(笑)。

――石橋さんは個人でも目覚ましい活躍をされていますね。VOYZ BOYにいる自分と、外の現場にいる自分は違いますか。

全然違います(笑)。グループを出たら、まだまだ経験的にも新人の部類なので…。いつまでも新人と言ってはいられないんですが、やっぱり周りにはすごくお世話になった先輩たちがたくさんいるので、ご一緒する現場では自然と後輩的な立場になるというか。とにかく先輩たちから吸収したいという気持ちが強いんですね。だから、それが周りからみたらすごく後輩っぽい感じになっていると思います。

けっこう傍から見ても違うらしくて、巴也くんにもよく言われます。「今日はどっちの弘毅なの?」って(笑)。

――役者仲間と「H2O」ダンスを踊る動画はかなりの反響がありますよね。どんな経緯であの動画シリーズが生まれたのでしょうか。

あれは本当に偶然の産物ですね。「H2O」のMVが出てわりとすぐ、僕と巴也くんが同じイベント(糸川耀士郎「29th Birthday Event “Legendary”」)にゲスト出演させてもらって。そこで巴也くんが「一緒に撮りましょうよ~」って言って、「それおもしろそうだね、いいじゃん」みたいな、本当にその場のノリで撮って巴也くんがSNSにアップしたんですよ。最初は僕のSNSにはあげていなかったんですが、巴也くんと同じ現場なことも多くて、一緒に撮るようになって。

そうしたら、僕1人の現場でも先輩から「一緒にH2O撮ろうよ」と言ってもらえるようになったんですよね。僕としてのこだわりは、振りをそんなに教えずに撮ることです(笑)。パッと1回だけやって、すぐ「撮りましょう!」ってするのがおもしろくて好きですね。

そんな感じで偶然が重なって生まれたので、曲のプロモーションになったらいいなとか、そういう気持ちではなかったです(笑)。多分狙ってやっていたらスベっていたと思います。僕、狙ってやるとうまくいかないこと多いので…。勢いで始まったことなんですけど、結果的にファンの方にも喜んでもらえたし、楽曲も広まったし、やってよかったなと思います。

どんなことにも全力で貪欲に、広げていける1年を

――ライブが終わった頃にはもう年の瀬です。来年のグループ活動での目標、役者としての目標を教えてください。

グループの目標である東京ドームを目指していくうえで、今回のキャパ3000人のライブは、次の5000人とか1万人につなげられるライブにしなきゃいけないなと。変化の多いグループなので、来年はどんな体制になっているのかは分かりませんが、「東京ドームを目指す」っていう根っこはブレずにいなきゃですし、そのために何をするのかっていう点でグループを引っ張っていける存在になっていかなきゃいけないなと思っていますね。

プラス楽しく、ですかね。やっぱり活動していくうえで、しんどいことももちろんありますが、それもひっくるめて楽しい活動じゃないといけないと思うんです。それが辛くなっちゃうなら「なんでアイドルやってるの?」となっちゃうので、楽しくというところもブレずにやっていきたいですね。

役者としては、とにかく作品に出たいです。ミュージカル『刀剣乱舞』以外の現場を、まだあまり経験したことがないので。ストレート作品にも飛び込んでみたいですし、もともと声優の仕事をしたくてデビューしているので、声の芝居もしてみたいです。18歳から活動を始めて、来年はもう6年目に入るのですが、変に落ち着く1年にはしたくないですね。まだ自分の得意なこととか目指したいところとか、模索中の段階なので、どんな仕事でもいただけたら全力で貪欲に挑戦したいと思っています。

でも、グループ活動だけ、俳優活動だけ、みたいにどっちかに偏る形にはしたくなくて。どちらも僕がやりたくてやっていることなので、器用に両立できなきゃいけないと思いますし、そうじゃないと僕がVOYZ BOYに所属して俳優業もさせてもらっている意味がなくなってしまうなと。どちらの活動でも、広げていける1年にしたいですね。

――両立がつらく感じることは?

それはないですね。というか、まだその域に達していないんだと思います。どっちの活動も「もっとやれる」という気持ちが僕の感覚としてはあって。もちろんいつも全力ではありますが、つらいと感じるほど追い込まれているわけではないので…。両立がつらく感じられるほど、もっとがむしゃらにやって、来年は動きのある1年にしていきたいです。

ファンの方にも、本当はガラッと違う姿を見せたいんですよね。「こんな作品に出るの?」とか「こんな芝居の引き出しあるの?」とか。そう思ってもらえる機会がほしいんですが、良くも悪くも今年は安定感があって、意外性が少なかった気がしていて。ずっとワクワクして追ってもらえるような存在になっていけたらいいなと思っています。

まだ僕自身、この方向性で行きたい! みたいなのが見つけきれていなくて、うまく言葉にできないんですが…。いつどんなチャンスがやってきても大丈夫なように準備はしていきたいし、チャンスがきたらしっかり掴んでいきたいと思っています。

――来年のさらなる飛躍、楽しみにしています! 最後に、ライブを楽しみにしているファン、ライブ初参加を控えているファンへのメッセージをお願いします。

今までで1番大きなライブなので、冒頭でお話したように「AWARD」の意味を感じられるようなライブにしたいのはもちろんなのですが、ステージにメンバー24人が並んだときに“MVP”に選ばれるようなパフォーマンスをしたいという野望を持ちながらやりたいと思っています。僕を応援してくれている方が自慢できるようなパフォーマンスをするので…(ボリュームダウンしながら)僕を観ていて…ください? 難しいな(笑)。僕、普段あんまりこういうこと言わない感じなので、ちょっと苦手なんですよね。

でも、これじゃライブ観にきてもらえないかも。どうしよう。どうしたらみんなきてくれるんだろう(笑)。

――では、2.5ジゲン!!なので、2.5次元作品ファンに向けて、ぜひライブに行きたくなるようなアピールでお願いします!

それだ(笑)! ミュージカルや舞台で演じる役とはまったく違う僕が観られると思うので、お芝居はないですが、VOYZ BOYとしてパフォーマンスしている僕をまずは1回観にきてください。今回のライブは初めて参加するのに、僕は1番いいタイミングだと思っているので、ぜひ1度きていただいて、来年以降も大きいステージに連れていけるよう頑張るので、ついてきてもらえたら嬉しいです!

***

VOYZ BOYのメンバーとして単独でインタビューを受ける機会に慣れていないとのことで、「VOYZ BOYとして話すの難しい~」と唸っていた姿が印象的だった石橋。表現しきれない胸に秘めた熱意を、真摯に言葉を重ね語ってくれた。とくに今後の展望を語る際は、言葉の端々からもっと世界を広げていきたいという貪欲さが感じられ、ますますこれからの活躍が楽しみに。まずはこの12月、「VOYZ BOY AWARD 2022」で“MVP”級に輝く彼の姿を、ぜひ確かめに行ってみてほしい。

取材・文:双海しお/撮影:遥南碧

公演概要
「VOYZ BOY AWARD 2022」
東京公演
■日時:12月23日(金)開場:18:00 開演:19:00
■会場:豊洲PIT
■出演:VOYZ BOY

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WRITER

双海 しお
 
							双海 しお
						

アイスと舞台とアニメが好きなライター。2.5次元はいいぞ!ミュージカルはいいぞ!舞台はいいぞ!若手俳優はいいぞ!を届けていきたいと思っています。役者や作品が表現した世界を、文字で伝えていきたいと試行錯誤の日々。

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