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「スタミュミュ」は、原作アニメをミュージカル舞台化した最適解の作品

2.5次元ミュージカルというジャンルに入る作品はいくつもある。

そのなかでも、原作との親和性がとくに高い作品として「スタミュミュ」が挙げられるだろう。

アニメ「スタミュ」を原作とした「スタミュミュ」の魅力を今回は紹介したい。

まずは原作を知ろう! 「スタミュ」は原作がすでにミュージカル

「スタミュミュ」の原作はアニメ「スタミュ」である。

綾薙学園という芸能専門学校に入学した主人公・星谷悠太が、仲間と切磋琢磨しながらミュージカルスターを目指すストーリーだ。

アニメでは最初に、主人公が目指すミュージカル学科を率いるエリートな先輩たちーー華桜会の面々が登場し、高らかに「我ら、綾薙学園華桜会」を歌い上げた。

普通のアニメだと思って観ていた視聴者は、突然の歌とダンスにざわつく第1ポイントである。

しかし、このアニメは「スタミュ」である。「スタミュ」の「ミュ」はミュージカルの「ミュ」だ。

突然歌って踊りだしてこそなのである。

この作品は、劇中で主人公たちがミュージカルスターを目指す過程を、ミュージカルアニメとして描き出すという今までにない作風なのだ。

アニメでは毎話、キャラクターたちのソロ曲やユニット曲が続々とお披露目されていった。

楽曲ごとに専任スタッフが手掛けたという、MVさながらの映像や手描きのダンスは、各キャラクターの性格や関係性を見事に描き出しており、魅力的なシーンだ。

そしてなにより、楽曲が良い。楽曲が良いのである。

「スタミュ」に興味は薄くとも、青春特有の悩みやきらめきを乗せた楽曲はきっと刺さるだろう。

ミュージカルアニメとして音楽に相当なこだわりを持っていることが感じられる楽曲を、まずは手始めに聴いてみてほしい。

ミュージカル作品だからリアルミュージカル化が映える!

ミュージカル化した際に聞かれるネガティブな意見のひとつに、「キャラクターたちが脈絡もなく歌ったり踊ったりするのが違和感」というものがあるだろう。

しかし、「スタミュミュ」ではこの違和感がまったくない。

違和感がないどころか、これぞ“ミュージカル化の最適解”と思うくらい、ピッタリと作風と演出がハマって感じられる作品なのだ。

なぜなら原作アニメが前述したようにミュージカル作品だからである。

ミュージカル作品を原作にミュージカル化した作品以上に、ミュージカル化が似合う作品があるだろうか。

「スタミュミュ」だけを観てももちろん面白い。

面白いのだが、アニメを観てから観劇すると、より「この作品をミュージカル化してくれてありがとう……」と、誰に向けてかよく分からない感謝の念がふつふつとこみ上げてくるという体験ができるかもしれない。

キャストの歌唱力&ダンスのレベルが高い!

最近はどの作品を観ても、毎回「クオリティが高い……!」と感動している筆者だが、「スタミュミュ」も漏れなくクオリティが高い作品に数えられるだろう。

劇中には、チーム鳳やチーム柊、華桜会といった数人ごとのまとまったチームが登場する。

いずれのチームにも、歌唱力で核となるキャスト、ダンスで核となるキャストが揃っているのだ。

たとえば、主人公の星谷にとって特別な存在で華桜会のひとりにしてチーム鳳のリーダー・鳳樹役の丘山晴己。

もともとアメリカで活動していた彼の歌唱力とダンスは圧巻である。

鳳樹のカリスマ性も、彼の演技だったからこそ説得力が出ていた。

また、初演・2作目ではアニメで月皇海斗役を演じたランズベリー・アーサーが、同役でミュージカルに出演。

アニメと同じ声がステージでも聴けるという感動を味わうことができるだろう。

スタミュとスタミュミュで補い合うエピソードがエモい!

「スタミュミュ」1・2作目は、基本的にアニメのエピソードをぎゅっと凝縮した形で上演している。

十数話で描かれたエピソードをまとめているので、多少の駆け足感はあるが、原作エピソードを活かしつつ舞台ならではの演出にきれいに落とし込んでいた。

舞台だからこそ映えるシーンでは、アニメよりも丁寧な描写があり、キャラクターたちがそこにいる“リアル”を感じさせる。

また、スポットライトが当たっていないキャラクターたちもステージの上にいるときは常にそのキャラクターとして動いている。

アニメではわざわざ描かれていない些細なキャラクター同士のやりとりや、日常。

アニメを観ているときは「きっとこんな感じかな」と妄想するしかなかった部分が、生身の役者で再現されるのは、やはり舞台化・ミュージカル化ならではの面白さだ。

ときには、客席に降りてきてファンとやり取りをするシーンもある。

「スタミュミュ」を観てからまたアニメを視聴してみると、今まで気が付かなかったキャラクターの新たな魅力や隠された感情に気がつくことができる。

原作とミュージカル作品、双方ともに密接につながっている点も、この作品の魅力といえるだろう。

2.5次元ミュージカル初心者にも優しいスタミュミュ

気になってるけどまた観たことがない、名前は聞いたことがあるけどよく分からないから手を出しづらい……そんなスタミュミュ初心者に、作品の魅力は少しでも届いただろうか。

原作の楽曲が良曲揃いであることを熱弁したが、実はミュージカルオリジナル楽曲も用意されているのだ。

こちらもまたいい曲なので、彼らの“ショウ・タイム”をぜひ一度は劇場で体験してみてほしい。

WRITTER

双海 しお
 
								双海 しお
							

アイスと舞台とアニメが好きなライター。2.5次元はいいぞ!ミュージカルはいいぞ!舞台はいいぞ!若手俳優はいいぞ!を届けていきたいと思っています。役者や作品が表現した世界を、文字で伝えていきたいと試行錯誤の日々。

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