Twitter上で実施した『「実在した!」と感じた2.5次元キャラアンケート』の回答を紹介するコラムもついに最終回。今回はとにかく熱いコメントをもらったキャラクターとコメントを筆者がチョイスした。
※いただいたコメントについては文意を損なわない範囲で一部省略、誤字等の編集をしております。
死柄木弔(「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage)
2019年に上演された「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage(ヒロステ)のキャラクター死柄木弔(演:雷太)には、今回のアンケートで最長のコメントをいただいた。
1500字を超えるコメントのため全てを紹介することができないものの、その一部を抜粋してお届けする。
いよいよ!初日です! pic.twitter.com/ukDnHJvv3B
— 雷太/RAITA (@Raitterbird) April 12, 2019
【一幕のラスト「コンティニューだ」の台詞】と
【カーテンコールでひとり”ヴィラン”であり”死柄木”であり続けていたこと】彼の声の出し方、立ち姿、演技が”こどもおとな”で不安定ながらもこの社会を崩壊するべく動く死柄木弔を存在させ、また雷太さんにしかできない身体表現・ダンスによる表現が舞台の(生身のキャラクター)で唯一のヴィランであった死柄木弔の不気味さをひどく助長し、無二の存在として浮き立たせており、”舞台でしか表現し得ない””雷太さんにしか表現し得ない”存在でありながら、それがキャラクターとしても”圧倒的死柄木弔”でした。
(一幕のラスト「コンティニューだ」の台詞について)
原作をそのまま切り取っているようであり、オールマイトと死柄木弔という正義とヴィランの対比が立ち位置の構成により表現されていたり、漫画やアニメでいう”コマの外”を表現する他キャストにより、圧倒的”原作的リアル”と”舞台的エンターテイメント”が入り混じったシーンであり、彼が生きている世界を丸ごと感じた。(カーテンコールについて)
ヒーローが主役の舞台であるからして、もちろんヒーローにフューチャーしたエンディングとなっている。
そんな中で死柄木はどうしているのかというと、ヒーローの合言葉「Plus Ultra !! 」は叫ばず後ろを向いたり、客降りの際には舞台後方でぼうっとしたり。カーテンコールはだるそうに出てきたりヒーローたちの挨拶を聞かずに暇を潰していたり、かったるそうに礼をしたり、早くはけようしたりと、まさしく死柄木が生きていたらやりそうなことをされていた。雷太さんが3次元に死柄木弔を生かさせてくれたと感じた。
キャラクターを”生かす”のは、キャストが”再現する”からではなく”演じる”からこそできることなのではないでしょうか。戯曲や脚本を読み解き、学び、理解し、演出家と相談し、稽古で立体化し、その役として舞台上で生きるのが”俳優”。
それは戯曲・脚本が”2次元の作品”となってもなんら変わらぬ同じことであり、キャスト自身が思考的・身体的に役や世界を消化し、キャストを通して演じる。そのプロセスを踏むからこそ彼が息をするならこうである、というコマの外を含む原作の世界が舞台上に表現される。2.5次元の作品であろうとそうでなかろうと、俳優さんはその”役”を生きるお仕事。それが我々受け手が”生きている”と感じることになっているのだと思います。
笠原尚紀/直江信綱(舞台『炎の蜃気楼』昭和編)
小説『炎の蜃気楼』昭和編を舞台化した本作で笠原尚紀/直江信綱を演じた荒牧慶彦に対してのコメントを紹介する。
ブログを更新しました☆
「ミラステ 夜叉衆ブギウギ 七日目 」https://t.co/pRGWnLVa24本日24時に
俺にとってとても大事なお知らせがありますヽ(・∀・)ノ☆
楽しみにお待ちください! pic.twitter.com/y4HBHxdRjL— 荒牧慶彦 (@ara_mackey) October 27, 2016
「夜叉衆ブギウギ」(シリーズ3作目)の中の舞台オリジナル書き下ろし「やどかりボレロ」の冒頭シーン
原作者の新作を活字ではなく目と空気で味わうという、中々に無い体験だったのですが、この裁判シーンの彼(荒牧)の演技が本当に素晴らしかった。
(該当部分はちょうど画面切り替えでDVDに収録されていないのですが)「こ、この表情、この感情、私たちは知っている…!」と鳥肌立ったのを覚えています。普段キラキラした2.5次元舞台に多く出演する彼が悩みぬいて掴んだ、粘度と湿度のある泥臭い演技は一見の価値あります。
原作者が舞台のために脚本を書き下ろしたシーンということで、初めて観客が体験する物語・シーンであるにも関わらず、そのキャラクターを強く感じたというのが印象的なコメントだ。
また、4作目までを演じた荒牧、5作目に出演した平牧仁の両方へのコメントもいただいた。
尚紀、というより、直江の狂気が本当に出ていた。苦しんで苦しんで作り上げたキャラだったので、観てるこちら側も本当に直江がいる、と思えた
土方歳三(ミュージカル『刀剣乱舞』結びの響、始まりの音)
ミュージカル『刀剣乱舞』に登場する土方歳三(演:高木トモユキ)への熱い想いを綴った回答をいただいた。
【公式HP】新作公演のサブタイトル・追加キャストが解禁!サブタイトルは“〜幕末天狼傳〜”(ばくまつてんろうでん)、また追加キャストとして近藤 勇役 郷本直也、土方歳三役 高木トモユキ、沖田総司役 栩原楽人の出演も決定致しました! pic.twitter.com/3JL9ERyvL5
— ミュージカル『刀剣乱舞』公式 (@musical_touken) August 2, 2016
最後に「それも生き方だ」と和泉守兼定の頭を抱いたところ。
榎本武揚との掛け合いのシーン。
元々史実寄りの土方歳三が好きでとうらぶを知った。刀ミュで理想に描いていた土方さんに出会えるとは全く思いもせずびっくりして、そして嬉しかった。
かっこいいけどちょっぴりかっこ悪いところもあり、茶目っ気があって庶民的で怖いところも優しいところもあるとても人間味のある土方歳三でした。メインキャラではないし原作ゲームにはないキャラなのでアンケートの意図に反しているかもですが、こんな素敵な土方歳三が三次元に生まれたことがとてもうれしくてうれしくて、感謝で涙が出ました。
そして衣装。陣羽織にざんばら髪のオールバックの場面があって、すごく珍しいというか、でもそうそうそうなんだよ、その姿なんだ!
きっと一生忘れられないであろう土方歳三でした。
歴史上の人物は様々な描かれ方をする。その中で、きっと「こんな人だったのだろう」と考えていた人物像に出会えるというは素敵な体験だろう。それが伝わる回答だった。
舞台の上であなたの推しキャラはきっと生きている
自分の好きなキャラクターが舞台の上で生きて、実在しているように感じることは、2.5次元舞台の醍醐味の1つだと筆者は思っている。そのキャラクターをキャスト・スタッフが大切に作り上げ、舞台の上でそのキャラクターとして生きていてくれたからこそ、生まれる感動だからだ。
今回は2日間で1000件を超える回答をいただいた。思い入れのあるキャラクター、コメントを全て紹介できず、心苦しい限りである。コメントを読みながら「わかる」と思わず頷いたり、「見てみたい」とDVDや配信の情報を調べてみたりした。この記事をお読みの方にも同じように感じていただければ幸いだ。
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