2019年に上演された劇団アレン座第4回本公演『いい人間の教科書。』が、新たなキャストを迎え1年ぶりに再公演が決定。2020年11月に東京、大阪で上演される。
初演同様、全編エチュード形式でキャスト4人がそれぞれの人生を演じ、物語の核心“いい人間とは何か”に迫っていくというスタイルは同じだが、各人物の設定は今回新たに脚本・演出の鈴木茉美によって書き下ろされる。
本記事では舞台『いい人間の教科書。』に出演経験がある磯野大と、2020年版の新キャストである大崎捺希の対談が実現した。
初の対面は舞台「『刀剣乱舞』慈伝 日日の葉よ散るらむ(2019年)」(大典太光世役:磯野、前田藤四郎:大崎)というふたり。それ以降、ライブ配信などでは共演があったものの、同じ舞台に出演するのは実に約1年3カ月ぶり。
そのブランクを感じさせないほど、優しくまったりとした2人の対談空間を、ぜひ記事を通して味わってみてほしい。
もくじ
久々の再会と思えないほど“居心地がいい”
――約1年3カ月前の初対面の際、お互いの印象を改めて教えてください。
大崎捺希(以下、大崎):大くんは「スタイルがえぐい」って思いました。
磯野大(以下、磯野):見た目の判断(笑)?
大崎:本当の初対面の初対面で、まだ話しもしていない、なんにも前情報がないときね(笑)。喋ってみると気さくで面白い人なんだなっていうのが分かりました。
当時の舞台では、僕たちは一緒のシーンが多かったので、稽古や芝居中も自分たちなりに「ここはこうやろう」とか話したりしていました。大くんは知れば知るほど頼りになる、おっきくて優しいお兄ちゃん的存在でした。
磯野:その舞台では関係性が強い役同士だったので、すごくたくさん話をしましたね。
それもあって今回共演するのは久々で、だいぶ期間も空いていたのに、「お、また捺希と会えた、よろしくね〜!」くらい気さくにいけました。馴染んでる、っていうのかな。
大崎:その馴染みやすい雰囲気をつくってくれるのは大抵、大くんなんですよ。落ち着きます、一緒にいて。
磯野:一緒にいて気まずくならないよね、本当に。前回の共演のときもそうだったけど、長く一緒に過ごしていたわけじゃないのに、居心地が良くって自然体のままでいられます。
磯野「全てはお客さまの“おもしろい”のために」
――『いい人間の教科書。』は「全編エチュード」ということですが、大崎さんは即興性の高い舞台は初めてですか?
大崎:全編では初めてです。舞台の作品にもよりますが、「ここは日替わりで」「このシーンはアドリブで」ということは経験してきました。それが全編続くとなると、すごく覚悟が必要だなって思いますし、楽しみでもあります。
役者をやっているならば、人生でいつか経験したいことでもあったし、きっと今回の経験はかけがえのない財産になるんじゃないかって思います。
――磯野さんは本作2回目の出演ですが、新たな試みなどはありますか?
磯野:僕は『いい人間の教科書。』以外にも何度か「全編エチュード」っていうのを経験したことがあるんですが、ある時、多才で実力派の先輩俳優さんに教えていただいたことがあるんです。
「その場でやることは“アドリブ”じゃない、それはただのノープランで無謀なこと。そうじゃなくって、綿密に練って練って練り上げた上でやるのがアドリブでだから…」とおっしゃっていて、あぁ、確かにそうだなぁとすごく感銘を受けました。
お客さまに、お金を払っていただいて観にきてもらっているのに、その場で思いついたことを「面白いか、面白くないか」もよく分かっていないまま演じてしまうのは役者としてどうなんだ、という気付きがありました。
そうなると、頭はフル回転しっぱなしです。何回観ても、どの公演でも、お客さまに面白いって感じてもらうためには、稽古の段階からいろいろと試していかないといけない。そこがプレッシャーであり、僕の挑戦でもあります。
大崎:良かった、今日大くんと対談できて。稽古入る前に今の話が聞けて、本当に良かった。
磯野&大崎、お互いの人生を入れ替えてみたい!?
――もしも別の人間と入れ替われるとしたらどうなりたいですか? 「この人の人生を覗いてみたいな」という方がいればお教えください。
大崎:やってみたい、覗いてみたいなっていう人はたくさんいるんですけど……(横目でチラリと見ながら)、やっぱり高身長の人になってみたいですね。
磯野:(笑)。
大崎:僕の身長だと、大勢の人混みの中では紛れちゃうんです。
磯野:そんなことないよ、輝いてるもん。
大崎:オーラ出ちゃってます?
磯野:出てる出てる(笑)。
大崎:(笑)。でも真面目な話、身長高い方ってパッと見たときにやっぱり目立つじゃないですか。一緒に歩いていて、人混みではぐれても周りを見回すとすぐに発見できるし。
磯野:人を待ち合わせ場所みたいにすんなよ(笑)。
大崎:動く目印だね、街中の(笑)。
そっちの世界線でも生きてみたかったなぁって本当に思います。身長によって役柄も違ってきますし。もし大きかったら僕はどんな役をしていたんだろうって、そんなふうに考えるのは楽しいですね。
――一方、磯野さんはいかがでしょうか?
磯野:ないものねだりじゃないですけど、やっぱりアイドルとかキラキラした人物を一回体験してみたいです。
僕はどっちかっていうと“彫刻”って言われてしまっている人間なので、いつも隙間産業なんです。要は人がやれないところをどんどん取りにいかないといけない。
2.5次元舞台とかだと、捺希のようなキラキラした役と対になる立ち位置の役だったりだとか。あとは、根暗、無口、大男とか。だからこそ“王道のキラキラ”ってどういう感じなのかなって。
大崎:でもクールで、真似できない役どころばかりですよね。
今も座っているだけで絵になるっていうか、大物プロデューサー感(笑)。「自分にしかないものを自分自身でモノにしてる」っていう感じがすごく羨ましいけどなぁ。
――長身というと舞台のみならず、先ほど大崎さんがおっしゃったように街中でも目立ちそうですね。
磯野:それがですね……、悪目立ちしてやらかしてしまうこともあるんですよ。
大崎:何があったの?
磯野:先日、東京都内を丸1日、お仕事で移動した日があって。
帰りの電車の中、目の前の席が空いたので「ラッキー!」と思って座ったんです。そしたらいつもと座ったときの感触が違うな……ということに気づいて、帰宅して確かめたらレッドブルの小さい缶くらい、ズボンのお尻が裂けてました(笑)。
なぁ…
信じられるかい?
ズボンのお尻部分が
レッドブルの小さい缶くらい切れたまま
東京という街で生活してたんだぜ。
身長187の大男が、
パンツ丸見えで歩いてたんだぜ。
今、気づいたんだぜ。
明日は…晴れだな。
— 磯野大 (@Dai_Is1214) October 12, 2020
大崎:すごい、衝撃すぎるニュース(笑)。
磯野:俺が一番震えていたよ。捺希は? ニュースあったりする?
大崎:自粛期間に入ってからのニュースなんですけど、僕の家、実はめちゃくちゃ電波の入りが悪かったってことが分かって。Wi-Fiの電波が2本しか立ってないんです。
近頃はリモートのお仕事をいただく機会が多くなって、自宅から配信することがあるんですけど、ちょくちょく止まっちゃうんですよね。毎回、どうしようってすごく焦ります。
ここ最近、個人的にけん玉にハマっていて、リモート配信の企画でも「けん玉の技ができたら〇〇をする」っていうのをやったりするんです。そしたら、けん玉を持った瞬間だけなぜかめちゃくちゃ電波が良くなるんですよ。
楽器や違うものを持つとまた止まってしまって、でも、けん玉に持ち直すとなぜか電波がすぐに回復するっていう(笑)。なんなんでしょうか、これ。
けん玉持つと電波良くなるの
不思議すぎてなんなんだろう🧐— 大崎 捺希 (@NRespawl) October 9, 2020
磯野:面白すぎ(笑)。そのけん玉に何かあるのか、そもそも捺希に何かあるのか、なんなんだろうね。
本作への意気込み、ファンへのメッセージ
――最後に改めて舞台の意気込みと、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
大崎:僕にとってこの舞台が大きな一歩となって、きっと人生の中でも貴重な経験となると思います。命を懸けて絶対に素敵なものをつくるので、このご時世ではありますが、可能な限り多くの人にお届けしたいと思います。楽しみに待っていてください。よろしくお願いします。
磯野:2回目となる『いい人間の教科書。』、今回は劇団アレン座(Allen suwaru)の団員だけでなく、素敵なメンバーを迎えて東京と大阪の2カ所で公演し、毎公演、その場、その瞬間でしか生まれない面白さがたくさんあると思います。全力で取り組んだものを全力でお届けするので、ぜひ皆さまに観劇にいらしていただけたらなと思います。どうぞよろしくお願いします。
* * *
東京、大阪でそれぞれ4人のキャストが、4通りの人生を演じる舞台『いい人間の教科書。』。記事内では仲睦まじいこの2人が、舞台上では一体どんな人間として描かれ、どう豹変するのか注目だ。
「全編エチュード」だからこそ生まれる臨場感と予測不可能な展開、毎公演がまるで生き物のように唯一無二となる本舞台をぜひ実際に堪能していただきたい。
東京公演は2020年11月11日(水)、大阪公演は11月20日(金)から。
取材・文・撮影:ナスエリカ
【あらすじ】
約7500000000通りある人生の、ほんの4通りの彼らの人生。
なぜ彼らだったのか。
誰が決めたのか。
なんのためにやったのか。「只今をもって、あなた方四人を拘束します。」
彼らの生活は、突如小さな空間に閉じ込められた。
男性俳優四人のみで挑戦する
全編エチュードで作られる会話劇。
一つの空間に拘束された四人の男たちのいく末は?
抽選で3名様にサイン入りチェキをプレゼント
【応募期間】
2020年11月2日〜2020年11月8日正午
※必ずTwitterキャンペーン応募規約をよくお読みいただき、同意の上ご応募ください。
【応募方法】
STEP 1. 2.5ジゲン!!のTwitterアカウント(@25jigen_news)をフォロー
STEP 2. 以下のツイートをリツイート
#磯野大 さん& #大崎捺希 さんのサイン入りチェキを抽選で3名様にプレゼント✨
🔽応募方法
①@25jigen_news をフォロー
②このツイートをRTご応募は11月8日正午まで🙇♀️
🌟インタビューはこちらhttps://t.co/xgFerwSgf1 pic.twitter.com/fdK2MruswW
— 2.5ジゲン!! 編集部【公式】 (@25jigen_news) November 2, 2020
公演概要
■タイトル
舞台『いい人間の教科書。』■脚本・演出
鈴木茉美■キャスト(50音順)
東京:朝田淳弥、栗田学武(劇団アレン座)、橋本全一、武藤賢人
大阪:磯野大(劇団アレン座)、大崎捺希、栗田学武(劇団アレン座)、武藤賢人■日時
東京:2020年11月11日(水)~11月16日(月)/すみだパークシアター倉
大阪:2020年11月20日(金)~11月22日(日)/HEP HALL■チケット
カンフェティ
http://confetti-web.com/kyokasho_2020
アニメイト
http://www.wifi-cloud.jp/auth_and_tokyo_uam/■スタッフ
ダンス振付:kizuku/舞台照明:大平智己(ASG)/映像:浦島啓(colore)/音響:川⻄秀一(Lucky Jr.sound)/ 舞台監督:上田美菜/舞台監督補佐:はじり孝奈/演出助手:櫻井裕代/ヘアメイク:藤本麗/撮影:木村健太郎(Allen)/宣伝美術:Allen、小倉美緒/制作協力:島崎翼/■主催・制作
株式会社Allen
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