ラブ・コメディ『夏の夜の夢』が2021年5月19日(水)、東京・六行会ホールで幕を開ける。
山本一慶が本格的な演出に挑む今作は、シェイクスピア作品の中でも代表的な喜劇の一つ。人間界と妖精界が絡み合い、さまざまな恋模様が描かれるにぎやかな作品だ。
2.5ジゲン!!では、ライサンダー役の瑛とハーミア役の杉山真宏にインタビューを行った。この日が初の顔合わせとなったお互いの印象や注目のキャストなどを和やかに語った様子をお届けする。
取材日が初対面、お互いの印象は?
――今作への出演が決まった時の気持ちをお聞かせください。
瑛:役者といえばシェイクスピアの経験があるものだと思っているので、「僕もついにシェイクスピアをやるんだ」とわくわくしました。今回、一慶くんの演出作品に出演することができて光栄です。一慶くんの歴史の1ページに名を残せたらと思っています。
杉山:僕はハーミア役を演じますが、改めて考えても重要な役どころですし、気が引き締まるというか…嬉しいです。今はそこから更にもう二段階先の嬉しいっていうところにいきましたね。
――お2人は今回が初めての共演とお伺いしています。第一印象はいかがでしょうか。
瑛:共演もですけど、実は今日が初対面なんですよ。
杉山:おいくつですか? っていうところから始まりましたね(笑)。
瑛:今年で24歳になります~(笑)。
杉山:僕は23歳になります(笑)。瑛くんはすごくかっこいいですし、目が綺麗ですよね。雰囲気も優しい!
瑛:褒められると照れちゃいますね。真宏くんは、すごくかわいいですよね。ツイッターにアップされていた衣装の写真を見た時も「かわいいな、これは恋に落ちるな」って思いました(笑)。
杉山:僕だって、この写真(ビジュアル写真を指さしながら)「めちゃくちゃかっこいいな」って思っていましたよ!
瑛:あと、思った以上に真宏くんは声が低かったですね。ハーミアとライサンダーのカップルはきゃっきゃしている感じなんですけど、僕も結構声が低いので…。低い者同士、このカップルは面白い感じになるんじゃないかなって思っています。そこも楽しみですね!
杉山:ビジュアル撮影中もハーミアの格好をしながら、つい太い声を出してしまって(ギャップに)びっくりされていました!
――今作は山本一慶さんの初演出作品ですね。山本さんへのメッセージをお願いします。
瑛:僕は『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』で共演させていただいたんですけど、そんなに絡む役ではなかったんですよね。でも、一慶くんはいろいろと伝説を残してくださった方で、実はコメディーパートの人だと僕は思っているんです。そんな一慶くんが今回コメディを作ってくれるので信頼していますね。
ストーリーについて説明してくれたんですけど、すごく楽しそうでした。一慶くん自身が演じたことがある作品なので、経験を活かしつつ、演出家としてだけではない視点からも演出をしてくれるだろうし、何より楽しそうに話している一慶くんを見て安心しました。この舞台が成功するビジョンが見えましたし、僕たちも楽しめるという確信を持つことができました。本番まで、よろしくお願いします!
杉山:初めてお会いした時から、年下の僕にもすごく接しやすい雰囲気でいてくれています。勝手にお兄さんくらいに思っていますね(笑)。
僕はまだ役者としての一慶くんも演出家としての一慶くんも深く知らないのですが、稽古を通してこれから知っていけたらいいなと思っています。一慶くんが理想とする舞台を作れるように頑張ります!
それぞれが演じる役と共演者について
――今作はオールメールでの上演です。この上演形態だからこそ楽しみなこと、期待していることなどはありますか?
杉山:女の人と男の人がいるはずなのに、2人とも低い声っていうのは他では味わえない新感覚かもしれません(笑)。そういうところで倍の面白さを感じることができると思うので、僕自身も楽しみですね。
瑛:この前、寿里さんや一慶くんと一緒にドラマ『ギリシャ神話劇場 神々と人々の日々』に出演しまして、あの作品もオールメールですね。女性役の顔から低い声が出てくるっていうギャップが本当に面白かったんです。今回も男子校ノリになるのかな。一慶くん流の素敵なコメディになると思います。
――過去に共演したキャストさんも多くいらっしゃいますが、中でも注目のキャストさんを教えてください。
瑛:僕はKIMERUさんと橋本真一さんは初めましてですね。安井一真とはもう5~6年の知り合いですし、リッキー(谷水力)とも『あんステ』で一緒でした。個人的に注目しているのは寿里さんですね。寿里さんのオーベロン、すごく楽しみなんです!
『神々と人々の日々』ではハデスを演じていたんですけど、それもすごく面白くて。身長が高くて格好良くて、パーフェクトですよね! ビジュアル完璧で、お芝居もめちゃくちゃ面白いですし、稽古が楽しみですね。
杉山:僕ははじめましての方が多くて、いい感じに新しい風を吹かせられるように頑張ります! 個人的には力くんが気になりますね。(ある作品で)同じ役を力くんが先に演じていたので、一方的にDVDを観て知っていたんです。仲良くなれたらなって思っています。
瑛:リッキー、パックっぽいよね(笑)。
――パックといえば、いたずら好きの妖精ですよね。
杉山:力くんかわいらしいですよね。いたずらっ子っぽいというか、お茶目な感じがパックみたいだなって。
瑛:あと、力くんはマジックも上手なんですよ!
杉山:この前も、皆でず~っと見てましたね。
――お2人が演じるライサンダーとハーミア、それぞれどのようなキャラクターだと捉えていますか?
瑛:ヘレナとディミートリアスとハーミアと、皆それぞれの関係がある中で、ライサンダーは少し外れていて異質なんですよね。婚約している人を連れ出すという罪に対する無頓着さや天然さ、一直線なところから、純粋な人だと思っています。「駆け落ちしちゃおうよ!」って言える夢見がちさというか、少年っぽいところもあるのかと思っています。
杉山:一慶くん曰く、「ハーミアは魔性の女」。関係図を見ても、ハーミアを中心にいろいろと始まっていきます。いい感じに入っていって場をかきまわすことができれば、それが一番面白くなるんじゃないかと思っています。悪気なく周囲に何かを与えられたらいいですね。
瑛:僕は今、原作を読んでいるんですけど、ハーミアは最初から自分の美しさに気づいているんですよね。自分で自分のことをちゃんとかわいいと思っているので、一番厄介です。ヘレナに「貴方ほど美しい人はいないわ」って言われて「うん、そうよね!」って言えちゃうんですよ。
杉山:ハーミアは、自分をかわいいと思っていることを悪いと思っていないので、悪気なく素直なんでしょうね。
――ご自身と似ているところはありますか?
瑛:夢見がちなところですかね(笑)。夢を見つつ、それを叶えようとしているところが似ていると思いました。婚約者を引っ張り出していく大胆さは難しいので、本番までに寄せていこうと思っています。
杉山:僕は言わなくていい言葉が出ちゃうんです。本当に悪気はないんですけど…。一回考えて発言した方がいいんじゃない? ていうところがあり、事務所の方にも言われたことがありました…(泣笑)。ハーミアとは、そんな素直すぎるところが似ているかもしれませんね。寄せるというより、子供っぽい素直さを今回演じるために活かせるかもしれません。
恋愛観を告白&ファンへのメッセージ
――『夏の夜の夢』には、いろんな恋の形がありますね。理想の恋愛はありますか?
杉山:僕は家でずっとゴロゴロしていたい! 外に出ない恋愛が理想かも(笑)。
瑛:運命的な出会いをしたいです。「数々の偶然を重ねて出会った唯一の女性」っていうのに憧れますね。例えばハンカチ落としましたよ、から始まって会社が一緒とか! 更に上司の妹みたいな、ドラマみたいに重なる偶然を経ての恋がしてみたいですね。
――最後に、作品に対する意気込みと、ファンへのメッセージをお願いします。
杉山:本番までに皆さんとまず仲良くなって楽しく面白い作品を作り上げたいと思っています。感染予防対策を万全に頑張ります!
昨今は暗い話題で口角が下がり続けていると思うので、この作品でしっかり笑って、表情筋を鍛えてもらえたらと思います。笑いで暗い気持ちを吹っ飛ばしてきましょう! 劇場に足を運べない方にもお届けできるくらい、板の上を全力で駆け回ります!
瑛:この豪華なキャスト陣が一体どういう動きを見せてくれるのか、僕自身も本当に楽しみにしています。コメディなので、皆さんが面白いことをしてくれるんだろうな(笑)。台本にももちろんわくわくしていますし、付き合いが長い一真にも果たして恋ができるのか!? というのも楽しみです。そして真宏くんのハーミアも、両方愛していきたいですね。
いま舞台を観に行きづらい時期だと思うのですが、足を運んでくださった皆さまには世界を忘れてしまうくらい笑ってほしいです。コメディにしか出せない世界観をしっかりお届けできたらと思っています。
取材・文:水川ひかる/撮影:ケイヒカル/ヘアメイク:齊藤沙織、平山祐子
広告
広告