感動する舞台に出会うと「何度でも見たい」「この感動を一生このまま取っておきたい」と思うことはないだろうか。しかし、残念ながら舞台には必ず終わりがある。
そこで筆者は、なんとかして観劇直後の感動を残そうと試行錯誤してきた。今回はその中から筆者が考えた舞台の感動を記す方法を紹介したい。
チケットの半券どうする?
楽しい観劇の後に手元に残る物といえばチケットの半券。この半券をどうしているだろうか。筆者の周りに聞いてみると、「大事に取っておく派」と「そのまま捨てる派」に大きく分かれる結果となった。
「大事に取っておく派」のチケットの保管方法としては、クリアファイルに入れる、缶やプラスチックケースの中に入れる、ノートに貼り付けるといった方法がある。
筆者はチケットを捨てるのは勿体ないと思ってしまい、半券は大事に保管している。
最初はクリアファイルにまとめていたのだが、時系列順に整理できることから、半券をノートに貼って保存するようになった。この半券を貼るだけだったノートが、今では観劇記録ノートになっている。
観劇記録ノートで思い出を残す
はじめはチケットをノートに貼っているだけだったのだが、せっかくなのでノートの隙間に舞台の感想や見所など、どうしても残しておきたいことを書き残すようになった。
例えば「推しの登場シーンが最高だった」や「○○が尊い…」など、他人に見せることは想定していないごくごく簡単で、それゆえに観劇直後の迸った想いが綴られている。
ちなみに「ミュージカル『テニスの王子様』TEAM Live HYOTEI」の感想には「氷帝の女になった」という一言しか書いていないのだが、圧倒的な氷帝ワールドに飲み込まれた過去の自分を思い出すのは簡単だ。
観劇記録ノートの良いところは気軽さだ。ノートに半券を貼って書きたいことを書くだけなので、時間もそうかからない。タイトルや観劇日時はチケットの半券に書いてあるため、書かなくても特に問題はない。
また、ノートは自分しか見ないので、字が汚くても、文章が支離滅裂でも気にしなくていい。むしろ文字の震えや、ほとんど叫び声のような感想は、その当時の興奮をありありと思い出させてくれる。
一緒に貼ったチケットには座席番号も書いてあるので、自分が観劇した時の情景を思い出すのにも役立つ。ノートを見返せばいつでもあの時の感動が蘇るのだ。
長い感想はブログがおすすめ
観劇記録ノートは手軽さがメリットだが、長い感想を手書きで書くのは面倒だ。そこで長めの感想はブログに残すようにしている。
ブログであれば長い感想を書くのが手書きに比べると楽で、一度書いた文章の修正も簡単だ。さらに検索もできるため、後から記事を読み返したい時にも役立つ。
筆者がブログを書く時のコンセプトは、未来の自分が読んで嬉しいこと・役立つことを書くということだ。そのためには以下の5点を盛り込むと良さそうだと気づいた。
・作品タイトル
・観劇した日
・良かったところ
・もう一度見たいシーン
・日替わりシーン
ポイントは「もう一度見たいシーン」と「日替わりシーン」だ。
「もう一度見たいシーン」は次回の観劇やBlu-rayの発売後に見る際の注目ポイントになる。観劇した時のコメントを見てから「もう一度」を楽しむのは最高の体験だ。
「日替わりシーン」はその回の公演を見た人だけのお楽しみシーンともいえる。
最近はBlu-rayにすべての日替わりシーンが収録されるケースも多いが、どこにも収録されないその場限りのシーンとなることもある。その場合は、書き記した自分の感想だけが頼りだ。
ちょっとしたキーワードや感想があれば感動したシーンのことは意外とすぐに思い出せるので、シーンの詳細を事細かに書く必要はない。
気負わずに未来の自分に向けて、「ここが良かった!」「見返せるならここを見ろ!」と伝えるような気持ちで書くのがおすすめだ。
読み返せば過去の自分に完全同意!未来の自分のためになる
観劇記録は読み返すのも楽しい。筆者は年越しの節目やBlu-rayの発売後など折に触れて自分の感想を読み返している。
なにしろ自分が書いた感想なので、読み返した時に自分の感想に思いっきり同意することも多い。完全に感性の会う友人と語り合っているような感覚だ。
読み返して、自分の感想を残しておいて良かったと思う一例を紹介したい。
観劇記録ノートの「あんさんぶるスターズ! オン・ステージ〜Take your marks!」の感想に「Wish upon a Starsがミュージカルナンバーとして最高すぎる…!!」という言葉が残っていた。
「Wish upon a Stars」は劇中のオリジナルソングで、Trickstarというユニットの4人が歌っている。この曲は特別な曲だと舞台を見た筆者は感じていた。
「あんステ」において歌はライブパフォーマンスとして歌われることが多い。つまり、観客に向かって歌っているという前提で表現されるのだ。
しかし、「Wish upon a Stars」はライブの中で歌われる曲ではない。客席に向けてではなく、Trickstarのメンバー4人の感情が吐露される、まるでミュージカルで歌われる歌のようだと思った。
歌詞もメロディもとても素敵な曲なのだが、1回の観劇では歌詞を記憶することもできないし、4人の歌っている時の表情すべて視界に収めることもできない。
しかしながら、その後にでたBlu-rayやCDでは何度でもこの曲が流れるシーンを見ること・聴くことができる。そして、その度に観劇記録ノートに残した自分の言葉に何度も頷き、劇場での感動を思い出す。
今まで観劇記録をわざわざ残したことがないという人も、是非一度思い出を残してみてはいかがだろうか。
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