2024年3月末のCUBERS解散とともに芸能界引退を発表しているTAKA。CUBERSとしてはもちろん、役者としてもステージ上で輝いてきた彼は引退を前に何を思うのか。
2.5ジゲン!!ではTAKAに単独インタビューを実施。これまでの活動のこと、これからのこと、そしてファンへの思いなどを赤裸々に語ってもらった。
――早くも1月(※取材は1月実施)ということで、TAKAさんの芸能生活も残り3カ月を切りました。いまの率直な気持ちを聞かせてください。
去年の6月に解散と引退とを発表して…発表はしたけれど、実はあんまり実感がなかったんです。でも時間が経つにつれて、“ラスト”がつくイベントがどんどん増えて、それもどんどん終わっていく。そのなかで「ちょっとずつ終わりが近づいてきているんだな」っていう実感を、最近ようやく感じ始めたところです。
最初は、3月末まで時間あるし色々なことができるな、と思っていたんですけど、気づけばもう残り3カ月で。ようやく実感が湧いてきたけれど、ここから先はもうあっという間なんだろうなって。
――実際に引退を発表されてからこの半年間は長く感じましたか、それともあっという間でしたか?
めちゃくちゃあっという間でした。なんならもう今までの活動のなかで1番早い体感です。
――そうなんですね。実感としてはあっという間ということですが、この期間のなかで仕事の捉え方や気持ちの面での変化などはありましたか。
やっぱり心境が全然違います。今までと比べて大きく違うのは、変に気負いすぎず、1つひとつのことを純粋に楽しめている。
今までは楽しみつつも、これからの自分の未来のビジョンを思い描くなかで、グループに還元しないといけないなとか、グループとしての目標や夢に向けてがむしゃらに突っ走っていかないとな、とか。そういうことを考えていたけれど、今はあるがままの心で楽しんでいますね。
なので、意外と(引退を)発表してからの方が楽しいことも多いんですよね、不思議と。時間って有限だなと実感しているから、何事にもありがたみを感じるし、こういう場所に立たせてもらっているのも当たり前じゃないって感じるし。
楽しいんですけど…でも、やっぱり寂しいですね。去年までは楽しい気持ちが大きかったけど、最近は寂しいが勝ってきている感じ。最後の最後は寂しい100、楽しい0になっているんだろうなって思います。
――昨年10月リリースのオールプロデュース楽曲「For Good」も印象的でした。ブログでもこだわりを綴っていましたが、まだ語り尽くせていない楽曲への思いがあればぜひ教えてください。
伝えたいことはたくさんあるのですが。1から作って自分の思いをぶつけるっていうのはこれが本当に初めてだったので、やっぱりこの曲は自分にとってすごく特別な曲ですし、ファンの皆さんにとっても特別な曲になればいいなと思ってます。
――すべて作るというのはやはり大変でしたか。
大変さはあんまりなかったですね。すべてが初めてなのでやりがいもとても感じましたし、楽しかったです。
――普段も初挑戦のことは楽しんで取り組めるタイプ?
ケースバイケースですよね。この楽曲に関しては、培(つちか)ってきたものも少なからずあるので、初めてなんですけど、僕自身は0じゃないというか。わりとビジョンがはっきりしていたので、大変というよりやりがいがあったんですね。
逆に役者のお仕事に関しては、本当に経験もないし、やることなすことすべてが初めてだし、というので楽しむ余裕はなかったです。
――2020年夏にインタビューさせていただいた時も、舞台初出演となったミュージカル「スタミュ」に関しては「思い出したくない」とおっしゃっていましたね。その言葉がまさにその大変さを表していたんですね。
いや、本当に! 心の底から「役者をやっている人ってすごいな」と思いました。
――とはいえTAKAさんも、つい先日まで役者としてのキャリアも積んで活躍されていました。
ね。奇跡ですよ、本当に。役者のお仕事は、本当にずっと向いてないなと思ってましたもん。でも周りの人たちの支えがあって、こうやって続けてこられて、もう本当に奇跡ですね。周りに恵まれていたんだと思います。
――役者としては昨年11月に最後のステージを終えました。役者として見た最後の景色はどんなものでしたか。
本当に続けてきてよかったなって心の底から思いました。あの瞬間、1ミリの後悔もなかった。振り返れば大変なこともたくさんありましたけど、この景色が見られてよかったなって本っっ当に思いましたね!
きっと大変さがなかったら、最後の景色が同じだったとしても、感じるものは違っていたと思うんですよ。楽に得られた僕の役者人生ではなかったので、ぐっとくるものはありました。
――なかでも「ツキステ。」(2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」ステージ)には2018年の第6幕から出演を続け、最後の作品も「ツキステ。」でしたね。最後の出演・引退ということを受けて、仲間とはどんな言葉を掛け合いましたか。
もう感謝のしあいでしたね(笑)。「本当にありがとう」ってお互いたくさん言いました。あとは僕からは、「本当に大好きな作品だから、ずっと続いていってほしいので、これからもよろしくお願いします」っていうことは伝えましたね。
――プロセラ(Procellarum)メンバーとプライベートで会った様子なんかもSNSで拝見しましたが、もう家族のようですよね。ちなみにプロセラメンバーにひと言ずつメッセージを伝えるとしたら、どんなことを伝えますか。
平井さん(平井雄基)は同じ愛媛出身で同郷ということで嬉しかったし、たくさん僕を笑顔にしてくれて。すごく笑わせてくれるんですよね。そういう意味でも彼とは本当にベストバディだったなと。
修斗さん(鷲尾修斗)は、僕がリーダーっていう立ち位置だったんですが、何もしてあげられない僕をリーダーとして表で立たせてくれて。陰で引っ張っていってくれてたのは修斗さんで。本当に兄貴って感じで、すごい支えてもらいました。
なんかかっこよくてずるい男なんですよ(笑)。引退発表のときも、最後の公演が終わった後も、ぐっとくるメッセージを送ってくれた。見えないところでいろいろやってくれる、ずるい男です。
友佑くん(秋葉友佑)は唯一の「ツキステ。」同期なんですよ。同じタイミングで入ってずっと一緒に頑張ってやってきて。同期が友佑くんでよかったなって思える人柄だったし、あと彼はとてもユーモアセンスが溢れているんですよ。そのおもしろさをちょっと出し惜しみしているんですよね(笑)。だから、もっと出していったほうがいいよと伝えたいです。
とも(佐藤智広)はコーヒーを入れるのがすごい得意で、最初から最後までずっとコーヒー入れてくれて。あのコーヒーでリフレッシュして本番に臨めていたので、これからも入れ続けてほしいですね。あとはファッションセンス。めちゃくちゃ独特なんですけど、彼にはあのまま貫いてほしいです。
友咲くん(佐藤友咲)は思いきりのよさがすごいし、癒やされるしおもしろいし。近くにいるといろんな感情にしてくれるんです。心がたくさん動いて楽しくなる。なので、友咲くんがいるのといないのでは、多分ユニットの雰囲気も全然違ったと思うし、すごく素敵なスパイスだったと思います。
――リーダーズとして睦月始役の縣豪紀さんにはいかがでしょう。
豪紀くんは、最初は僕が色々サポートしてあげないといけないなと思ってスタートしたんですが、最後の最後には僕の方がたくさん助けられていました。これからの「ツキステ。」を託せるなって思えたので、もちろんみんなにも伝えたんですが、特に豪紀くんには「ツキステ。をよろしく」って伝えましたし、この場でも改めて伝えたいですね。
ひと言じゃなくて結構喋っちゃったんですけど、伝えたいことがたくさんあるぐらい、本当に大好きな人たちなんです。僕は芸能を辞めちゃいますけど、変わらない関係をこれからも築けていけたらいいなって、ひっそりと僕は心の中で思っています!
――素敵なメッセージありがとうございます、とても大切な時間だったことが伝わってきました! それだけ役者として濃い時間を過ごしつつも、グループ活動も当然お忙しくて。活動の両立というのは振り返ってみていかがでしたか。
(前のめりで)めちゃめちゃ大変でした! 最近後輩グループができたんですが、何人かは役者のお仕事も始めて、それこそ2.5次元作品にも出るようになったんですけど、やっぱりヒーヒー言ってますもん(笑)。
たまに僕に連絡が来るんですよね。なので、僕が経験してきた範囲内のことではありますけど、アドバイスするようにしていて。微力ですけど、ちょっとだけ後輩の人生をサポートできているわけじゃないですか。だから、大変でしたけど、その経験が誰かのためになっているのが、いまはすごく嬉しい。
――TAKAさんが思う、両立させるために大事なこととは?
やっぱり目標とか夢を持ってやることじゃないですかね。僕にはグループでの目標があったので、それにつながることだったら大変でも頑張ろうって思えたし。
それに、ファンの皆さんがついてきてくれてた。だからこそ、「ファンの皆さんのためになる」という思いで頑張れていた。
信念を強く持って、ファンの人たちにどういう自分を見せたいのかを考える。それが大事なんじゃないかなって思います。
――これまでのことを中心にお聞きしましたが、今後のビジョンについて、いまはどんなことを考えていますか。
ビジョンというものは、まだはっきりしてないんです。でもこれまでの人生で培(つちか)ってきたものをやっぱり無駄にはしたくないし、この人生が確実に僕を成長させてくれたので、それを今後も生かしていきたいなとは考えています。
僕がこの芸能活動をやってきて思ったのは、僕はやっぱり誰かのためになにかをやっている時が1番達成感を感じるし、輝いていたなと思うんですよ。特にファンの皆さんのことを思って取った行動って、どれも自分が生き生きしていたし、自分で自分を誇れる瞬間だったと思うんですよね。
そのことに気づけたので、この先も誰かのために頑張っていきたいなって思います。
たぶん、“自分のために”って思うと甘えてだらけちゃうんで(笑)。うん、でも、(噛みしめるようにしみじみと)すごいワクワクしてたんですよね…「これやったらファンの皆さんが喜ぶだろうな」って考えながらいろいろ考える時間って。
なので、やっぱりそこを活かしていきたいですね。
――以前のインタビューで“TAKAとして目指したい場所”を聞いた際、「どんな仕事でも周りを導けるような人になれたら」とおっしゃっていました。TAKAさんにとって自分を導いてくれた存在とは?
やっぱりファンの皆さんですね。ファンの皆さんに応援してもらえるような存在になろうって思うと、自然とそこに向かって導かれていった感覚で。ファンの皆さんの存在が、僕をたくさん輝かせてくれたなって思います。
――では改めて、CUBERSとともに過ごした20代は、TAKAさんにとってどんな時間でしたか。
人生の財産ですね。一緒に夢を見て、突き進んで。素敵な仲間といい青春を過ごせたなって感じています。
――20代でこれだけ一緒に苦楽をともにできる仲間と出会うことって一般的にはきっと難しいことですよね。
そうですね。不思議と、解散発表してからも楽しいんですよね、みんなといる時間が。もしかしたら今が1番楽しいかもしれない。でもそれっていい仲間だからそう感じるんだと思うんですよね。
なかには「解散、まだかな」って感じるような人間関係もあるかもしれないけど、そういうのが僕の中には全然なくて。やっぱり寂しいし、だからこそ楽しい。楽しいから寂しいみたいな。本当にいまもいい雰囲気なんで、たまにふと「本当にこの人たち解散するのかな」って思うくらいです(笑)。
――すごく素敵な関係性ですね。少し突飛な話ですが、もし10年前に戻れるとしたら、また同じ選択をして、またこのメンバーでCUBERSとしてやっていきたいですか。
えー、難しいな…。もう1回最初からやるのかぁ。今のメンバーと今の関係性から始められるならいいんだけどなあ(笑)。結成当時のこと、みんなは僕が尖ってたって言うんですけど、僕からしたらみんなも尖ってましたらからね!
――TAKAさんも尖っていたんですね。
見た目は確かに尖ってました。ジャージ着て金髪でオールバックにしてたんで(笑)。田舎者だから東京で舐められたくなくて。でも僕以上に尖ってるメンバーたくさんいましたけどね。
だから、関係性も0からってなると…カロリー高いっすね(笑)。最初から今のような関係だったわけじゃないし、ときには意見がぶつかる時期もあったし。
――今の素敵な関係性があってこそ、ということですね。では最後に、ファンへのメッセージをお願いします。
いや、もうほんと、感謝してもしきれないぐらい、本当にたくさん力をもらえましたし、僕にとっての支えでした。ファンの皆さんがいたからこそ、僕の芸能人生は幸せだったなって言い切れます。
いろんな人がいる中で、僕という人を応援してくれたことを本当に嬉しく思いますし、そんな自分を誇りに思えるので、本当に感謝という言葉しか思い浮かばないくらい感謝しています。うん。なんか本当に幸せでした。ありがとうございました!
あと、僕のこと忘れないでください。覚えていてもらえたら、僕は皆さんの記憶のなかでCUBERSとして生き続けられると思うので、どうか僕のことを覚えていてください。
***
引退についてはまだ実感が湧かないとのことで「困ったもんだ」と笑顔でこぼしていたTAKA。終始明るい受け答えで取材を盛り上げてくれたが、最後に深々と一礼して去っていく姿がなんとも印象に残っている。
CUBERSのTAKAとして、3月末まで各種ライブやイベントが目白押しだ。最後の一瞬まで、その輝きで我々を魅了させてくれるに違いない。
取材・文:双海しお/撮影:友野雄
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