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鯨井康介が演じたベストキャラは? 俳優仲間をも魅了する“クジライジャパン”監督

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芝居の持つ力を、巧さと熱量で確実に届けてくれる役者・鯨井康介。彼の全身から溢れる演じることへの貪欲さは、波のように広がり観客の心を震わせてくれる。

10代の頃から舞台に立ち、現在まで2.5次元作品をはじめ数多くの作品に出演してきた鯨井は、今日7月20日に33歳の誕生日を迎えた。

去年は誕生日を記念したコラムをお届けしたが、今年は彼が演じた「ベストキャラ」に関するファンアンケートを事前に実施。その結果を、本記事で紹介していきたい。

長年舞台に立っているとあって、どの役を選ぼうかと悩んだファンも多いのではないだろうか。実際、2.5次元作品だけでなく、オフブロードウェイ作品やストレートプレイなど、様々なジャンルへのコメントが寄せられた。

この幅広さこそが、鯨井康介という役者の在り方を現しているのだろう。枠にとらわれず、自分の表現の可能性をどこまでも押し広げていく姿勢は、常にファンに新鮮な驚きと気付きをもたらしてくれる。

コメントからも、彼の芝居に魅了され、観れば観るほど虜になっているファンの思いが込められていた。ぜひ、その熱量も感じながら、どんな役が「ベストキャラ」に選ばれたのか、楽しんでもらいたい。

※いただいたコメントについては文意を損なわない範囲で一部省略、誤字等の編集をしております。

手嶋純太 役/舞台『弱虫ペダル』

鯨井は、2016年の舞台8作目以降、実写ドラマ版も含めて手嶋純太を演じ続けてきた。凡人を自称する手嶋純太が持つ努力という才能を、見事にステージ上に描き出した。

鯨井さんの手嶋に惚れて2年目インターハイ最後まで観に行くと決めました。原作よりも年齢はしっかり上ですし、鯨井さん自身も大人で周りの若い俳優さんたちよりしっかりされていて、リーダーシップもそりゃあ備えていらっしゃるし、鍛えられたボディでめちゃくちゃ頼れる手嶋じゃんとビジュアル見た時には思っていたのですか、演じられたらそれはそれは口と頭はとてもよく回るけど少し卑屈で自信のない凡人!!! 手嶋純太!!! が完全に表現されていて感動しました。原作に紛うことなき熱く心揺さぶられる凡人でした。

カンパニーをまとめる力と役柄のキャプテン力の相乗効果

元々一番好きなキャラクターではあったが、鯨井さんのキャラクターへの向き合い方を見てより好きになった

2.5次元作品ですが、鯨井さんの手嶋はキャラクターそっくり! という訳ではないように思います。ですが、繊細で熱い鯨井さんのお芝居で、原作とも少し違う、新しい魅力が加わった手嶋が舞台上で必死にペダルを回している姿を見ると、手嶋はこの人以外やれないな、と思ってしまいます。手嶋が登場する作品は、キャスト変更することなく、最初から最後まで全て鯨井さん一人で演じきってくださったというのことも印象深いです。

圧倒的な手嶋純太感! 「努力の男」を現実で演じるのはとても大変だったと思いますが、それをやってのける鯨井さんのすごさ! 無理が自分の必殺技だという彼を、舞台上で思いっきり無理して実写で表現してしまうすごさにいつも圧倒されますし、舞台上で頑張っている手嶋を見ると、自然と涙がこぼれてきます。「頑張らないと期待なんかされない!!」とは、手嶋純太の台詞ですが、頑張っている鯨井さんには、期待しかありません!

手嶋純太の持つ、明るくて気さく、いつもひょうひょうとした雰囲気という「軽さ」と、一方で誰よりもしぶとく芯が強くて泥臭い「重さ」を深く考察し、説得力のある形で表現されていたように思います。チームメイトを見つめるふとした視線の優しさと、正々堂々と勝負に燃える熱く強い眼差しがすごく印象的でした。人間くさく、頼もしい手嶋らしさをとても感じます。目だけでも色々なことを語れる、圧倒的な演技力にいつもゾクゾクさせられます!

まずビジュアルがかっこいい! そしてやっぱり鯨井さん(笑)。劇中のアドリブも天才的におもしろく、手嶋というキャラが元々好きだったのにより好きになりました。また新作が観たいくらいに大好きです。

鯨井さんを初めて知った作品。その表情や声音の多彩さに、常に手足の先まで神経の行き届いた美しい佇まいにすぐに惹きつけられました。生身である、という事だけではない説得力や存在感でもって「手嶋純太」という人物を体現してくれているのを見て、ああ、この人の他のお芝居も見てみたいなと思わせてくれた作品です。

原作の手嶋純太にはない魅力を引き出してくれた

ステージ上であれだけの運動量をこなす「ペダステ」キャスト陣は、本番に至るまで全員がものすごい量の努力を重ねている。

しかし、手嶋純太はその誰もが努力をして立っている場所で、“努力の男”として立たねばならない。目立つオーラは放たず、しかし圧倒的な努力を感じさせる存在感。それをセリフとは違う部分で、鯨井は観客に伝えてくれた。

コメントにもあるように、カンパニー全体にとって、彼はまさに“手嶋純太のような存在”だったのだろう。前の世代が積み上げてきたものを引き継ぎ、その意志をハートの奥に燃やしながら新世代で高みを目指していく。その上昇していくカンパニーの柱となったといえるだろう。

東海道本線 役/ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』

2015年から東海道本線役で出演しているのが、ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』シリーズだ。本作には、原作ファンからの熱心なコメントが多数寄せられていた。

公演を重ねるごとに兄である東海道新幹線への愛がますます強くなる鯨井ジュニアがとても大好きです。兄さん兄さん言っているだけかと思いきや、鉄ミュ3で見せた国鉄東海道本線の始祖らしい威厳のある姿も演じられ、そのギャップで完全に落ちました。

鯨井さんの演じる東海道本線は鉄道史的にも原作的にも人気の路線さんです。その中にあって原作どおりで原作以上の快(怪)演をされてます。舞台では不可能と思われたとある液体の演出でも鉄ミュ3、鉄ライとパワーアップを遂げるなど予想の遥か上を軽々と超え、なおかつ魅力的な姿を惜しげもなく見せてくれます。兄である東海道新幹線至上主義の弟としての弾けた姿、時折見せる「鉄道の始祖」としての眼光鋭い姿、在来線の路線達の中にある日常の姿などなど色々な姿に心を奪われます。

沢山の作品に出演されていて重厚な役も多い中、青春鉄道の東海道本線役は、思い切り突き抜けていて、暴走が心配になるほどの勢いですが、ご本人がとても楽しそうにハジケているので。カッコイイ場面はほとんど無いですが、シリーズ「3」では少しだけシリアスなかっこよさも見られて、一層引き込まれます。

原作のキャラが抜け出てきたような鯨井本線さんです。笑いもシリアスもこなせて、とってもカッコいいです!

メリハリのきいた演技が素晴らしいです

表情や動きの面白さ、ふとした瞬間の仕草のきれいなところ。原作に影響を及ぼすくらいにキャラが強いのが最高です。

シリアスからコメディまで、余すことなく鯨井さんの魅力が詰まっていると思います。

鯨井さんにしか回せないMC力を存分に発揮しておりご本人も楽しそう。見ていてパワーを貰います

兄さんへの愛を叫び続けるJrの演技!最高です! 「兄さぁぁぁぁぁああああん!!!!」と表現したくなるような「あ」の多さと「愛」の多さの表現は完璧! 勿論、兄さんへの愛を叫ぶだけではありません。カッコよく決めるところは決め、殺陣も決める所は、流石本線様! 比較的自由な舞台の中でしっかりと笑いを取り、時には仕切り、兄さんのカッコよさを際立たせる。中の人の頭の回転のよさもうかがえる素敵な役です。

原作から飛び出したみたいなビジュアルに演技のキレが良くてもうとにかくかっこいい!!

鯨井さんを知るきっかけになった作品です。元々原作マンガの大ファンで、2.5次元舞台に初めて触れたきっかけでもありました。永山さん演じる東海道新幹線への兄さん愛の表現がすさまじく、私にとって「これがジュニアだ!!!」と目が覚める思いでした。兄さん狂のジュニアも素敵ですし、始祖様としての東海道本線の威厳ある姿(特に、1の「五社直通のテーマ」)も大好きです。残念ながら鉄ミュ4は遅延中ですが、いつまでも待っています!

諸戸道雄 役/舞台『孤島の鬼』

江戸川乱歩の名作を舞台化した『孤島の鬼』は、2015年に上演された。

聡明で凛と美しく、同時に身の内に激しい愛憎を秘めた苦しい役どころを好演。思いを寄せる蓑浦(演:藤森陽太、崎山つばさ)とのやり取りでは、妖しくも上品な、欲に身を焦がす妖艶な姿で観客の心を掴んだ。

文学作品の持つ独特な世界観の中にスッと馴染んでいく、鯨井の巧さを感じられる作品といえるだろう。

冷静で紳士的なキャラクターながら、その裏に見え隠れする主人公への執着の演じ方が素晴らしかったから。鯨井さんのお芝居は本当に何回見ても素晴らしいのですが、諸戸は特に脳裏に焼き付いて離れない役で、大変印象深いです。

カラッと明るい役が似合う鯨井さんですが、こういう美しい、陰のある作品も似合うんだよと改めて役者鯨井康介の演技の幅を感じさせてもらえる作品だったので。赤坂redシアターの舞台で見たおどろおどろしい乱歩作品のリアルさはとても素晴らしかったです

鯨井さんだからこその魅力がダダ漏れていた

鯨井さんにとって新境地な役柄だったけど、完璧に演じきっていらして、とても感動したからです

道雄の繊細さ、聡明さ弱さ、美しさが舞台美術と相まって素晴らしい作品となっていました。ピンと張り詰めた空気を感じたくて何度も劇場に足を運んだ作品です。忘れられません。

村山蒼佑・秋野侑李 役/朗読劇「ノンセクシュアル」

舞台『孤島の鬼』とはまた違った狂気の形を見せてくれたのが、舞台「ノンセクシュアル」だ。

当初の予定では舞台として上演予定だった作品だが、2020年6月に朗読劇として配信。つい最近の作品だが、配信という形でも伝わる熱演に複数のコメントが寄せられた。

2021年に再度舞台として上演できるよう調整中とのこと。朗読劇は未視聴だが、舞台版は観劇予定という人がいれば、コメントにネタバレが含まれるのでご注意を。

鯨井さんの蒼佑は(いい意味で)目が死んでいて、恐怖感がすごかったです。分かりやすく頑張っている役や、カッコいい役とは違い、静かに恐怖を感じる役。ブルーに近い灰色の色水が「愛」と「執着」の力でだんだんと粘度が濃くなっていき、相手の息の根を止めるような役ですが、それを朗読劇という環境で、時に静かに、しかし確実に恐怖感を植え付けながら表現する鯨井さんは圧巻です。

だってね、凄いんだよ、目が死んでるの。初登場時から目が死んでるの!! 公式の人物紹介のとこの文読んで「あーこれは蒼佑、最後おかしくなるんだな」なんて思った。いや、おかしいのは最初からだった。もう登場から目が死んでる。目が死んでる目が死んでるってずっと言われたけど、あれは目が死んでる。最初は瑛司(演:相葉裕樹さん)を塔子(演:さかいかなさん)から助けてあげる好青年かと思った。すぐにそうじゃなくなるけど。ドアのところは怖すぎてしばらく鯨ちゃん見れないってなった。けれどそこまで思わせてしまうような狂気を上手く表現できてる鯨ちゃんすごくない? すごい。上記は私の友人に送った感想なんですけど、もうこれが全てを語ってるのでそのまま載せます。

ビジュアルを見た瞬間に「この鯨井さんを観てみたい!!」とびびっと来た作品でした。侑李は好奇心が全面に出たキャラクターで、「変人だけどこの子と友達になりたいな〜」と思うぐらいに侑李のカラッとした明るさが大好きです。蒼佑はなんと表現すればいいのか難しいのですが、鯨井さんの生み出す蒼佑の言動に背筋が凍る思いでした。この狂気こそが蒼佑だ、と感じます。朗読劇も楽しませていただきましたが、2021年秋予定の舞台版を心から楽しみにしています。

「テニミュ」から15年、鯨井康介を構成する作品がずらり

初々しさが残る2005、2006年の「テニミュ」海堂 薫役から、演者2人きりで20役以上を演じ、歌い、いくつもの人生を紡ぐ『グーテンバーグ!ザ・ミュージカル!2018』まで。

コメントの寄せられた作品を並べてみると、これまでの鯨井の軌跡をたどるかのようなラインナップとなった。

「テニミュ」から数えて15年以上、舞台に立ち続けている鯨井。彼の歴史を振り返ってみたい。

海堂 薫 役/ミュージカル『テニスの王子様』
海堂のとんがった真面目さ、律儀さ、無骨な男っぽさの中に見える品の良さは、まさに当時の鯨井さんの魅力そのものが出ている感じで、とっても魅力的でした。若いのに古風な雰囲気で、一生懸命で真面目な職人のような姿に惹かれたのを覚えています。年齢を重ねて、その真面目さに「柔らかさ」が加わった最近の鯨井さんは最高に魅力的で、かっこいいです!

ジェイソン 役/オフブロードウェイ・ミュージカル『bare』
衝撃的な内容で、どんどん追い詰められていくジェイソンを演じる鯨井さんの演技が圧巻でした。暫く舞台が頭から離れず、ずっと考えていたし、ネットで同じような同士と話した記憶があります。

民谷伊右衛門 役/『四谷怪談』
悪事に手を染めていく中での葛藤や快楽、お岩の亡霊に追われてから気が狂うような演技がとても素晴らしかったからです。悪い人なのに艶っぽくかっこいいので、惹かれてしまう女の気持ちがよく分かりました!

ウィルバー・ライト 役/One on One 26th note コードシリーズ『BIRDMAN〜空の果てにあるもの・ライト兄弟〜』
事態が重く暗くなる中で、兄だから言えなかったこと、弟だからこそ言えること、それをうらやましく思ってること、それだけじゃなく言えてしまう弟が憎らしい、けど愛おしく思っていることなどの繊細な感情表現が力のある演技の中でズバズバ心に刺さって涙が止まらなくなるからです。鯨井さんの台詞回しはものすごくパワーが溢れていて、何度も何度も舞台を観たくなります。

ダグ・サイモン 役/『グーテンバーグ!ザ・ミュージカル!2018』
瞬時に帽子を被り変えながら様々なキャラクターを演じなければならない演技力と、コミカルでキレのある動き、そしてあっという間に人を引き込んでしまうトーク力。鯨井康介の真髄ここにあり! という舞台だったからです。365日いつでも見続けたいと願っている舞台はこれだけです。なので今年の1月のクジライジャパンで「未来は今」が聞けた時は嬉しくて泣いてしまいました。

人を惹きつけてやまない、台風の目のごとき存在感

ニコニコチャンネルで配信中の「鯨井康介のおしゃべりJAPAN」(通称:クジライジャパン)の放送やイベントからは、鯨井という役者がいかに役者仲間やファンに愛されているのかが伝わってくる。

彼の明朗快活な人柄は、芝居以外の部分でも人の心を掴み、離さない。そんな人物が演じるからこそ、舞台上の人物たちが体温のある“生身”の存在となって客席に迫ってくるのだろう。

33歳となった鯨井康介。現在、舞台というジャンルが試練に立たされている状況ではあるが、その中でも、彼なら進化した芝居を届け続けてくれることだろう。

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WRITER

双海 しお
 
								双海 しお
							

アイスと舞台とアニメが好きなライター。2.5次元はいいぞ!ミュージカルはいいぞ!舞台はいいぞ!若手俳優はいいぞ!を届けていきたいと思っています。役者や作品が表現した世界を、文字で伝えていきたいと試行錯誤の日々。

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