2.5次元作品の醍醐味のひとつは、生身の人間が作品を創り出すという点だろう。
生だからこその迫力を存分に味わえるもののひとつにアクションがある。
眼前で繰り広げられるアクションシーンは、キャスト陣の身体能力の高さを感じるとともに、その完成度が高ければ高いほど作品の満足度へとつながっていくように思う。
武器や拳に込められたキャラクターの思い、アクションを引き立てるアンサンブルの活躍、本気でぶつかり合うことで生まれる緊迫感。
そんな五感に訴えかけてくるような熱いアクションシーンが見どころの作品を、今回は3つ紹介しようと思う。
「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage
【ダイジェスト映像が、来た!】
ヒロステのダイジェスト映像が到着しました!
カッコいいヒーローたちを是非ご覧ください!https://t.co/QF52UPrl5N【ご注意】
公演映像を使用しています。ご観劇前に内容を知りたくないお客様は視聴にご注意ください。#ヒロステ— 「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stage (@heroaca_stage) 2019年4月16日
2019年「ヒロステ」旋風を筆者の中に巻き起こした、「僕のヒーローアカデミア」を原作としたこちらの作品をまず紹介したい。
「ヒロステ」では2種のアクションが登場する。
ひとつは彼らが持つ“個性”という特殊な力を使う際のアクションだ。
入学試験や学校での授業で披露されるのだが、“個性”によっては発動するだけでダイナミックな動きを要するものもある。
戦闘シーンではないものの、アクション好きなら「おっ」と目を見張るシーンが多いだろう。
さらにもうひとつは、敵であるヴィランとの戦闘シーンでのアクションだ。
こちらは一般的にアクションシーンと言われてイメージする戦闘アクションになるのだが、いかんせん彼らは超常的な“個性”を持っている。
戦闘の仕方も非常にトリッキーで、原作を知らなければ驚きの連続だろう。
原作を知っていても、ある種のマンパワーを駆使して表現される舞台的表現がとても印象的だ。
手数の多さやスピード感がすごいというよりも、歌や全員での動きでアクションにダイナミックなパワーを与えているといった感想を筆者は抱いた。
ヒーローの在り方を体現しているようなステージ全体を使ってのアクションシーンに注目してほしい作品である。
舞台『K』シリーズ
舞台『K -RETURN OF KINGS-』の、ダイジェスト映像を公開しました!(ネタバレ注意)https://t.co/2tuOaMh7oi
天王洲 銀河劇場にて絶賛上演中!~3/10(日)まで!
3/15(金)~17(日)まで大阪メルパルクホールにて上演!ぜひ劇場へ足をお運びください♪ #Kステ— 舞台『K』 (@stage_k11) 2019年3月5日
「Kステ」はアニメ「K」を原作とした舞台化シリーズ。
2014年に初演が上演され、以降スピンオフにあたる「ロスモア」こと「Lost Small World」を含め全5作品が上演されている。
「Kステ」のアクションはとにかく観ていて息苦しくなるほどハードなことが特徴として挙げられるだろう。
歴代キャストには荒牧慶彦や鈴木拡樹、植田圭輔、佐々木喜英といった面々が名を連ねている。
2.5次元作品に多数出演し、殺陣やアクションに定評のある彼らをもってしても、とても大変そうな作品、というのが筆者の印象だ。
ストーリーによってばらつきもあるが、特に本編を描く4作品はアクションの手数が多い。
テンポが0.5ズレただけですべてが崩壊してしまうような繊細に組み上げられた動きが、ピタリとハマったと感じられる瞬間は鳥肌が立ってしまう。
もうひとつ、「Kステ」には複数のクランという組織が存在している。
クランごとに戦闘スタイルや武器に特徴があり、その違いを楽しめるのもこのシリーズならではだろう。
メインキャラクターのキャスト交代も多いので、歴代キャストのアクションの癖や動き方の違いを楽しみながら観るのも面白いのではないだろうか。
「メサイア」シリーズ
メインビジュアル解禁です!!#黎明乃刻 pic.twitter.com/HLtiltkqik
— メサイアプロジェクト公式 (@messiah_project) 2019年5月14日
「メサイア・プロジェクト」として各方面でメディアミックス展開をしている同シリーズ。
2013年から2019年6月現在までに舞台だけで9タイトルが上演されている、根強い人気を誇る作品だ。
秘密裏に国家のために動くサクラと呼ばれるスパイやそのスパイの卵たちの暗躍を描いている。
ただのスパイものではなく、彼らにはそれぞれメサイアという絶対的に信じ合う唯一無二のパートナーが存在しており、バディものとしての側面も持ち合わせているのが特徴だ。
スパイ候補生たちの過酷な卒業ミッションや、国家間でのスパイ戦など、手に汗握る展開が好きという人にはおすすめの作品。
もちろんアクションも見応えがある。
ガンアクションや、隠し持っていたナイフでの戦闘、素手での格闘戦……。
スパイという職業柄、彼らの体自体がひとつの武器のように機能するのである。
どんな状況下でもピンチを切り抜けられるように訓練されたことを感じさせる身のこなしが表現されており、スパイとしてのリアリティを感じることができるだろう。
さらに、先ほど紹介したメサイアというバディシステムもアクションに活きている。
裏切りが当たり前のスパイの世界において、どんなピンチの際も互いに助け合うことを約束した彼らは、背中を預けあって戦うのだ。
メサイア同士のあうんの呼吸のアクションは、バディものならではの醍醐味だろう。
「相棒」や「絆」といったキーワードが気になる人には、ぜひ観てほしいシリーズだ。
2019年秋に最新作の上演が決定しているので、気になった人はチェックを。
劇場でアクションの熱を浴びよう
アクションシーンがおすすめの3作品をピックアップしてみた。
いずれもDVDなどで観ることができるが、アクションの面白さはやはり実際にその熱量を劇場で浴びたときに最大限に味わうことができる。
戦闘シーンがある原作が舞台化される際は、ぜひアクションを浴びに劇場に足を運んでみてほしい。
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