コラム

快進撃が止まらない納谷健の魅力とは? 泥臭さを秘め、笑顔振りまく実力者

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2.5次元に出演する俳優のなかには、ときに彗星のごとく現れ、一気にスターダムを駆け上がっていくタイプがいる。

今回、8月7日が誕生日ということでピックアップする俳優・納谷健も、そんな綺羅星のような俳優のひとりに数えられるかもしれない。

しかし、その裏に感じられる泥臭さ、熱さこそが彼の持ち味ではないかと思う。

彼の代表作とともに、多くのファンを魅了する彼の“引力”について語ってみたい。

「刀ステ」でつかんだ花開くきっかけ

納谷健を語るうえで欠かせないのいは、やはり舞台「刀剣乱舞」だろう。

多くの2.5次元ファンは、彼の存在を「刀ステ」で知ったのではないだろうか。

納谷健は本作に短刀の刀剣男士、小夜左文字役として出演した。

納谷は、刀ステシリーズの1作目「舞台 刀剣乱舞〜虚伝 燃ゆる本能寺〜」(2016年)から出演している。

当時、「刀剣乱舞」のストレートプレイ版が上演されるとあって、界隈は刀ステの上演決定におおいに盛り上がっていた。

解禁されたキャストには、鈴木拡樹や荒牧慶彦、和田雅成、染谷俊之、北村諒……と、すでに舞台で活躍している俳優の名前が並んだ。

そこに並ぶ「納谷健」の名前に、見覚えのない人も多かっただろう。

しかし、その逆風ともいえる状況を跳ね返したのは、ほかでもない納谷健自身の実力であった。

まずはキャラクタービジュアルの再現度の高さで期待値はうなぎのぼりに。

さらに、幕が開けてからはその演技力と身体能力の高さで、劇場の審神者を魅了した。

彼はもともと表舞台に立つことを夢見て、小学生の頃からオーディションなどを受けてきた経歴の持ち主。

高校やその後の専門学校でも演劇を学び、虎視眈々と華々しいステージに立つ日を狙っていたのだ。

なかなかオーディションにも受からなかったという納谷だが、それまでの数年間が一気に花開いたのが2016年といえるだろう。

2015年に実施されたオーディションをきっかけに劇団Patchの4期生となった。

そして同劇団で本格的に活動する前に、刀ステへの出演が決定。

一気に劇団Patch期待の注目株となったのだ。

小夜左文字としての演技がイマイチなものであったなら、いくらビジュアルがよかったとしても高い評価にはつながらなかっただろう。

彗星のごとく現れた納谷だが、持たざる者はこうも眩しく輝くことはできない。

積み重ね試行錯誤してきたものが、彼の根幹にあるからこそ、彼の芝居からは大きな熱量が放たれ、多くの観客の視線を奪うことができるのだと思う。

さらなる飛躍の2018年、「七つの大罪」「DIVE!!」

2016年に役者人生が一気に花開いた納谷健にとって、次の転機が2018年だろう。

2018年、納谷にとって単独初主演となる舞台「七つの大罪 The STAGE」が決まった。

アニメもシリーズ化されている人気作の主人公・メリオダス役だ。

小さな体に圧倒的な強さと悲しさを背負い込んだキャラクターだが、表面上は非常に明るいカラッとした役どころが、彼に見事にハマっていた。

メリオダスの決して底を見せない笑顔を浮かべた姿は、とくに印象に残っている。

笑顔の奥に秘めているであろう信念は、きっと納谷自身にも通じるのだろう。

まだ観客に観せていない“武器”を隠し持っている。もっと度肝を抜いてくれるはず。

そんな期待を抱かせてくれる、堂々とした単独初主演作であった。

そしてもう1つが、「七ステ」のおよそ1ヶ月後に上演された「DIVE!!」The STAGE!!である。

この作品でも納谷は主演を担当。

世界を変えてしまうほどの力を持つメリオダスから一転、平凡な中学2年生・坂井知季へとなった。

平凡とはいったが、飛び込みに関しては大きな才能を秘めていた知季。

メリオダスの際にも触れたが、やはり彼は“なにか隠し持っていそう”と思わせる、含みのある演技に長けているのだろう。

また2作品とも納谷の身体能力がいかんなく発揮される作品であった。

前者は人間離れした動きが入ったアクション、後者は水泳の飛び込みアクション。

どんなジャンルのアクションも卒なくこなす彼のポテンシャルは、まだまだこんなものではないのだろう。

2.5次元作品では日々さまざまな演出やアクションが取り入れられている。

今後、彼のどんなアクションが観られるのか。それもファンにとってはひとつの楽しみだろう。

全国区から関西へ、劇団Patchでの活動

納谷健や近藤頌利、松井勇歩といった俳優陣の活躍で、劇団Patchの名前は全国に広がってきた。

劇団Patchの本公演では、本気のお芝居が観られることはもちろんだが、大手制作による2.5次元作品とはまた違ったアットホームな雰囲気を味わうことができる。

気心の知れた仲間同士で作り上げるステージでは、俳優同士が演技で喧嘩をしているような激しい熱意のぶつかり合いを楽しめるはずだ。

いい意味で、等身大の納谷健を垣間見ることができるのが、劇団Patchでの活動だろう。

2.5次元作品をきっかけに彼が気になったという人は、一度劇団公演にも足を運んでみてほしい。

彼に隠された、また別の顔に出会うことができるはずである。

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WRITER

双海 しお
 
								双海 しお
							

アイスと舞台とアニメが好きなライター。2.5次元はいいぞ!ミュージカルはいいぞ!舞台はいいぞ!若手俳優はいいぞ!を届けていきたいと思っています。役者や作品が表現した世界を、文字で伝えていきたいと試行錯誤の日々。

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