遠征という言葉を聞いたことがあるだろうか。舞台ファンにとっての「遠征」とは、舞台を見に行くために遠方まで足を運ぶことを意味する。
好きな舞台のためならどこへでも行くという強い気持ちを持った2.5次元舞台ファンもきっと多いことだろう。今回はそんな「遠征」をテーマにTwitterでアンケートを行い、2.5次元舞台ファンの遠征事情を調査した。
※いただいたコメントについては文意を損なわない範囲で一部省略、誤字等の編集をしております。また、遠征の定義は、観劇を主な目的として遠方に足を運ぶこととし、具体的な移動距離は定めず回答者にお任せしました。
もくじ
1年間にどれくらい遠征している?
まず、1年間の観劇に占める遠征の割合を尋ねてみた。
1番多かったのは「観劇はすべて遠征だった」という回答。次いで回答の多かった90%と合わせると3割程度の人がほぼ毎回遠征をして観劇しているようだ。
2.5次元舞台は東京、大阪といった大都市圏での上演が多いため、住んでいる地域によっては常に遠征となるだろう。
10%、30%、50%が同率の3位。次いで1度も遠征していない0%という回答が続いた。
遠征に関心がある人の回答が多めだったことも考えられるが、それでも筆者の予想よりも遠征をしている人は多いように思った。
遠征誰かと行く?それとも1人で?
次に遠征を1人で行くか、誰かと行くかを尋ねてみた。
結果は1人で行くと答えた人が6割弱と半数以上を占めた。観劇という大きな目的があるだけに、誰かを誘ったり予定を合わせたりするよりも、チケットを取ることの方が重要ということなのかもしれない。
遠征してよかったこと
遠征ならではのよかったことも質問してみた。一番回答として多かったのは舞台そのものがよかったという声。確かに舞台そのものがよかったことに勝るものはないだろう。
舞台は生き物なので、遠征、地元関係なく行って良かったの思いしかないですね。
地方から関東への遠征組なので、そもそも遠征しないと現場に行けないです。なので、推しに会えること自体が”よかったエピソード”です。
平日行ったら関係者席があまりにも豪華だった。演者も熱の入り方が段違い。
さらに、複数の会場で公演がある演目ならではの部分を挙げるコメントもあった。
会場の特徴を生かした演出があった(花道など)
日替わりでご当地の名物が出てきたり、その地域の方言でセリフを喋ってくれた
地方ならではの出身キャストのトークがあった
地元で1度見た後、遠征先で同じものを見たのでキャストの成長に感動した。
また、舞台そのもの以外にも遠征先でグルメを楽しんだり友人との観光を楽しんだり、遠征の経験を別のことに活かしたという意見もあった。
フォロワーさんが集まるので一緒に舞台の話をしながらご飯を食べられた。遠征先の舞台が商業施設だったのでついでに買い物もした。観光もした。
遠征先で普段食べられない地域のご飯がたべられる。美味い。
北海道民なので、9割方の現場は遠征です。推しを追いかけて毎月東京をはじめ全国へ行くので、最低限の服と小物で着回しする力がつき、ファッションセンスが上がりました!
会場Disc予約の際に地方の住所を書けて、「遠方から来るファンも居る」と言うことをお伝えできることでしょうか
遠征の失敗談
遠征で失敗したことに関するアンケートには、やはり交通手段に関するものが多く寄せられた。
雪で地元空港が閉鎖された時、車で4時間かけて晴れている空港へ移動し、そこから東京へ飛びました。最前席だったマチネには間に合わず、空席を作ってしまいました…… それ以来天気情報は早めにチェックしています。
台風で飛行機飛ばなくて神戸に2日間缶詰になったこと
台風シーズンや冬は新幹線や飛行機が定刻通りに動くのか心配になることも多い。こればかりは代替の交通手段も調べておきつつ、最後は祈るしかないのかもしれない。
さらに、観劇後に予定していた電車に乗れなかったエピソードも。
観劇後友達と居酒屋で話していたら宿泊予定までの終電を逃してしまい、途中の駅の最寄りのカラオケで朝まで寝た。
大晦日、運行遅れに見舞われ乗る予定だった新幹線に乗れず、自由席確保のため寒いホームで2時間待つはめになった。
乗れないまではいかなくても「最終新幹線の時間が気になってカテコ挨拶中そわそわしてしまう」という意見もありソワレの観劇はどうしても時間がタイトになる傾向がある。
また、意外と多かったのが、荷物に関するエピソード。宿泊を伴う場合は特に荷物が多くなりがちなので、荷物の預け場所は事前に調べておくと良さそうだ。
コインロッカーが周りになくて大きな荷物を持って観劇してしまった。
最初の頃は慣れていなかったので、キャリーの入るサイズのコインロッカーが見当たらず、開演前に時間と体力をガンガンに削られた。
さらにこんなご意見もあり、遠征は旅立つ前から始まっていると感じた。
「遠征行くぜ!!!!」と張り切ったら国民的アイドルグループのコンサートと日程がドン被りしていて、新幹線はもちろんホテルもちょうど良い場所が取れず、結局朝イチ新幹線、泊まりは隣の県となりました…同時期に近くで何か大イベントが無いかどうか調べるのは必須ですね…
必見! 私の遠征術
楽しくお得に遠征するための秘訣やおすすめのグッズを尋ねてみた。まずは交通手段&ホテル編から。
交通は早割を駆使するので数ヶ月前からサイトを巡ります!
特急電車と新幹線の時刻早見表を持って行くと、乗り遅れたりしたときに迅速に切符変更が行える。
航空会社のクレジットカードで生活費のほとんどを支払っています。マイルが貯まるので年に2、3回分の航空券代が浮きます。
地方だと交通が不便なことも多く、時間が勿体ないのでここはタクシーなど予め決めておくとスムーズ
ホテルは仮で幾つか押さえて、日程ギリギリに安いところ探して予約します。ホテルは案外ギリギリの方が安かったりします。
東京郊外のカプセルホテルは安いし予約も取れるしアクセスも良いので次回も利用すると思う。
「初めての地は会場までのアクセスをシュミレーションすること」というコメントもあったが、会場までの移動手段や宿泊地をよく調べて早めに予約するのがポイントのようだ。特に地方都市は場所によってホテルが少なかったり、会場への公共交通手段でのアクセスが難しかったりということもある。
さらに一味変わった意見として「鉄道会社に就職する」という回答もいただいた。確かにお得に移動ができそうだ。
おすすめグッズにも多数の回答をいただいた。
ホテルの部屋に湯船がある場合は炭酸の入浴剤を持参してゆっくり入浴するのと、錠剤の滋養強壮剤を飲んで太ももまである着圧ソックスを履いて寝るのが欠かせません。
長時間移動の際持って行くものは「ネックピロー」
もらったフライヤーを折らないように、硬化ケースも常備しています。また、グッズでポスターが出る時は100円均一の証書(賞状)ケースを持っていきます。A3ほどの大きさでしたら入ります。折らず、汚さず持って帰れます。(私は証書ケースのまま、キャリーケースに入れて持って帰ります。)
刀剣乱舞にハマってからは、御朱印集めをしているので、御朱印帳は必ず持って行き、可能な限り参拝にいきます。
そして最後に一番大事なもの。
持って行ってよかったというか準備しておいてよかったものですが…思い立ったら即行かれるように貯金を…しておく…
より楽しい舞台遠征ライフを
遠征をする事情は様々。劇場が近くにないから、近くの劇場のチケットが取れなかったなど、仕方がなく遠征をする人も多いだろう。
しかし、どうせ遠征するなら楽しく舞台も遠征自体も楽しんだ方が良いはず。遠征をしたからこその観劇体験もきっとあるはずだ。
遠征をしたことがない人も、遠征上級者も、チケットとわくわくする気持ちを持って旅立つことを願っている。
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