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2017年に初めて上演された舞台「劇団シャイニング」が“再演”である理由

2.5次元舞台作品といえば、一般的には2次元の原作(マンガやアニメ等)があって、それを舞台化したものである。

しかし、様々な作品が舞台化・ミュージカル化されるなか、この“2.5次元”というくくりではうまく説明できない作品も出てきている。

今回はそんなシリーズのひとつ、「うたの☆プリンスさまっ♪」から生まれた舞台「劇団シャイニング」について解説したい。

「うたプリ」はなんとなく知っているけど、それ以上はよくわからない。だけど舞台はちょっと気になっている……。

そんな「うたプリ」ビギナーに読んでもらえたらと思う。

「劇団シャイニング」はもともと存在していた

「うたの☆プリンスさまっ♪」(通称「うたプリ」)についてそう詳しくない人に説明するとき、話をややこしくしているのが「劇団シャイニング」という名称だ。

舞台化シリーズも「劇団シャイニング」という名称でシリーズ化されているが、これは舞台化にあたって生まれた名称ではない。

もともと原作のゲームである「うたプリ」内で展開されたプロジェクトのひとつに「劇団シャイニング」があったのだ。

ここからは便宜上、原作内でのプロジェクトを「劇団シャイニング(原作)」、舞台版を「劇団シャイニング(舞台)」と表記していく。

「劇団シャイニング(原作)」は、「うたプリ」のアイドルたちが3作の舞台に挑戦するというプロジェクトで、2013~2014年にかけて舞台の主題歌とストーリーが収録されたドラマCDとして展開された。

この3作が『天下無敵の忍び道』『マスカレイドミラージュ』『JOKER TRAP』である。

これらを演じたのは、「うたプリ」に登場するシャイニング事務所所属のアイドル達である。

一方で、2017年以降に「劇団シャイニング(舞台)」として上演された3作品に出演したのは、「うたプリ」のアイドル達ではなく、“2代目キャスト”たちとなる。

「劇団シャイニング(原作)」が初演、「劇団シャイニング(舞台)」がキャスト・スタッフを一新した再演版、だと思ってもらうと分かりやすいだろう。

初代キャスト&2代目キャストが存在する

2つの「劇団シャイニング」は、初演と再演の関係性になるので、劇中に登場するキャラクターは継承されている。

例えば、舞台化1作目となった『天下無敵の忍び道』に登場した“音也衛門”というキャラクターで説明してみよう。

「劇団シャイニング(原作)」では、「うたプリ」のアイドル・一十木音也が音也衛門役を演じた。要は一十木音也が初代キャストとなる。

そして「劇団シャイニング(舞台)」では、2代目の音也衛門役を小澤廉が演じた。

小澤廉は音也衛門役であって、一十木音也役ではないのである。

ここが他の2.5次元作品と異なっており、「うたプリ」に詳しくない人が混乱してしまうポイントだろう。

一般的な2.5次元舞台だと、“一十木音也役=小澤廉”と解釈するところだが、「うたプリ」は2代目キャストによる舞台再演という形をとっている。

ここの解釈を間違えてしまうと、身近な「うたプリ」ファンとの間に亀裂が入ってしまうかもしれないので、注意をしたいところだ。

「シアターシャイニング」って一体なに?

ここまでで2つの「劇団シャイニング」と、キャストの位置づけは理解してもらえただろうか?

さらに現在は、「シアターシャイニング」シリーズが随時上演されている。

これは、「劇団シャイニング(舞台)」のキャスト陣による、「シアターシャイニング」の舞台化である。

書いていてもややこしい! と混乱してくるのだが、「シアターシャイニング」ももともと原作側で展開されたプロジェクトのひとつ。

アイドル達が4本の映画に出演するというプロジェクトで、やはり主題歌とストーリーがドラマCD化された。

これの舞台化シリーズが、「劇団シャイニング(舞台)」による「シアターシャイニング」シリーズである。

この場合は、「シアターシャイニング(原作)」と「シアターシャイニング(舞台)」で、それぞれ映画版キャスト・舞台版キャストのような違いがあると考えてもらうと分かりやすいだろう。

原作ファンの気持ちを大切にした絶妙な設定

正直、こうやって説明するととても回りくどい設定に感じられるかもしれない。

しかし、“「うたプリ」のアイドルたちが実在する”という価値観と、“「うたプリ」発の舞台化作品を上演する”というリアルを、平和に両立させようとした結果なのである。

2.5次元作品には、どうしても舞台化反対派と舞台化容認派が生まれてしまう。

単純に“舞台化”とした場合、舞台化してほしくないという人たちの心を置いてけぼりにしてしまう可能性がある。

そこをうまくフォローしながら、かつ舞台化というメディアミックスを展開する巧妙な設定だといえるだろう。

作品にはたくさんのファンがいて、それぞれに作品への想いや価値観がある。

今後も次々と2.5次元作品が誕生するだろう。

その際も、作品のファンやキャラクターへの愛の在り方に寄り添った、新しい舞台化の形も生まれてくるのかもしれない。

WRITTER

双海 しお
 
								双海 しお
							

アイスと舞台とアニメが好きなライター。2.5次元はいいぞ!ミュージカルはいいぞ!舞台はいいぞ!若手俳優はいいぞ!を届けていきたいと思っています。役者や作品が表現した世界を、文字で伝えていきたいと試行錯誤の日々。

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