インタビュー

MANKAI MOVIE「A3!」横田龍儀×倉田健次、現場では「笑いすぎて撮影が押しました」

画像一覧はこちら

広告

広告

MANKAI MOVIE「A3!」が2021年12月、2022年3月に2作連続で公開される。イケメン役者育成ゲーム『A3!(エースリー)』を原作としたMANKAI STAGE『A3!』の映画化作品で、1作目となる『MANKAI MOVIE「A3!」〜SPRING & SUMMER〜』(12月3日公開)では春組と夏組のストーリーが中心に描かれる。

2.5ジゲン!!では監督・脚本を務める倉田健次と春組リーダー・佐久間咲也役の横田龍儀に対談取材を実施。映画ならではの役作りや現場の雰囲気、ファンへのメッセージなどを聞いた。

――映画化が決まった際のお気持ちを聞かせてください。

横田:エーステは3年ほど出演していますが、映画化ということで最初にお話を頂いた時は驚きました。嬉しさもありつつも、僕は映像の経験が少ない方ということもあり、どうやって撮るんだろうという不安もありました。

でも、撮影が始まる前に監督にお会いして、「こういう風に撮っていきたい」というお話を細かくしていただけたことで、僕自身の心持ちもしっかり確認することができて、『A3!』の世界観を崩さないようにしながらも、毎日楽しく撮影に臨めました。

倉田:『A3!』はファンタジーのような派手で特殊な世界観ではなく現実のお話です。キャラクターに扮している状態を、映像を通して現実に持ってくるにはどうしたらいいかと、お話を頂いた瞬間から考えていました。

ワークショップで撮影前に春組のキャストに会う機会があったのですが、すごく誠実で勘のいいキャストの方々が揃っていたので、最初から安心感はありましたね。エーステで演出をされている松崎史也さんは、キャストに対して具体的で建設的にしっかり話し合った上で演出をされていました。僕もこれまで同じようなやり方をしていたので、キャストの方と会話はすぐにできるだろうと思いました。

僕も監督として、ちゃんと映画として成立させられるのかと最初は不安もありましたが、「彼らとだったら大丈夫。いいものが作れる」と思うことができました。すぐにキャストの方々を信頼できたんです。

――キャストの皆さんは、舞台からの続投です。映像現場を振り返っていかがでしょうか。

横田:僕一人だったら「わー!」ってなっていたと思います(笑)。でも、みんなが支えてくれました。撮影初日はすごく緊張していましたし、僕の勝手な偏見で映画のスタッフさんって怖いんだろうなって思っていたんですよ(笑)。でも本当に皆さん優しくて!

監督が「やりたいことはすぐに言ってください」とおっしゃってくださったので、萎縮することなく自分たちのやりたいことができました。その上で、例えば「まばたきが多かったからもうワンカット撮ってみようか」など、学びながら撮影ができて楽しい現場でした。

――倉田監督から見て、撮影序盤のキャストの空気はいかがでしたか。

倉田:映像にまだ慣れていない方は、同じシーンを繰り返し撮ったり、緊張しなくていいよと声をかけたりしましたが、逆に映像に慣れていたり、感覚がぶれない方には、僕からは何も言うことはありませんでした。彼らが今感じていることが重要なことだと思っていましたから。咲也くんに関しては、緊張状態もまたいいエッセンスになるようなキャラクターでもありました。

皆さんが3年間、血肉をつけてきたキャラクターなので、役作りに関する新しい挑戦は我慢してもらわずに、補正をする程度でした。僕はエーステを3年間やってきたキャストから力を借りる立場だったので、普段だったらやらないですが、どうしていこうかと話し合いながら作っていきました。今回のキャストだからこそできたことですね。

――映画だからこそ表現できた魅力、ファンである監督たちに楽しみにしてほしいことを教えてください。

横田:舞台は客席全体のお客さまに伝わるように大きなアクションをしますが、映像だとまばたきや表情一つまで見ることができます。舞台ももちろん素敵ですが、映像ではより心の繊細な移り変わりを見られる点が魅力的ですね。

実際に組まれているセットの中や劇場にお客さまがいる空間でお芝居をしたので、臨場感があると思います。映画を観に来てくれるお客さんもその空気を感じることができると思うので、そこも映像の魅力だと感じました。

倉田:舞台ならではのライブ感は、映像では発現させづらいものです。ですが、カメラを近づけたり、視点を移動させたりする事でも、繊細な表情や気持ちが伝わりやすくなります。そういうことで、彼らと同じ世界に生きる“監督”としての没入感が強くなり、団員たちとの距離をより詰めた状態で細かな部分を見ることができます。

あとはやっぱり劇中劇ですね。舞台上から観客側を映すことで演者の気持ちを背負った撮り方ができましたので、団員が集まって、いろんな苦悩や喜びを携えて次のステップにつながっていく…そんな彼らの心情により寄り添えると思います。エーステとはまた違う素晴らしさ、演じる役者の存在意義、夢や希望がより感じやすくなっていますので、楽しんでほしいですね。

――映画化に伴い、意識的に変えたところ、あるいは変えなかったところはありますか。大切にした点をお聞かせください。

倉田:舞台は劇場にいらっしゃるお客さまに届けなければいけないので、繊細な表現のところも声を張る部分もありますが、映画だと会話の距離感でしゃべることができるので、繊細なキャラクターが埋もれず、ちゃんと心情が見えてくる作りになるようにしました。

あとは、ウィッグや瞳の色、メイクがより自然になるように意識して撮影をしていきました。メイクは舞台の半分くらいにして、現実の風景になじむように調整しました。その他に、実は大きく変えたところは多くありません。エーステに備わっている部分を大きく変えることなく、よりうまくなじませるようにしました。

変えなかったところは、『A3!』における監督の存在です。エーステでは観客が監督ですので、やはり監督の姿を作中に出してしまうと、「その人と咲也くんの物語」になってしまいます。それだと今まで作り上げられてきた構成やフィーリングが途切れてしまうと思いましたので、監督は出さないままにしたのが変えなかったところですね。

横田:監督の位置づけはいろいろ悩みましたね。

倉田:あとは松崎さんとみんなが今まで作ってきた信条、理念は変えないようにしていました。僕は後から入ってきた人間ですし、今まで作品を作ってきた方々やファンへのリスペクトをなくしてはダメと思っていました。この作品がクリエイターの話だからこそ、僕も「大事なものを尊重しよう」という気持ちで臨んでいましたね。

――横田さんも、今までの咲也を変えないように意識されたのでしょうか。

横田:僕は逆パターンかもしれません。舞台から映像になるにあたって、ちょっと悩みました。咲也くんって、「最初から元気!」「ずっと元気!」っていう性格なんですよね。でも、よりリアルに近づけようとすると、アプローチの仕方も変わります。

なので、倉田監督とたくさん相談して、映像の中では咲也くんが徐々に自信をつけて元気になっていくという姿を意識しました。だから僕、冒頭ではあまり元気ではないんですよ。最初から元気というのも演出として正しい選択の一つなんですが、咲也くんのことをより考えた結果、こういう役作りにしました。

倉田:咲也くんは『A3!』におけるマスター的な主人公でもあり、実は感情の波が繊細なキャラクターだと僕は思いました。芯が強くて優しい人間ですが、ただ優しいだけだと何も分かっていない人に見えてしまいます。波があるからこそ、優しさの根幹が見えるんですね。なので、咲也くんについては一番波をつけさせてもらったかもしれません。

例えば、夏組の皇 天馬くん(演:陳内 将)との会話では、咲也くんの本当の強さや成長度合いを見せたり、繊細な人間模様を描きました。咲也くんは映画の一本の筋のために一番時間を使った、エームビならではのキャラクターに成長したと思います。

――撮影で新たに発見したキャスト陣の魅力などはありますか。

横田:本当に魅力的な人が多いんです! みんな素敵ですよ。朝が早い撮影の時でも(立石)俊樹くんは常に笑顔でしたね。

倉田:元気だし、優しいんですよね。

横田:誰かが元気がない時には「大丈夫、大丈夫!」って必ず声をかけてくれるんです。

倉田:なんて悪意のない人だろう…って思っていました(笑)。

横田:本当に! 撮影中、笑いすぎて撮影が押すっていうこともありましたね。

倉田:みんな最初から仲良しで、僕もスタッフも、長くお付き合いをしてきたような錯覚になりました。この距離感や信頼感が最初から出来上がっているというのは、映画ではあまりないんです。見ていてずっと微笑ましかったです。みんないい顔をしていますし、休み時間中も仲が良くて、ずっとこの現場にいたいって思いましたね。

――最後に、楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。

横田:もともとエーステを観てくれていた方は新鮮な気持ちで楽しめますし、観たことがない人はこの映画からでも楽しめます。何回も観れば、アドリブの違いが分かるところもあると思いますので、そういう発見も楽しんでいただきたいです。

僕たち春組だけではなく、夏組も素敵なストーリーになっています。みんなで一致団結して作り上げた作品です。ぜひ劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。

倉田:本作はクリエイターが苦悩し、せめぎ合いながら、アートや絆、人生を創り上げていく真摯な魂がテーマとなっています。そして『A3!』は舞台を創る為に歩んでいく一途な若者達の話ですので、エーステを今まで愛してきた方に楽しんでいただきたいのは勿論ですし、エーステを知らない方にも物作りの楽しさ、奥深さも知っていただけたら嬉しいです。

取材・文:水川ひかる/撮影:ケイヒカル

(C)2021 MANKAI MOVIE『A3!』製作委員会 Reserved.

広告

広告

画像一覧

  • MANKAI MOVIE「A3!」横田龍儀×倉田健次、現場では「笑いすぎて撮影が押しました」 イメージ画像
  • MANKAI MOVIE「A3!」横田龍儀×倉田健次、現場では「笑いすぎて撮影が押しました」 イメージ画像
  • MANKAI MOVIE「A3!」横田龍儀×倉田健次、現場では「笑いすぎて撮影が押しました」 イメージ画像
  • MANKAI MOVIE「A3!」横田龍儀×倉田健次、現場では「笑いすぎて撮影が押しました」 イメージ画像
  • MANKAI MOVIE「A3!」横田龍儀×倉田健次、現場では「笑いすぎて撮影が押しました」 イメージ画像
  • MANKAI MOVIE「A3!」横田龍儀×倉田健次、現場では「笑いすぎて撮影が押しました」 イメージ画像
  • MANKAI MOVIE「A3!」横田龍儀×倉田健次、現場では「笑いすぎて撮影が押しました」 イメージ画像
  • MANKAI MOVIE「A3!」横田龍儀×倉田健次、現場では「笑いすぎて撮影が押しました」 イメージ画像
  • MANKAI MOVIE「A3!」横田龍儀×倉田健次、現場では「笑いすぎて撮影が押しました」 イメージ画像
  • MANKAI MOVIE「A3!」横田龍儀×倉田健次、現場では「笑いすぎて撮影が押しました」 イメージ画像
  • MANKAI MOVIE「A3!」横田龍儀×倉田健次、現場では「笑いすぎて撮影が押しました」 イメージ画像
  • MANKAI MOVIE「A3!」横田龍儀×倉田健次、現場では「笑いすぎて撮影が押しました」 イメージ画像
  • MANKAI MOVIE「A3!」横田龍儀×倉田健次、現場では「笑いすぎて撮影が押しました」 イメージ画像
  • MANKAI MOVIE「A3!」横田龍儀×倉田健次、現場では「笑いすぎて撮影が押しました」 イメージ画像
  • MANKAI MOVIE「A3!」横田龍儀×倉田健次、現場では「笑いすぎて撮影が押しました」 イメージ画像
  • MANKAI MOVIE「A3!」横田龍儀×倉田健次、現場では「笑いすぎて撮影が押しました」 イメージ画像

公演情報

タイトル

『MANKAI MOVIE「A3!」〜SPRING & SUMMER〜』

公開

2021年12月3日(金)

監督・脚本

倉田健次

脚本・舞台演出監修

松崎史也、亀田真二郎

原作

MANKAI STAGE『A3!』

音楽

Yu(vague)

出演

横田龍儀、高橋怜也、前川優希、立石俊樹、古谷大和、陳内将、宮崎湧、野口準、本田礼生、赤澤燈、田口涼、鯨井康介、藤田玲、田内季宇、北園涼、伊崎龍次郎、河合龍之介

製作

MANKAI STAGE『A3!』製作委員会(ギャガ、ネルケプランニング、ポニーキャニオン、リベル・エンタテインメント)

配給

ギャガ

(C)2021 MANKAI MOVIE『A3!』製作委員会

タイトル

『MANKAI MOVIE「A3!」〜AUTUMN & WINTER〜』

公開

2022年3月4日

監督

倉田健次

脚本

倉田健次、小橋秀之

脚本・舞台演出監修

松崎史也、亀田真二郎

原作

MANKAI STAGE『A3!』

音楽

Yu(vague)

出演

水江建太、中村太郎、赤澤遼太郎、稲垣成弥、藤田玲、荒牧慶彦、北園涼、植田圭輔、田中涼星、上田堪大、横田龍儀、高橋怜也、前川優希、立石俊樹、古谷大和、陳内将、宮崎湧、野口準、本田礼生、赤澤燈、田口涼、鯨井康介、田内季宇、伊崎龍次郎、河合龍之介

製作

MANKAI STAGE『A3!』製作委員会(ギャガ、ネルケプランニング、ポニーキャニオン、リベル・エンタテインメント)

配給

ギャガ

(C)2022 MANKAI MOVIE『A3!』製作委員会

WRITER

水川ひかる
							水川ひかる
						

2.5次元舞台の魅力を全力でお伝えしていきたいと思います。まだまだ駆け出しライター。推しが元気で今日もごはんが美味い!

このライターが書いた他の記事も読む