MANKAI STAGE『A3!』(通称「エーステ」)入門コラムシリーズは今回がラスト。春組・夏組・秋組・冬組と各組の特徴や魅力を解説してきたが、ラストを飾るのはMANKAIカンパニーを裏で支える“裏方組”や、ストーリーに深みをもたらす劇団員の関係者たちだ。
劇団の屋台骨“裏方組”! 舞台版でも欠かせないその存在感
MANKAIカンパニーの劇団員、そして監督をいつも支えてくれているのが“裏方組”の3人。素人も多く集まるカンパニーの演技指導を担う鹿島雄三(演:滝口幸広)に、劇場支配人の松川伊助(演:田口 涼)、そして古市左京の舎弟で彼を「アニキ!」と慕う迫田ケン(演:田内季宇)の3人だ。
序盤のストーリーは、組ごとにオーディションを経て結成、そして旗揚げ公演へ……という流れで描かれていく。そのままではともすると単調になりがちな展開に、3人はその演技でスパイスを与えていくのだ。
まずはこのMANKAIカンパニーを語るうえで欠かせない3人について、同役を演じるキャストの魅力も絡めながら紹介していきたい。
■鹿島雄三役 滝口幸広
皆さんこんにちは!鹿島雄三役の滝口幸広です。今回『A3!』に出演できることが本当に楽しみです。(滝口さんコメント1/3)#エーステ pic.twitter.com/KxrVK2W3rz— MANKAI STAGE『A3!』 (@mankai_stage) March 29, 2018
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演技で悩んでいる劇団員に忌憚のない意見をぶつけ、彼らのやる気や眠っている才能を引き出す鹿島雄三は熱血系指導者。鬼コーチともいわれる人物である。もともと初代春組の劇団員としてカンパニーに身をおいていた過去がある。
演じた滝口自身も真っ直ぐな熱血系俳優であり、その芝居・カンパニーへの真っ直ぐな姿勢はいつも彼の演技からにじみ出ていた。
2.5次元舞台流行の第一線で長年活躍してきた彼だからこそ、後進の俳優たちに掛けられる言葉はきっとたくさんあったのだろう。
そうやって稽古段階から築いてきた信頼関係は、厳しい言葉でダメ出しされてもその指導に喰らいついていこうという劇中での関係性に説得力を持たせていた。
残念ながら滝口が演じる鹿島雄三に劇場で会うことはもう叶わないが、彼が劇団員たちに伝えてきた演劇への熱意は、これからもMANKAIカンパニーのなかに息づいていくことだろう。
■松川伊助役 田口 涼
松川伊助役の田口 涼です。支配人として、誰よりもキャストみんなを愛して一緒にがんばっていきたいと思っています。(田口さんコメント1/3)#エーステ pic.twitter.com/XwNhH25XyJ— MANKAI STAGE『A3!』 (@mankai_stage) March 29, 2018
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次に、ツギハギのスーツを身にまとっているMANKAI劇場の支配人松川伊助。彼は、なんとしてもカンパニーを守ろうと思いながらも、劇場の借金を膨らませてしまった張本人。
大人としては、特に金銭面であまり頼りにならない人物だが、個性豊かな劇団員たちを持ち前のふわっとした柔らかな愛情で包み込んでいる。
演じる田口の面倒見のいい性格もあるのだろうが、MANKAIカンパニーに流れる明るい気さくな空気を生み出す一助となっていることは間違いない。
田口が本来持つ端正な王子様ルックを封印、ボサッとしたさえないお兄さんを演じてみせるのだから、役者のすごさを実感するキャラクターともいえる。
■迫田ケン役 田内季宇
はじめまして!迫田ケン役の田内季宇です!この度『A3!』初の舞台化という瞬間に立ち会う機会をいただけたこと、大変光栄です!たくさんの方の熱い思いがつまっているこの作品、MANKAI STAGE『A3!』。(田内さんコメント1/3)#エーステ pic.twitter.com/Mv1pRWtl4A— MANKAI STAGE『A3!』 (@mankai_stage) April 5, 2018
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そして、日常パートのコミカルなシーンに欠かせないのがもう1人の“裏方組”の迫田ケンだ。
古市左京の舎弟として寮にも出入りしている彼は、台風のようなパワーでトラブルや騒がしさをカンパニー内に持ち込み、にぎやかに去っていく。憎めないトラブルメーカーだ。
一度彼の「アーニーキー!」を聞いてしまうと、彼の登場がない公演はどこか物足りなく感じてしまうかもしれない。それほどインパクトのあるキャラクターである。
そして彼の見どころはなんといってもアニキへの揺るぎない愛。随所に登場するアニキへの愛あふれる言動にはぜひ注目してもらいたい。
圧倒的な優雅さ! ライバルGOD座の存在
MANKAIカンパニーが活動する天鵞絨町において、人気劇団として名を馳せているのがGOD座である。
■飛鳥晴翔役 伊崎龍次郎さん
MANKAI STAGE『A3!』に出演できることになりすごく嬉しいです。僕自身が大好きな演劇への愛とリスペクトがたくさん詰まった作品に、晴翔君と一緒にどう関わっていくのか、考えるだけでワクワクが止まらないです。(伊崎さんコメント1/2)#エーステ pic.twitter.com/hPC6GnYLEn— MANKAI STAGE『A3!』 (@mankai_stage) November 7, 2018
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そこに所属している現NO.1の役者が飛鳥晴翔(演:伊崎龍次郎)だ。
またGOD座の主宰兼演出家を務める人物が神木坂レニ(演:河合龍之介)である。
■神木坂レニ役 河合龍之介さん
新境地であります!と同時に本作の世界観はかつて自分が育った場所と重なります。今はその時より少し先輩になり色々な経験もしてきました(笑)。本作ではそんな僕なりの異なるエッセンスや視点が加えられたら最高です。(河合さんコメント1/2)#エーステ pic.twitter.com/ZFmlzIX8zO— MANKAI STAGE『A3!』 (@mankai_stage) November 7, 2018
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冬組に所属する高遠 丞がもともとGOD座のトップ俳優だった縁もあり、冬組のストーリーに大きく関わってくるのがこの2人だ。
2人が初登場となったMANKAI STAGE『A3!』~AUTUMN & WINTER 2019~では、GOD座と冬組の劇団の将来を賭けた「タイマンACT」という演劇勝負が繰り広げられる。
劇中劇としてGOD座の「ルシファー」も上演されるというファン歓喜の憎い演出もあった。原作ではテキストのみで表現された公演が、目の前で時間は短くとも演劇として繰り広げられる。そのなんともいえない高揚感が味わえる。
GOD座の芝居が表現されたことで、その対比によってMANKAIカンパニーの公演の“色”というものも、より鮮やかに浮かび上がってきたのが印象的だ。
GOD座のキャストは2人しかいないが、彼らは彼らなりに“自分たちの演劇”を追求しようと様々な手段を使う。
その貪欲な姿勢で、演劇というものの奥深さを感じさせてくれるのだ。
舞台化によって魅力が肉付けされるキャラクターたち。彼らが新たな扉を開いてくれる
この度、
MANKAI STAGE『A3!』~SPRING 2019~
にて、水野茅 役で出演させていただくことになりました!!
綴くんを、そしてMANKAIカンパニーを支える存在になれるよう、精一杯演じさせていただきます!
よろしくお願いいたします😊✨#A3#エースリー#エーステ pic.twitter.com/j6saWoLQGr
— 笹森裕貴 (@0621Hiro0621) February 11, 2019
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エピソードに欠かせないキャラクターたちをカットすることなくしっかり登場させてくれるのも、「エーステ」シリーズがファンに愛されている理由のひとつだろう。
MANKAI STAGE『A3!』~SPRING 2019~には、春組第3回公演「ぜんまい仕掛けのココロ」のイベントストーリーに登場する皆木 綴の古い友人・水野 茅(演:笹森裕貴)が登場する。
MANKAI STAGE『A3!』~SUMMER 2019~には、斑鳩三角の弟の斑鳩 円(演:宇佐卓真)、MANKAI STAGE『A3!』~AUTUMN 2020~には伏見 臣の暴走族時代の後輩・新庄 リョウ(演:里中将道)がそれぞれキーパーソンとしてストーリーを盛り上げる。
俳優陣は、原作での出番の量に関わらず、そのキャラクターの限られた情報でしっかりと掘り下げて役作りをしている。
舞台版を観て、これらのキャラクターの新たな魅力に気づくこともあるはずだ。
そして、メインの劇団員以外にもこんなおいしいキャラクターがいるのか……と頭を抱える頃には、「エーステ」の魅力に頭の先まで浸かっているだろう。
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