7月からスタートするオリジナルドラマ「FLAIR BARTENDER’Z」(フレアバーテンダーズ)。華麗なパフォーマンスとともにカクテルを作る競技フレアバーテンディングの世界を舞台に、自身の夢や人生、プライドと向き合っていく男たちの姿を描いていく。
劇団「悪い芝居」の山崎彬が脚本、2.5次元作品でもおなじみの西田大輔が監督を務め、出演には人気舞台でメインキャストを演じる俳優陣が名を連ねる。
2.5ジゲン!!では、阿久津仁愛・立石俊樹・一ノ瀬竜・染谷俊之・植田圭輔・和田雅成の6人による座談会の様子をお届け。阿久津・立石・一ノ瀬・染谷の撮り下ろしショットと共に、初挑戦となったフレアバーテンディングの練習秘話やお互いの印象、撮影エピソードなどに花を咲かせる6人の様子を伝える。
それぞれが演じる役どころは?
――本作はオリジナルドラマとなります。まずはご自身が演じる役について教えてください。
阿久津仁愛(黒沢瑛人役):僕が演じた黒沢瑛人は、小さい頃のある出来事がきっかけで、、父親がやっていたフレアバーテンディングという競技の世界に飛び込む役です。
フレアは独学で始めるんですが、今回のストーリーの中でさまざまな人に出会い、フレアを通して成長していく人物ですね。基本的にはクールで素を出さないような人物なのですが、それがどんどん変わっていく様子がすごく魅力的だなと思いながら演じました。
立石俊樹(夏目遠矢役):夏目遠矢は僕自身とは真逆の存在だと思っています(笑)。すごくとっかかりづらくて、自信のなさから常になにかに苛立ちを抱えているような人物です。
もともとバンド活動をしていたのですが、その夢に破れて……。さらにある出来事がきっかけで恋人との関係も壊れてしまい、すべてが無くなったときに公園で出会ったフレアを練習する相方と出会って、フレアに関わっていくという役どころです。すごく成長を感じられる役だと思います。
一ノ瀬竜(久野誠一郎役):久野誠一郎という役は、もともとフレアをやっていたのですが実家の酒蔵を継ぐためにフレアをやめていて。社長として働いているんですが、そこで働く瀬名大介(演:田口司)の言葉を受けて、フレアの世界に戻っていくという役です。
実家を守らなくてはいけないという義務感と、フレアというやりたい事の間で葛藤する役になっています。
植田圭輔(比嘉玲紀役):比嘉玲紀という役は、僕にしては珍しく年齢相応の役です。実際よりも年下の役をいただくことが多いんですが……。
染谷俊之(峯田伸一役):なんでだろうね。
植田:なんででしょうね。身長ですかね?
染谷:あと童顔だからね。
植田:そうね、童顔だからね。……おい、俊樹、何笑ってるん?(笑)
立石:いやいや、そんなことないですよ!(笑)
植田:そんなことあるわ(笑)
和田雅成(梶原雄大役):事実しかないわ。
一同:(笑)
植田:まあ、そんな役です。
和田:いやいやいや(笑)
植田:フレアの現チャンピオンです。仁愛が演じる瑛人と、小南光司が演じる涼の2人に対して教えていくような、本当に大人な役。だからちゃんとお兄さんでいなきゃと、教える立場であることを意識していました。
この2人(和田・染谷)が同じような立ち位置だったので、大変心強く平和にやらせてもらいました。
和田:先程植ちゃんが言ったように、今回の梶原という役はすごく大人な役で。これまであまり経験がなかったので、僕自身30歳になって、身長も180cmありますし、大人な雰囲気が出てきたんじゃないのかなと!
植田:うわ、自慢してる!(笑)
一同:(笑)
和田:誠一郎の師匠として彼に影響を与えて、自分も影響を受ける関係性で、物語の中でも達観しているキャラクターだったなという印象です。
染谷:峯田伸一役を演じました。よく「みねた」と間違えられるんですが「みねだ」です!この役は俊樹が演じた遠矢の師匠的な存在で、遠矢のやんちゃなところすら包み込む優しいお兄ちゃんのような役。最初からフレアができる人物なんですが、その理由は後半で分かってくるので、楽しみにしていただけたらなと思います。
フレアバーテンディングに挑戦してみて……
――今回フレアバーテンディングに挑戦してみて、いかがでしたか。
和田:難しさしかなかったよね。
一同:(頷きながら口々に)難しかった。
立石:それに周りがやっているのがすごく上手く見えて……。
植田:そうそう、自分の技は弱いんじゃないかって気持ちになってくるんだよね。そんなことないのに。
染谷:けっこうみんな公園で練習したって言ってたよね。家じゃ練習できないじゃん。
和田:落とすとけっこう大きな音がしちゃうしね。
染谷:僕も公園で練習してたんだけどさ、隣の人が壁打ちを始めたと思ったらジリジリこっちに寄ってくるのよ。それがすごい気まずかった。
和田:そのうちボールとティン、入れ替わっちゃうんじゃん!?
染谷:その知らない人とタンデムしちゃえばよかったかな。
一同:(笑)
植田:仁愛は技も多くて大変そうだったね。
阿久津:そうですね。当日アドリブで、みたいなことも何回かあって。それが難しかったし、手汗が止まらなかったです。
一ノ瀬:僕は一升瓶を使わないといけなくて。でもそんなすぐに飲み干せるものじゃないので、バーのものをお借りして、家に持って帰って練習していました。一升瓶で練習していたので、普通のティンが軽すぎて大変でした。
立石:僕も公園で練習していたんですが、とくに最初の頃はうまくできないんですよ。だから人が通る度に練習を止めて、「プロの方の練習かな?」って思われたくて確実にできそうな技だけをやっていました。
一同:わかる(笑)
染谷:そういうの公園練習あるあるだよね。
――撮影時の印象的なエピソードを教えてください。
染谷:俊樹が初めて僕の前でフレアを披露するというシーンがあったんですけど、それがなかなかうまくいかなくて。僕の方にお酒がバッて飛んできて「冷たっ!」みたいなことがありましたね。失敗がつきものな現場だったから、なにかとハプニングがあったよね。
和田:僕は20テイクくらいかかったシーンがあって、さすがに笑えなくて撮影現場で笑い方忘れちゃった(笑)。現場で練習してない技を急にやることもあったじゃない。その技がちょうど僕が苦手なやつで、むっちゃ難しかった……。僕のために一回休憩入ったから、あれはすごく気まずかったな。
「格好いい男たちが裏側で努力した輝き」が見どころ
――撮影を経て第一印象が一番変わったのは誰ですか?
阿久津:第一印象……僕はペアの小南(光司)くんがすごく変わりました。練習で初めてお会いしたんですけど、そのときは静かなイメージで。でも撮影が始まったらすごく気さくな方で、僕の精神年齢に合わせてくれたのかもしれないんですけど、ツボるところが同じだったりで波長が合うなって感じました。
植田:大丈夫、仁愛の方が中身大人だから。あれは合わせてるんじゃなくて、普通に精神年齢が同じなのよ。
阿久津:そうなんですね!?でもそのおかげもあってタンデムもすごくやりやすかったです。
立石:末吉 9 太郎(早乙女純役)くんですかね。最初の頃はタイミングずらして帰る、みたいな感じだったんですけど、今は同い歳というのもあるし、素を出してくれるようになって、なんかすごくいい感じです。
一ノ瀬:僕は立石さんですかね。立石さんが出演しているミュージカルを観たことがあったんですよ。だから格好良くて綺麗でっていうイメージだったんです。でも実際はすごく気さくな方でした。
染谷:僕も俊樹ですかね。撮影の時に初めて彼と一緒になって、噂には聞いていたんですけど、思った以上にかわいいなと。役としては怒っていることが多いのでワイルド系かと思いきや、グラス割っちゃったシーンでもカットがかかった瞬間に「すみません~」って走ってきて。その後関わる機会が増えていく中で、優しいいい子なんだなと思いましたね。
植田:(小西)詠斗くんかな。めっちゃクールな子なのかなって見た目の印象だけで思っていて。だけど話してみたら、お母さんがもともと2.5次元とかが好きで、そこからこの世界に入って、今こうして共演させてもらっているんですって教えてくれて。すごくいい子だし、またちゃんと共演したいなって思いましたね。
和田:詠斗に優しくしてお母さんにファンになってもらおう(笑)。僕はみんな印象通り素敵な子でした。(あちこちから茶々が入る中)いい子そうだなと第一印象で思った通りでした!以上です。
一同:(笑)
――監督の西田さんとの作品作りはいかがでしたか?
和田:西田さんと初めてだった人は?
阿久津・立石・一ノ瀬:はい!
和田:そうなんだね。じゃあ初めてだった3人でトークをどうぞ!
阿久津:めちゃくちゃ細かく演出をつけてくださって、毎回前のシーンを丁寧に説明してくださった。すごく自分の中で繋がったし、やりやすかったです。
立石:僕もすごく好きでした。
一ノ瀬:妥協せずにちゃんと待ってくれたのが嬉しかったですね。
立石:技が成功しても、表情とかにもこだわってもう一度撮らせてくれたりして、すごく良かったです。
阿久津:印象的だったのが、最後の大会のシーン。最後だから笑顔でいこうと思ってニッコニコでやったんですよ。そうしたらカットの後に西田さんが笑顔をいじってくれて、現場を和ませてくれて(笑)。
和田:そうだよね、空気づくり上手だよね。
植田:ミスしたときも「大丈夫だよ!」の一言をくれるから助かるよね。
染谷:こんなところまで見てるの!?というくらい、細かいところまで見てくれているから、こっちももっと頑張ろうっていう気持ちにさせてくれる方だよね。
――では最後に、今回のドラマの見どころを教えてください。
阿久津:瑛人は序盤から自分の考えていることを表に出さないタイプなんですけど、フレアに出会って変わっていく。周りの人たちに影響されて、心の底から楽しんでいく。その変わっていく姿が見どころだなと思います。
タンデムに関しては小南くんと身長差がありすぎて、最初は同じ動きをしても揃って見えなかったんですけど、ちょっとしたスピードとかアイコンタクトとかを工夫したので、そこを見てもらいたいです。
立石:相方の 9 太郎演じる純が、稽古の段階から不器用なりにひたむきに向き合っていて、そんな純の存在があったからこそ遠矢も諦めかけていた夢に対して前向きになれた部分がありました。仲間と一緒に夢を追いかけるのっていいなって、改めて演じながら感じられたので、そういった部分が見どころです。
一ノ瀬:僕は大介役の田口司くんとペアを組んだんですが、結構一緒に練習する時間を取れたので、タンデムがちゃんと揃っているところを見てもらえたらと思います。他のチームとは違ったアイテムを使ったフレアを披露しているので、そこにも注目してもらいたいです。
染谷:フレアや人間関係も見どころなんですが、歌もあるんだよね。僕ら(植田・和田)はないんだけど。ドラマも楽しんで曲も楽しめる。これは見どころじゃないかなと。
植田:僕は教え子たち贔屓なので、瑛人と涼が見どころですかね。あとは2人に対して話しているときに、圧倒的王者感とそれだけじゃない人間味みたいな部分を出せるように玲紀を演じました。個人的には本当に回ってこないタイプの役なので、存分に楽しませてもらいました。大人な植田圭輔を楽しんでもらえたらと思います。
和田:僕、個人的にスタッフさんにお願いしてみんなのフレアのシーンを見せてもらったんですよ。それが本当に格好良くて。監督の西田大輔さんも格好いい絵を撮るのが上手な方なので、総じて格好いいドラマになっていると思います。
どこと具体的に言うのは難しいんですが……格好いい男たちが裏側で努力した輝きみたいなものが映像に乗っていると思うので、それがすごく見どころかなと思います。
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共演経験のある顔ぶれも多く、師匠の立場を演じる3人がお兄さんらしい立ち回りでトークを回していたのが印象的な座談会となった。短い撮影期間だったとのことだが、公園での練習含め、努力と情熱の詰まった極上の1杯に酔える作品となるのではないだろうか。
MBSドラマ特区枠オリジナルドラマ「FLAIR BARTENDER’Z」は2022年7月21日(木)放送スタート。
取材•文:双海しお
撮影:泉健也
編集:五月女菜穂
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