コラム

新生活に疲れたあなたへ。勇気と元気がもらえる2.5次元舞台3作品をご紹介

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新学期に新社会人、新しい部署への異動……。なにかと環境が変わる新年度。期待や希望もあるけれど、外では気を張ってちょっと疲れてしまうもの。

そんなとき、ぜひ観てほしい2.5次元作品をいくつかの切り口で選んでみた。エンタメは心の栄養になる。そんな思いで選んだ作品たちをぜひ覗いていってほしい。

音楽劇『金色のコルダ Blue♪Sky』シリーズ

ゲーム『金色のコルダ3』を原作にした同名アニメの舞台版として上演された通称「コルステ」シリーズ。

魅力はなんといっても生演奏だろう。アニメやゲームに登場した楽曲が生音で奏でられ、再現度の高いキャラクタービジュアルに目が奪われる。谷佳樹や黒羽麻璃央、前山剛久、秋元龍太朗、輝馬、高崎翔太、北川尚弥、上田堪大といったいまも大活躍する俳優が多数出演している。

全国一を目指すなかで、学校内で対立があったりライバル校と衝突したりする姿は、まさに青春。描かれているのは文系の部活動ではあるが、まるでスポーツものの作品を観ているような気持ちになるほどだ。

今回のテーマでなぜこの作品を選んだのかというと、「コルステ」は突き抜けた爽やかさを持つ作品だと思うからだ。生徒たちがぶつかりあい、心を結んでいく過程を描くだけの作品ではない。そこに生の音が溶け合い、彼らの関係性を音とともに心に届けてくれるのだ。

音楽の力のすごさをストーリーから感じると同時に、身体でも味わうことができる。自分の内側が音楽で満たされていき、カーテンコールを迎える頃にはタイトル通り青空を見上げたときのような清々しさで胸がいっぱいになるだろう。

新しい環境や人との出会いが、こんな色を届けてくれるものになったらいいな。筆者はそんな期待を持ちたいときに、彼らの音色が響くステージに会いに行くことにしている。

舞台『ハイスクール!奇面組』

「コルステ」からの振り幅がかなりあるが、令和に突入するなかであえて昭和の香り(しか漂わない)が濃い舞台『ハイスクール!奇面組』を紹介したい。

主演は平野良。ほかには寺山武志や鳥越裕貴、さらになだぎ武やもう中学生といったお笑い芸人も多数登場する異色の2.5次元舞台だ。

原作もアニメも昭和の終わりに制作されたため、作品自体をよく知らないという人も多いだろう。繰り出されるギャグは原作の時代背景を知っていたほうがもちろん楽しめるのだが、頭を空っぽにして感じる部類の作品なのであまり心配はいらない。知識を詰め込んで観るよりも、「なんか面白かったから笑っちゃった」くらいのノリが求められる作品ともいえる。

この作品の魅力は、まず第一に脱帽するほどの役作りといえる。“イケメン俳優”や“2.5次元俳優”とカテゴライズされるキャスト陣が文字通り体を張って挑んでいることが、メインビジュアルから伝わるのではないだろうか。

そして、2つ目に「個性は武器である」と思わせてくれる点だ。これが、今回この作品を選んだ理由でもある。新しい環境では、なんとなく「変に思われたくないな」という考えが頭をよぎって、普通であることを頑張ってしまいがちだ。

「周りの目なんて気にしない」と言い切れるくらい強い人間ならよかったのだが、残念ながら筆者はそこまで開き直れないタイプである。そんなとき、ふと出会ったこの作品に筆者は救われたことがある。

実際行動に移すほど大胆にはなれなかったのだが(これは筆者の性格上の問題である)、「普通であるために頑張らなくていい」と思えたことで肩の荷がふっと軽くなったのだ。もし同じような悩みを抱えている人がいたら、一度この超個性が渋滞している舞台『ハイスクール!奇面組』に触れてみてほしい。

舞台『ナナマル サンバツ THE QUIZ STAGE』

最後の1本は、高校生たちの競技クイズにかける青春が独特の手法で描かれる舞台『ナナマル サンバツ THE QUIZ STAGE』だ。

進学を機にひょんなことからクイズ研究会に入会してしまった主人公が、競技クイズの世界にのめり込んでいく姿を描く作品。主演は西井幸人。

本作では、劇中でガチンコのクイズ対決が繰り広げられる。脚本なしの手に汗握るクイズ対決を味わえる珍しい作品なのだ。

原作のある舞台は、結末が分かっていることが多い。その点、この作品はまったく先が読めない要素が入っているので、他では味わえないドキドキを楽しむことができる。

その緊張感は、次になにが起こるのか分からない新生活にも通じるところがあるのではないだろうか。緊張に押しつぶされてしまうと出来ることも出来なくなってしまうが、緊張を味方にできればきっといい方向に進むだろう。

生き生きとした顔でクイズに挑んでいる登場人物たちをみていると、緊迫感のある状況も悪くないと思えてくる。プレッシャーに弱い人ほど、勇気をもらえる作品なのではないだろうか。

筆者独自の視点で新生活に観たい作品3つをお届けしたが、気になる作品はあっただろうか。新生活とひとことで言っても、状況によって感じるものはさまざまだろう。

自分のメンタルにあわせて、「こんな気分のときはこの作品」とお気に入り作品を決めておくことをおすすめしたい。その作品が、多忙な日々のなかでちょっとした心の拠り所になってくれるはずだ。

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WRITER

双海 しお
 
								双海 しお
							

アイスと舞台とアニメが好きなライター。2.5次元はいいぞ!ミュージカルはいいぞ!舞台はいいぞ!若手俳優はいいぞ!を届けていきたいと思っています。役者や作品が表現した世界を、文字で伝えていきたいと試行錯誤の日々。

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