劇場のロビーで見かけるズラーッと並んだフラワースタンド。
「フラスタ」と呼ばれたり「スタンド花」「祝花」と呼ばれるそれらを目にしたことはあるだろうか。
花に詳しくなくとも「なんかすごい!」「素敵!」と感じさせる豪華絢爛なスタンド花について、今回は書いてみたいと思う。
もくじ
どうしてファンは花を出すのか
筆者はこう問われると「出せる現場があるから」と答えてしまうのだが、これだとあまりにも言葉足らずだろう。
祝花を「出せる・出せない」については後述する。
ここでは、どうして「花を出したい」と思うのか、について考えてみたい。
筆者が考える「花を出す動機」の1番大きな部分を占めているのは“自己満足”である。
単純に、ロビーに自分が注文した花があったらテンションが上がらないだろうか?
それがイメージ通りの仕上がりだったらなおさらだ。
ここで1つ目の自己満足を得られる。
さらに、花というのは基本的に出演者の誰かに宛てて贈るもの。花に立ててある札には「○○様」といった形でキャストの名前が書かれている。
推しの名前を目にするだけでニヤけてしまうオタクならではのサガを持って生まれてしまった筆者は、“そこに推し宛ての花がある”という事実そのものがどうしようもなく嬉しくなってしまう。
こうして2つ目の自己満足が満たされるのである。
その花を出したところで、ロビーを華やかにすることはできるが、キャスト陣に具体的なメリットが発生するわけではおそらくない。
(花を通じていくらかの応援の気持ちが伝わっていたらいいな、とは思うが)
それでもつい花を出してしまうのは、応援している俳優本人や多くの人の目に触れる形で「応援」を具現化できるという満足感に他ならないのだろう。
2.5次元舞台でも花は出せるの?
祝花の出せる・出せないは作品による。
2.5次元作品の場合、出せないことの方が多いが、しかしゼロというわけではない。
2.5次元作品でも出せる場合もある。
出せる・出せないは、基本的に作品の公式サイトなどで発表されている。
いくら「出したい!」という気持ちが募ったからといって、勝手に送りつけてはいけないので要注意。
作品によってはサイズや装飾について規定がある場合もあるので、公式からのアナウンスをじっくり読んでから注文に取り掛かろう。
2.5次元舞台向け祝花アイディア集
舞台やライブに祝花を出すという文化もかなり浸透してきたように思う。
出し方が分からなくても、ネットを少し調べれば詳しい方法がたくさん出てくる。
これから初めての花を出すという方は、ぜひそういったサイトを参考にしてみて欲しい。
ここでは2.5次元作品に祝花を出す場合のアイディアを考えてみようと思う。
①キャラクターの特徴に寄せたカラー&デザイン
せっかく原作のある2.5次元舞台。
原作があるおかげで、登場キャラクターの個性が掘り下げられているという点を生かさないのはもったいない!
ということで、まずは花の印象を左右する色味。
出したいキャラクターのイメージカラーがあるなら、そこからデザインを考えてみると一気にそれっぽくなるだろう。
あとはキャラクターの性格にあわせて「元気に」「クールに」など花屋さんにオーダーしてみるのもおすすめ。
花に詳しくなくとも、イメージを伝えるとプロがいい感じに仕上げてくれることも多い。
恥ずかしがらずにキャラクターの画像や詳細を花屋さんに伝えてもいいだろう。
②小物で差をつける
花だけで仕上げると高級感が出る。一方で小物を活用するとより凝った世界観を演出できる。
原作作品の時代背景にあった小物やキャラクターのモチーフを探してみよう。
重かったり大きすぎたりするとうまく花に乗せられないことがある。
ミニチュアや軽い素材で作られたレプリカのおもちゃなどを探してみるのがおすすめだ。
③立札にも世界観を
世界観を作るのに忘れてはいけないのは立札だ。
「祝御出演」と書いてあるあの札のことである。
とくにこだわりがなければ、内容を伝えれば花屋さんがデフォルトの形で札にして付けてくれる。
ただ、もし花自体の世界観をこだわったのなら札までこだわることをおすすめしたい。
自己満足の問題ではあるのだが、筆者は札もこだわりたい派である。
フォントやデザインなど、専門的な知識がなくても心配いらない。
最近は文字加工系のアプリなども多数ある。
そういったものを駆使すると案外どうにかなるのでぜひ一度チャレンジしてみてほしい。
値段では測れない喜びがある
祝花は決して安いものではない。
ロビー用の小ぶりなお花なら1万円以内で出せるお店も多いが、スタンド花になると最低でも一般席のチケット2枚分くらいはかかるだろうか。
ボリュームを出したりお花をたくさん使いたいとなると、プレミアムチケット3枚や4枚はあっという間に超えてしまうこともある。
大事なことなので繰り返すが、決して安くはない。
なので、無理をしてまで出すものでもないと思うが、例えば推しが大好きな作品の舞台化に出る、とか、思い入れのあるキャラクターが2.5次元化されるとか。
そういった自分にとって“特別な作品”に出会う機会があって、運良く花を出せるのなら、思い出のひとつとして出してみるのもいいのではないかと思う。
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