2.5次元作品というジャンルをどう考え、どう捉えるか。それは俳優本人のキャリアプランや事務所の方向性など、複雑な要素が絡まっているため、一概にどうとは決められないことだと思う。
しかし、2.5次元作品で魅せてくれた俳優が、2.5次元作品も原作モノではないオリジナル舞台・ミュージカルでも活躍してくれたら、嬉しいと思うファンは多いだろう。
今回は、そんな俳優のひとり、8月23日に誕生日を迎える中河内雅貴をピックアップ。
ジャンルを股にかけ活躍している彼の魅力を、Twitter上で実施したファンアンケート結果を交えながらお伝えする。
※いただいたコメントについては文意を損なわない範囲で一部省略、誤字等の編集をしております。
もくじ
仁王雅治役/ミュージカル『テニスの王子様』
ディープナイトありがとうこざいました!
まだ話したかった!と言うのが本音。
大ちゃんは不思議な魅力の持ち主(^^)そろそろ来年あたり、
仁王雅治会やらなきゃ!! pic.twitter.com/DHqerT97m7— 中河内雅貴 (@aminoMASAvital) December 9, 2018
今回、「中河内雅貴の演じたキャラクターで1番好きな役」として最もコメントが多かったのが、テニミュの仁王雅治役であった。
推しをこんなにかっこよく演じてくれる人はいないと思いました。全国立海のイリュージョンはダンスも歌もすごくかっこよかったです。
初見で度肝をぬかれました。ダンスや演技に魅了させられました。
漫画やアニメでみるキャラクターとしての魅力と、中河内さんらしさが合間ってより魅力的なキャラクターになっていたから
原作でも掴み所がないキャラクターの仁王雅治。「~プリッ」「~ぜよ」など、特徴的な言い回しをするクセのあるキャラクターである。
クセがあるキャラクターというのは、ただでさえ舞台化する際のハードルが高い。
しかも、テニミュ1stシーズンであればなおさら、2.5次元の仁王雅治に対してファンの目は厳しかっただろう。
しかし、彼の仁王雅治はアンケートに寄せられている意見のように、多くのファンのハートをわしづかみにしている。
コメントにもあるように、ダンスに魅せられたファンが非常に多いのが印象的だ。
身体の表現でファンを魅了できるというのは、(筆者はダンス経験がないので憶測ではあるが)それだけ高い技術を持っているからできることなのだろう。
2.5次元作品では、「ダンスがうまい」がそのまま「キャラクターっぽい」とイコールになるわけではない。
魅せるダンスに加えて、「このキャラクターならこういう動きをしそう」という想像の部分を見事に表現したことが、上演から10年以上経っても彼の仁王雅治が愛されている理由なのだろう。
風間千景役/ミュージカル『薄桜鬼』
ミュージカル薄桜鬼、今日も2公演無事に終わりました。
明治座での公演もあと2日、4回!!
みんなで頑張りたいと思います。
俺達の新たな志譚!!
明日も風間千景を生きます。 pic.twitter.com/sYxPt9gfzo
— 中河内雅貴 (@aminoMASAvital) April 29, 2018
掴みどころがない仁王雅治から一転、ミュージカル『薄桜鬼』シリーズの風間千景役も多くの票を集めた。
内なる炎を静かに燃やし、ときに冷酷に、ときに情熱的に愛を追い求める姿が印象的な役どころだ。
作品を観た時に取り巻く雰囲気や空気感が風間千景そのもので圧倒された。
ヤンキーな役柄が多い中で、感情を抑えた演技と時として自分本位に感情を爆発させる演技の緩急が良かったから。
一番最近で印象深かった。歌、演技、ダンスの最高級レベルを見せてもらった
“動”の表現で魅せた仁王雅治役とはまたひと味もふた味も違い、風間千景役は“静”なる表現に深みがあった。
寄せられたコメントからも、その佇まいから感じる静かで熱い熱量に心惹かれたことがうかがえる。
比較的最近の作品である薄ミュでは、座組の中でも年上組に入る中河内。
2.5次元作品・ストレートプレイ・ミュージカルと多数のジャンルの作品に出演し続けている彼の演技や殺陣・歌唱は、きっと共演した後輩たちにとっても大きな財産となったのではないだろうか。
他の舞台ジャンルでも活躍しつつ、並行してコンスタントに2.5次元作品に出演してくれる俳優はそう多くない。
少し大げさな話かもしれないが、彼のような存在が2.5次元作品や出演する俳優たちにもたらす影響はとても大きいのではないか、と筆者は思っている。
だからこそ、今後も数年に1度でいいから2.5次元作品のキャスティングのなかに彼の名前を見たいと思ってしまう。
アラン・ハンフリーズ役/ミュージカル『黒執事』The Most Beautiful DEATH in The World 千の魂と堕ちた死神
植たく!!2月の映画の撮影の時から、この黒執事の共演を楽しみにしてて大成功に終わって良かったよね(^^)お前の黒執事愛は芝居でビンビン伝わって来たよ!!植たく、ありがとう♪また共演しよう!! pic.twitter.com/tW0CyRV9ce
— 中河内雅貴 (@aminoMASAvital) June 10, 2013
2.5次元作品に絞ると、ほかに複数のコメントが寄せられたのはアラン・ハンフリーズ役だ。
このアラン・ハンフリーズは、舞台のために用意されたオリジナルキャラクター。
『黒執事』という確立した世界観の作品のなかでキーパーソンとして生まれた役どころだ。
テニミュを観て気になったあと、ミュージカル黒執事のアラン役を演じていたのを観てファンになりました。私の中の思い出深いキャラクターです。
普段は熱く厳つく尖った役が多い彼にしては珍しくその要素がないのでとても印象に残っていて好きです。
彼をテニミュで知って、その後この作品を観たことが推すきっかけになったというエピソードがとても印象的だ。
1作品を観て気になった後、別の作品を観ることで「ああ、好きだなあ」「応援したいなあ」と改めて実感する……。
という体験をしたことがある読者も多いだろう。
コメントにもあるように、アラン役がそれまでのイメージと違う役どころだったことで、ファンにとってもいい意味で裏切られる作品だったことがうかがえる。
マーク役/ALTER BOYZ
アルターボーイズチームレガシー(^^)
本日も良い公演でした!!
ありがとうございました(^^) pic.twitter.com/JEkhNXrSWE
— 中河内雅貴 (@aminoMASAvital) February 7, 2017
2.5次元作品以外では、圧倒的にコメントが集中したのが『ALTER BOYZ』のマーク役。
作品自体が好きで、再演の度に新しいマークが観れて楽しい。
初演からずっと同じ役を演じて、演じるごとにスキルアップし、役の深みも増して、見ていてとても楽しかったから。最後の日、あんなに泣いているのも初めて見ました。
役者として幅を大きく広げた役だからです
俳優としてのひとつの転機となる作品、と位置づけているファンが多いのが印象的だ。
オフ・ブロードウェイ作品として世界中で愛されている作品とあって、作品・楽曲自体の良さは折り紙付きである。
再演の度にスキルアップしていく姿を観られる点も、ファンに支持されている要因のひとつなのだろう。
ミュージカル作品が好き、という人なら1度は観ておいて損がない名作である。
もし、まだ触れたことがないという読者がいれば、この記事をきっかけにぜひ観てみてほしい。
筆者もイチオシの作品だ。
ジャンルの壁を飛び越え、貪欲に役をつきつめる表現者・中河内雅貴
2.5次元作品の世界に“ベテラン”の風を吹かせてくれる俳優のひとり、中河内雅貴の魅力をファンの声とともにお届けした。
積み重ねてきた経験と技術に魅了される、という体験を味わってみたい読者は、ぜひ彼の演技に触れてみてほしい。
今回のアンケートで書かれていた彼の表現者としての魅力を、肌で感じることができるはずだ。
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