舞台観劇を趣味にして定期的に好きな作品や役者、舞台化されたキャラクターに会いに行くと“キレイ”になる。というのが筆者の持論だ。
美醜の意味でのキレイではなく、心がデトックスされていくという意味での“キレイ”だ。今回は観劇という行為が持つ、作品を観ること以外の楽しみ方やメリットについて話してみたい。
マイ観劇スタイルをつくろう
「観劇ってなんか敷居が高い」そう感じている人にとって、悩みのひとつとなっているのが劇場ってどんな格好をして行けば良いのか? ということではないだろうか。普段観劇をしない友人を舞台に誘うと、たびたびこの質問が返ってくる。
舞台観劇に慣れてしまうとこの感覚が麻痺してくるが、はじめての舞台観劇の頃の気持ちを思い出すとたしかに「どんな感じで行ったらいいのか」がよく分からなかった。
極論を言ってしまえば「なんでもいいよ」になるのだが、それでは面白みがない。せっかく娯楽としては安くないチケット代を払って出かけるのだから、観劇スタイルもプラスαで楽しむ要素にしてしまったほうがお得じゃないだろうか。
そこで、筆者が考える3つの観劇スタイルをご紹介する。もし今、観劇に行く際に悩んでいる人は参考にしてみてほしい。
①作品の世界観を重視する観劇スタイル
「作品の世界観ってなに!? いきなり難易度が高い!」という声が聞こえてきそうな1つ目がこちら。作品の世界観を取り入れる方法だ。
ガッツリやってしまってコスプレに見えるものはもちろんNGなのでそこは注意してもらいたいのだが……。世界観といってもそう難しい話ではなく、作品のモチーフなどを取り入れるということである。
例えば、『刀剣乱舞』のミュージカルや舞台では和風モチーフの小物やアクセサリーをつけているファンが多い。一方で、『黒執事』のような耽美な雰囲気の作品では上品な装いのファンを見かける。
好きな格好をするのが一番だと思うが、作品に合わせてコーディネートを考えたりアクセサリーを探したりするのも案外面白い。とくに原作に思い入れが強い場合は、ぴったりなアイテムを探すのも楽しめるだろう。
②カラーギャングで推しキャラアピールをする観劇スタイル
カラギャンと略されることが多いカラーギャングも、2.5次元舞台を観に行くとよく目にするだろう。カラーギャングとは、推しているキャラクターの担当カラーや応援しているグループのイメージカラーを身につけることを指している。
上級者になると服やカバンはもちろん、小物やメイク、ヘアカラーまで担当カラーに揃えていたりもする。
初心者でそこまでするのは難しいが、①と同様にちょっとしたアクセサリーで取り入れるのはそう難しくない。
推しキャラクターや、推しの役者が決まっているとカラギャンをしやすい。周りのファンにも「このキャラクター(役者)のファンですよ! 応援していますよ!」というのがアピールできるというメリットもある。
アピールできるとなぜいいのかというと、2.5次元舞台のグッズ販売では近年ブラインド商品がデフォルトになっている。トレーディングができる作品なら、推しをさりげなくアピールできるので取引がスムーズになることもあるのだ。
とくにファンサがあるような作品では、カラギャンは役者へのアピールにもなるのでオススメ。もし推しキャラクターの担当カラーと自分の好きな色が一致することがあれば、気軽な気持ちでカラギャンをしてみてはどうだろうか。
③推しのおたくとしてどう見られたいかを考える観劇スタイル
最後に紹介するのは具体的な服装のアイディアというより、ファンはどうして服装に悩んだりするのか、という点に焦点を当ててみた。
こういう服装で観劇しなくてはならない、という決まりはない。最低限のエチケットを守っていればなんでもいいのだが、じゃあなぜ悩む観劇女子が多いのか。
それは推しのおたくの名に恥じない身なりをしたいと思うからではないだろうか。推しキャラクターや推している役者のファンとして、胸を張れる身なりで出かけたい。そんな思いに突き動かされて、ああでもないこうでもないと服を選んでいるファンは少なくないだろう。
推しや作品のことを考えて、観劇のために時間を割く。その行為を見かけると、筆者は「かわいい~」と思わずにいられない。観劇に夢中になっている姿はみんな“かわいくてキレイ”なのだ。
観劇は心のサプリ
観劇は心に栄養を与えてくれる。好きな作品、好きな役者が観られて、そのうえ自分の好みにぴったりハマる演出や脚本だったらさらに最高だ。日々の疲れが吹っ飛び、帰り道にはスキップをしたくなるくらい浮かれてしまう。
満足度の高い観劇の翌日、心なしか肌の調子が良くなるという経験はないだろうか? 筆者はたまに感じるのだが、気分があがったおかげなのか、最高の演劇を浴びたおかげなのか。なんとなく肌のトーンが上がるのだ。
それだけ心が満たされたという証なのだろう。心が満たされると、いつもよりイライラしないで済んだり、ちょっとした隙間時間で観劇を思い出してニヤついたり、観劇の余韻が続く。
そんなとき、ストレスが削ぎ落とされて、心が少しばかり“キレイ”になったと感じられるのではないだろうか。
観劇が一層特別な時間に
観劇をしている2時間ちょっとは、日常を忘れられる非日常だ。観劇へ向かうために服を選ぶ時間も、余韻に浸る時間も、観劇を非日常としてより楽しむための舞台装置のひとつなのだ。
上演時間以外の時間も含めて楽しめれば、観劇が一層特別な時間に感じられるのではないだろうか。
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